11月5日(日)夜放送のニッポン放送「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、パーソナリティの朝井リョウが、大学在学中に執筆し小説すばる新人賞を受賞したデビュー作品『桐島、部活やめるってよ』を執筆したきっかけについて語った。
今回は、前回2人がオススメのドラマについて語りすぎたためにできなかった、「もし、竹内涼真ではない私たちが、今一番なりたい男ナンバーワンの竹内涼真になったら?」をテーマに妄想を繰り広げていく『もしたけ』のコーナーをやることになった。しかし、「みんなの頭の中にある涼真を、どんどん放出いって。」とやる気モードな朝井に対し、高橋は「まだ(頭の中の涼真が)あるんだね。」と、何やら冷めた様子。
察した朝井が、「(最近集めていると言っていた)御朱印はまだ集めてるの?」と聞くと、高橋は「ちょっと止まってる。」と回答。少し前は写真集を買うほどに好きだったはずの竹内についても、「あたし結構早いの。熱しやすく冷めやすいの。」と、既に飽き始めていることを明かした。そういった気持ちの変化を認めていくスタイルに驚く朝井だったが、「まぁ新陳代謝がいいっていうのは、重要なことではあると思います。」とまとめた。
そんな中『もしたけ』のコーナーに移ることになったが、コーナーに入る前に朝井から1つお知らせがあった。この度、乃木坂46×講談社文庫のコラボフェア『乃木坂文庫』に、朝井の著書である『スペードの3』が選ばれることになったとのこと。この企画は、メンバー1人1人を46作品のカバーに1人ずつ起用するというもので、選ばれた『スペードの3』も、乃木坂メンバーの誰かが表紙を飾った、書店店頭でしか買えないスペシャルカバーバージョンで販売されるのだそうだ。
乃木坂メンバーとは以前会ったことがあるという朝井だが、その際1つ驚いたことがあったという。2013年の夏に朝日新聞の企画で、当時メンバーだった橋本奈々未と、若月佑美の3人で鼎談をした朝井だったが、そのときどのメンバーが好きかを聞かれたのだそう。朝井は正直に「生田絵梨花さん。」と答えたそうだが、その2年後に生田本人と会った際、「私の名前を出していただいたんですよね。ありがとうございます。」と言われ、すごい組織だなと思ったのだそうだ。2年前にほかのメンバー言ったことが、きちんと伝わっていて、その時点まで繋がっているということが、とても衝撃的だったと語った。
一方高橋は、組織云々よりも、生田が朝井に話し掛けたことがすごいと話した。前回の話に出た、朝井の姿を見つけたものの、よくいる顔なので本人かどうか分からず声を掛けられなかったという峯岸みなみと違い、いろんな人の“いとこにいそうな顔”である朝井を、ちゃんと識別できたことを賞賛したい様子。それを受けて朝井は、「生田さんも一か八かだったのかな?いとこっぽいけど、もしかしたらアイツかも!?と思って来てくれたのかな?」と笑いながらコメントした。
その後、「今をときめく乃木坂46の話から、今をときめく竹内涼真の話に移っていきましょう。」という上手い繋ぎで進行した高橋によって、満を持して『もしたけ』のコーナーに突入。グッときたメールということで読み始めた朝井だったが、そこから自身の作品作りにまで話が及び、白熱する結果となった。
<メール>
もし私が高校生の竹内涼真だったら、スクールカースト下位層の女子を1ヶ月以内に惚れさせて告白までさせられるかという遊びを、スクールカースト上位の男女グループでしたいです。案の定告白してきた女子を「俺、お前の思っているような人じゃないから。もっといいヤツ探せよ。」と微笑みながら断り、「もっと楽しいことねーかな」と思いながら、日々つまんなそうにその遊びに付き合いたいです。
高橋:ゲスっ!ゲスやん。
朝井:これ私の中でのポイントは、この遊びには全然賛同してないんですけど、「もっと楽しいことねーかなと思いながら、日々つまんなそうにその遊びに付き合いたいです。」というところがすごく好きです。
高橋:あ、そこ好きなんだ。
朝井:この、自分の器に今いる場所が足りてないなっていう感じですよ。つまんないんですよ、この遊び。周りは盛り上げようとするんだけど、本人はそんなのじゃ全然足りてないの。
高橋:なるほど。
朝井:楽しんでもない。これで楽しんでたら全然グッとこないんですけど、
高橋:でも、それでも女の子側は幸せかもね。涼真を好きになれるって。いいな。
朝井:このあと涼真は、この告白してきた女の子と別な場所で出会って、普通に喋りますよ。図書館の誰も借りてないような謎のコーナーでバッタリ会って、女の子は「サイテー」みたいな感じで行くんだけど、涼真は全然気にしてないの。傷つけたことを気にしてなくて。
高橋:少女漫画やん。ヤバ。
朝井:涼真は罪の意識もないの。
高橋:うわ、そういうヤツ一番ヤだね~。
朝井:そう、空虚なんです。私は空虚なイケメンが好きなんです。私はイケメンの空虚を描写したくて『桐島、部活やめるってよ』を書いたぐらい、クールなスクールカースト上位男子が好きなんです。
高橋:じゃあいつか涼真は、そういう役をやったほうがいいってことかな?
朝井:空虚でいても成り立っちゃうってことですよね。
高橋:まぁそういうことだね。成り立つし許されちゃう。
朝井:あの見た目だったら万能感もあるから。本気を出せばできちゃうけど、本気は出さないっていうその感じ。
高橋:全力はダメ?
朝井:いや、いるんですよ?全力の人も当然いるんですけど、そういう造形を小説とかで書くと、人間味がないとか言われちゃうの、すぐ。
高橋:はぁ~、難しいね。
朝井:明るいキャラクターを書いたとして、この子が明るくなったのは何か過去があったことにしたほうが、厚みが出るんじゃないですか?みたいなことを言われるんですけど、でもただ明るい人って世の中にたくさんいるじゃないですか?
高橋:いるいる。
朝井:ヘンにそこで、「昔イジメられたことがあったから明るく振る舞ってます。」みたいなことを付け加えたほうがキャラクターって薄っぺらくなったりするんだけど、それがないと異物に見えちゃう。
高橋:成り立たなくなるんだ。不思議だね~。
朝井:みたいなこともあるんですよ~。
竹内涼真の話から、自身の執筆の際のキャラクター作りにまで話が及んだ朝井。さらに、朝井が時事ネタに隠された闇などについて語り始めると、高橋は「怖いよ!何があったんや。」と心配そうにしていた。