物価高、イラン情勢……生活への懸念は?
公開: 更新:
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第461回)
■ドラマに触発されたケーキ購入で受けた衝撃
TVドラマ「リブート」が佳境を迎えています。鈴木亮平さん扮するパティシエ・早瀬陸が妻殺しの犯人に疑われ、悪徳刑事・儀堂歩に顔を変えて真相を探し出すドラマで、「二役」を演じる鈴木さんの見事な“演じ分け”が印象的です。

久しぶりに食したショートケーキ(注)「ハヤセショート」ではありません
一方、片方の役柄(早瀬)がパティシエだけに、様々なスイーツが出てくるのもドラマの魅力です。シュークリーム、ショートケーキ、プリン、モンブラン……、中でも、自身がパティシエ・早瀬であることを証明するためにつくった「ハヤセショート」は実においしそうに見えました。中のクリームの層は2段になっており、そこにもイチゴがふんだんに入っています。私の家族は「これは手間がかかっている」と唸っていました。
こうなると私の胃は、ショートケーキを受け入れる態勢に入ってしまいます。ただ、実際に「ハヤセショート」の番組コラボ商品があるそうですが、調べたところ、2個入り税込みで2,200円! ガーン、さすがに手が出ず、最寄りのチェーン店に足を運びました。
日本で一般的なイチゴのショートケーキは結構「ピンキリ」で、ハヤセショートのように、上にイチゴを丸ごと1個、中の2段のクリームの層にもしっかりイチゴが入っているものもあれば、コストダウンのために上のイチゴを半分にしたり、クリーム層のイチゴの代わりにジャムが使われているものもあります。購入したのはクリーム一層でイチゴの入った「正統派」とは言え、街のケーキ屋さん。驚いたのは値段で税込み572円! 500円を優に超えていました。
スイーツ好きからは何をいまさらと言われるかもしれませんが、実はショートケーキを購入するのは久しぶりでした。改めて総務省の消費者物価指数をみると、ケーキ全般の数字は厳然たるものです。2026年1月の指数は2020年を100として131.1。前年同月比で8.6ポイント上昇しています。購入したケーキは単純計算で2020年には400円前後だったことになります。値上がりの理由は言うまでもなく、原料の小麦粉、バター、砂糖、卵などの価格高騰。さらに原油高騰に伴う物流費やエネルギーコストの増加が挙げられます。それにしても、ワンコインで買えない時代が来たのか……、少なからぬ衝撃を受けました。

左:経団連・筒井会長 / 右:日商・小林会頭
■収束の見えない中東情勢、石油需給の影響もじわり?
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃からほぼ半月。石油などエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡は事実上封鎖と伝えられています。中東からの原油輸入の依存度が高い日本は、いち早く政府が単独での石油備蓄の放出を表明しました。16日にも始めるということです。ガソリン税の暫定税率廃止で取りやめた補助金の再開も発表。レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格を170円程度に抑える構えです。また、IEA=国際エネルギー機関も計4億バレルの協調放出を決定しました。
私が取材している財界では「スタグフレーション」という言葉が聞かれ始めました。
「万一長期化した場合、スタグフレーションで、経済、暮らしの影響が高まるリスクがある。政府には関係国と緊密に連携して早期の鎮静化に向けて外交交渉に努めてほしい。とりわけエネルギーの安定供給に万全を期してほしい」(経団連・筒井義信会長)
「経済に悪い影響。国によってはスタグフレーション、不況下のインフレになりかねない。心配している」(日本商工会議所・小林健会頭)
毎月22日は「ショートケーキの日」だそうです。一部の菓子店が提唱しているもので、その理由は一般的なカレンダー(7曜日で1行)で22日の上に必ず15日があるということから。「上にイチゴ(15)がのっている」のがそのココロです。毎月、心置きなくおいしいケーキの話ができる世の中であってほしいのですが……、ようやく、物価高対策のメニューが揃いつつある中、飲料・食料品、生活用品にさらなる値上げの火種が待っているのか、予断を許さない日々が続きます。
(了)





