休日のささやかな楽しみも時代の流れ……

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ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」【第397回】

新年おめでとうございます。毎年1回目は恒例の「スイーツ」の話題をお送りしていますが、今回は2年ぶりにスイーツの「王道」を。

チョコレートパフェ 770円(東京都内で)

チョコレートパフェ 770円(東京都内で)

休日には様々な土地に足を運ぶのですが、私のささやかな楽しみはそこでしか食べられないものを探すこと。名物料理は数々あれど、ここ2~3年、私が照準を定めているのはレトロな喫茶店でのパフェ。独特の照明とソファに身を沈めて食すデザートは、慌ただしい日常とは違うオアシスを感じます。昨年撮影した小欄の画像で幸せな気分を“おすそ分け”いたします(画像のパフェの値段はすべて入店当時のもの)。

しかし、このパフェも時代の流れを突き付けられています。以前に比べて随分値段が上がってきました。かつて500~600円という良心的な値段だった店も、最近は800円台が当たり前、中には1000円を超える店も出てきました。ついつい財布のひもが固くなってしまいます。

チョコレートパフェ 935円(東京都内で)

チョコレートパフェ 935円(東京都内で)

「チェーン店と違って、私たちには厳しい」ある喫茶店の店主からは嘆きの声が聞かれました。その店でも各メニューがある時期にぐっと上がったのですが、店主によると、「この値段では(小口の店舗には)卸せない」と飲み物のサーバーの提供を断られてしまったそうな。仕方なく、瓶単位で調達せざるを得ず、これまでの価格が維持できなくなってしまったということです。ちなみにこの店のチョコレートパフェも600円から800円に値上がりしていました。

昨年は大手企業の春闘賃上げ率が5%台に乗せ、33年ぶりの高水準となりました。課題だった中小企業への波及も、連合傘下の企業については4%台をマークし、一定の効果がみられました。一方で「実質賃金」は最近になって、ようやくマイナス圏から脱しつつあるものの、上昇傾向とするにはまだまだ道半ばです。「今回は定着を合言葉に」(経団連・十倉雅和会長)、「賃上げの流れを巡航軌道にのせる」(連合・芳野友子会長)、物価高に負けない賃上げについて、労使双方からは並々ならぬ意欲がうかがえます。

チョコレートパフェ 980円(東京都内で)

チョコレートパフェ 980円(東京都内で)

ただ現状、懐が温まった実感はあるのかどうか……、最近の値上げは本当に堪えます。前述のパフェのみならず感じるのが日常の昼食の出費。ワンコインのランチが最近は少なくなってきました。コンビニで控えめに買っても500円を超えてしまいます。寒い日にはありがたいラーメンも店内では1000円超えが多くなってきました。本来は健全な現象かもしれませんし、「いいモノには値が付く」(日本商工会議所・小林健会頭)ということは理解するものの、それでも高いなと感じてしまうのは、もともとが貧乏性なのか、あるいは「節約が美徳」の時代に生きてきたからでしょうか。こう書くと「お前もデフレマインドから抜け出せていない」と言われそうですが……。

チョコバナナパフェ 1078円(千葉県内で)

チョコバナナパフェ 1078円(千葉県内で)

巷間伝えられていることと実際の国民の感覚にずれがあるのかどうか。そんな世相の中、「手取りを増やす」と主張した政党が有権者の支持を得て、昨年の衆議院選挙で躍進を遂げたのもある意味自然なことだったかもしれません。

その手取りは今後、どのように変化していくのか。年が明けてまもなく春闘=春季労使交渉が始まります。そして、今年夏には参議院選挙が行われます。衆議院で少数与党になった政治状況から、どのような展開を見せるのか注目です。どんな結果であれ、あまねく人々の生活が豊かになり、私自身もより気持ちよくささやかな楽しみが味わえることを期待しています。ただ、パフェのように“甘く”はないかも……。

チョコレートパフェ 620円(東京都内で)

チョコレートパフェ 620円(東京都内で)

本年も当コラム「報道部畑中デスクの独り言」をよろしくお願いいたします。

(了)

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