連載400回にあたり……徒然なるままに
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ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第400回)
当コラム「報道部畑中デスクの独り言」も今回で連載400回を数えました。これまでご覧いただき、誠にありがとうございます。
連載を開始したのは2017年5月のこと、第1回のテーマは韓国大統領選挙でした。現地にも足を運び、日本とは違う盛り上がりの選挙戦を取材しました。当時、大統領に選ばれたのは革新系「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏、選挙戦では「ムンジェーイーン!」「トンデームン!」という言葉が飛び交っていました。「トンデームン」とは漢字で「投・大・文」とのこと。「投票は大統領に文在寅を」という略語で、韓国は「三文字文化」であることを知りました。
韓国大統領は2022年に保守系「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏となりましたが、先だって尹氏は内乱を首謀した疑いなどで逮捕されました。月日の流れを感じるとともに、政情不安定な隣国がどうなっていくのか、懸念されます。
さて、400回のコラムでどのようなテーマを取り上げてきたか……、分類が難しいものもありましたが、ざっと数えてみると、自動車関連126回、宇宙・科学90回、政治・外交(都政含む)69回、気象・防災35回、経済27回、スイーツ・グルメ16回(!)、事件5回、スポーツ関連3回、その他29回という結果になりました。担当分野に関する記事が多くを占めますが、スイーツは私の好物でもあり、僭越ながら毎年元日に取り上げています。「その他」は取材の舞台裏などが含まれます。
「400」という数字、調べてみるといろいろあります。小欄の原稿はパソコンで書いていますが、手書きの原稿用紙は通常、1枚400字。ニッポン放送で放送されている「ハロー千葉」でも以前紹介していましたが、400字が多い理由は、明治時代の作家が好んで使っていた、紙質のいい原稿用紙が400字詰めだったからというもの。さらに、マス目つきの原稿用紙が一般的に使われるようになったのは、明治時代中期。文字数の融通がきく木版印刷から活版印刷に切り替わり、新聞・雑誌の作成の際、文字数を正確に数えることが重視されるようになったということです。ちなみに、放送の世界でも「1分400字」が、人が最も聞きやすいスピードの目安とされています。メディアの世界では400という数字は縁深いものです。
自動車の世界ではかつて「ゼロヨン」という言葉がありました。400mの直線区間を走り切るのにどれだけかかるか……、クルマの走行性能を測るバロメーターの一つです。排ガス規制が厳しかった1970年代中盤から80年代にかけては実用車で18~19秒台、17秒台で高性能、16秒台はスポーツカー並みとされ、少年時代は自動車雑誌でひいきのクルマの数値に一喜一憂していたものです。もっともそのタイムは腕のいいドライバーによるもので、そもそも当時免許さえ持っていない少年にとっては、コンマ何秒の差にそれほど意味はないのですが……。
昨今は燃費性能(EV=電気自動車であれば電費)が重視され、ゼロヨンの数値はあまり目にしなくなりましたが、いまも自動車雑誌などでゼロヨンの計測はあり、タイムを競うレースも行われています。高性能車は13秒台、中には10秒台というとてつもない数値をたたき出すものもあります。報道ではEVで10秒を切るものもあるやに聞きます。
スポーツの世界で真っ先に思いつくのはプロ野球。金田正一投手の400勝です。この記録はいまも破られていない金字塔です。現役生活20年のうち、20勝以上が実に14年、いずれも当時弱小球団だった国鉄時代に記録したものです。その国鉄時代は400勝のうち実に353勝を挙げています。王貞治さんの通算本塁打数868とともに、400は日本のプロ野球では「頂点」を意味する数字の一つと言えるでしょう。
直接関係はないのですが、国鉄スワローズを前身に持つのが東京ヤクルトスワローズ。ヤクルトには「ヤクルト400」という商品があります。乳酸菌シロタ株が400億個入っている乳製品乳酸菌飲料だそうです。
あと、スポーツと言えば、極めて個人的なことですが、私は週に1~2度プールに通っていて、毎回400mを泳ぐことを“習慣”としています。合い間のウォーキングを加えると時間にして25~30分程度、これが体力的にも時間的にも(今風に言えば「タイパ」?)私にとって何とか続けていける距離です。
……と、こじつけついでに400という数字の御縁について思いつくままお伝えしましたが、小欄にとって400回はまだまだ通過点の一つ。発信することがある限り、書き続けていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(了)