1994年9月以来、23年ぶりに11連勝を飾りました。炎獅子(えんじし)ユニホームは、勝利のアイテム。このユニホームになってから、1度も負けていません。首位ソフトバンクとは6.5ゲーム差の3位ですが、
「負ける気がしない」
とナインは口を揃えています。さて、昨シーズン、4位の西武がどうして強くなったのでしょう。大きな相違点は、センターラインを固定できたことかもしれません。
ルーキーの源田がショートのレギュラーになった。昨年は7人が代わる代わる務めていましたが、チーム全体で101失策はいただけません。16年のドラフト、源田は3巡目指名でした。西武のドラフト戦略は、ひとつ、しっかりした不文律があるのをご存じでしょうか。清原など各球団が、一大争奪戦を展開する特Aランクの野手でなければ1、2巡目は投手を獲得する。つまり、源田は野手でいえば1位の評価だったということです。
なるほど、チームの中心、キャプテンの浅村栄斗、秋山翔吾、金子侑司などは、いずれも3巡目。付け加えるなら、93年のドラフト3位の松井稼頭央(現楽天)もそうです。背番号6を与えられたように、期待も大。ルーキーとしてショートで開幕スタメンへ名を連ねたのは、81年の石毛以来、36年ぶりでした。
大分商では甲子園出場の経験はなく、素質を見込んだ関係者が、「強い大学のリーグで」と強力プッシュしました。そうはいっても東京ではなく、愛知大学野球連盟の愛知学院大。卒業後は社会人のトヨタ自動車へ入社しています。第87回都市対抗野球で優勝を飾ったものの、地味なイメージは拭えません。しかし、プロ入りしてから大ブレーク。背番号にちなみ、6月6日に個人グッズ販売をスタートするなど、知名度も右肩上がりです。
7月26日のオリックス戦では26個目の盗塁に成功。西鉄時代の53年豊田、81年石毛の球団シーズン最多盗塁記録を早くも塗り替えてしまった。オールスターにも出場しています。選手間投票の遊撃手部門で1位の楽天・茂木が故障で辞退し、補充された形ですが、高い守備力でファンを驚かせました。
春季キャンプから、かつて赤ゴジラといわれた嶋打撃コーチが徹底指導。
「長い目で見てほしい。2、3年経ったら、きっと驚くぞ」
と予言していましたが、こんなうれしい誤算は指導者冥利につきると思います。
8月3日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」