ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月23日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。政府専用機を担当する航空会社がJAL(日本航空)からANA(全日空)へ変わった経緯を解説した。
建前上の理由はJALの経営破綻
北海道の航空自衛隊千歳基地で行われた、毎年恒例の航空祭で、昨日、皇族や総理大臣などが外国を訪問する際に使用する政府専用機2機が公開された。
専用機は故障など不測の事態に備え、予備機を含む2機での運用が原則で、2機揃っての一般向け展示は初である。
飯田)いまの政府機はジャンボ機の愛称で知られている「ボーイング747」です。垂直尾翼に日の丸が入ったデザイン。もうジャンボを見るのも航空祭だけになってきましたよね。
須田)そうですね。日本の航空会社による民間利用はほとんどありませんから。その点では、政府専用機の話題のポイントは2つです。
1つは、ジャンボが完全退役して、通称は「トリプルセブン」の「ボーイング777」という中型機に切り替わってくる。これが1点。
もう1つの大きなポイントは、運行するのは航空自衛隊ですが、機体整備やサービス提供などは全日空ですよね。これまでは戦後一貫してずっとJAL(日本航空)が行っていたものが、全日空に切り替わった。「時代は変わったなぁ」という気がします。特に後者に関して言うと、「JALが経営破綻した」が建前上の理由ですが、もう1つは、経営破綻当時は民主党政権でした。民主党政権のなかで巨額の公的資金が投入され、経営再建が進められた。なおかつ、JALの会長には京セラの稲森さんが就任された。稲森さんは当時国交大臣の前原さんや 、小沢一郎さんと非常に親しい関係でした。そういう経緯で、JALとしてはそんなつもりはなかったと思いますが、民主党色が付いてしまったのです。
飯田)そういう目で、見られてしまうと。
須田)政権交代して自民党政権になったときに嫌われてしまい、そうした政治的思惑もあり、全日空が政府専用機の座を得たのです。
ANAが日本を代表する航空会社に
須田)では、「政府専用機を機体整備や運用するのに意味あるの?」となりますが、あるのですよ。ナショナル・フラッグ・キャリアという言葉があります。意味は「その国を代表する航空会社」ですが、たとえばフランスはエールフランス。シンガポールはシンガポール航空。韓国なら大韓航空です。なぜかというと、政府専用機を中心として、その国の国旗を航空機に付けることができるのです。よく見ると、政府専用機だけでなく、一部の全日空機には小さな日の丸が付いているのです。
飯田)要人がタラップから降りてくるシーン。いまは階段のところに「JAL」の文字が並んでいますが、あれが今度は「ANA」になるのですね。そうすると世界中に、「日本の航空会社はこれなのだな」と出るわけですね。
須田)僕が一番印象深かったのは、かつてビートルズが来日したとき。JALで来て法被を着ていました。いまなら、ANAの青い法被を着ていたかもしれません(笑)。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
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