今季は、6年契約の最終年。7月31日、トレードの締めきり直前でドジャースへの電撃移籍が決定しました。以前からヤンキース、アストロズなど複数球団とトレードの噂はあったものの、本人は残留希望。17年はここまで6勝9敗で、防御率が4.01といまひとつピリッとしません。7月27日、マーリンズ戦では3回3分の2を投げ、何と10失点でした。
ところが、評価は少しも下がることはありません。「クセをすべて盗まれていた」と各マスコミは伝えていますが、すぐに修正は可能と好意的。評価がさがらないのは三振がとれる投手だからです。148奪三振はリーグ5位。9イニング平均では11個とすごい。歴代のドクターK、ランディー・ジョンソンやペドロ・マルティネス以上の評価もあるほどです。
今年のドジャースは本当に強い。ナショナル・リーグ西地区で、2位のダイヤモンドバックスへ14ゲーム差をつけて独走中。チームは1988年以来のワールドシリーズ制覇を目指しているだけに、ダルビッシュ獲得で盤石の体制を構築したい。
なぜなら、優秀な投手は何人いてもいいからでしょう。実際、エースでメジャー最強のサウスポー、クレイトン・カーショーは腰痛で故障者リストへ入っていますが、順調に回復。ポストシーズンでは、ダルビッシュが右のエースになりそうです。となると、5番手の先発で9勝をあげている前田が中継ぎへ配置転換。何とぜいたくな布陣なのでしょうか。
ダルビッシュはSNSでさまざまな情報を発信しています。ところが、スマートフォンとパソコンは就寝1時間前に、ピタリとやめる。コーヒーなどのカフェイン摂取も就寝6時間前までと決めているなど、きっちりと体調管理を行っています。加えてトレーニングを欠かすことがない。その結果が、
「150キロが、150キロではなくなる」
対戦する打者からしてみれば、球速に表れる以上のボールに感じます。ここ三振が欲しいシーンで、スバッと決める。ドジャースナインは、ダルビッシュの新加入で、
「(ポストシーズンは)あの投手と対戦しなくて済む」
と、ホッと胸をなでおろしています。
日本ではこのところメジャーの話題が少なくなりましたが、今回のダルビッシュの移籍でまたもやスポットを浴びることになりそうです。ただし、米国では田中、イチロー、上原などの話題が代わる代わる取り上げられている。実力がある選手だけが残ったという論調です。
ダルビッシュの場合も1対3というトレードでした。決して、日本の野球が下に見られているわけではありません。新天地でのダルビッシュがどんな活躍を披露するか。大いに後半戦、ポストシーズンが楽しみになってきました。
8月2日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」