21日、最新映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』のプレミア上映会が鎌倉・鶴岡八幡宮で行われ、主演の堺雅人と高畑充希、山崎貴監督が登壇した。
800年を超える歴史を持った鶴岡八幡宮で、試写会が行われるのは史上初のこと。作品の舞台となった鎌倉で、現地の人にも映画を観てもらいたいと考えた、山崎監督をはじめとする製作陣の想いにより、約7割が鎌倉在住という、およそ1000人の観客の前で、境内に特設の大型スクリーンを設置しての”奉納上映”が実現した。
試写の前には、古都・鎌倉で暮らすミステリー作家、主演の一色正和役を務める堺、一色の元へと嫁いできた年の離れた妻、ヒロインの亜紀子役を務める高畑、そして山崎監督の3人が和服姿で登場。
震えるほどの寒さとなったこの日の鎌倉だが、堺が「防寒対策は万全ですかー!?」と呼びかけると、観客から気温に負けないくらいの大きな拍手が鳴り響いた。
そんな中行われたトークセッションでは、今回、劇中では見られない高畑の和服姿について、感想を聞かれた堺が「めでたい!」「春が来た!」と絶賛。しかし高畑から「でもさっきまで『早く千歳飴持てよ』って言ってきた(笑)」と裏ではいじっていたことを暴露されると、堺は堪らず苦笑。
そして話は、舞台となった鎌倉について。何度か鎌倉は訪れたことがあり、大体知っているつもりだったという堺だが、映画を通じて、まだまだ知らないことが沢山あり、大仏すら見たこと無かった自分に恥ずかしくなったという。
一方、高畑も大学時代に何度か鎌倉を訪ていたそうだが、堺と同じく大仏を見たことが無かったことを伝えると、堺から「(今回の映画は)良い鎌倉観光になりましたね」と言われ、今作を通じて、鎌倉について詳しくなったことを喜びあった。
さらにそんな鎌倉の魅力について堺は、美味しい食べ物や、江ノ電の可愛らしさ、風情のある街並みなどを見て、まるでミニチュアセットの様に感じたことだと語った。そして堺オススメの鎌倉スポットは江ノ電の保存車である108号車、通称タンコロを展示する、『タンコロ祭り』だという。(※今年は江ノ電極楽寺検車区にて、11月25日(土)〜26日(日)の2日間開催される)
一方高畑は、今回、鎌倉の切通し(山・丘などを切り開いて作られた道)に魅了されたらしく、もっと切通しを触って感触を確かめてみたいと話し、堺を驚かせていた。オススメの鎌倉スポットは、色々な景色が楽しめるという理由から『江ノ電』だそうだ。
ちなみに山崎監督の鎌倉オススメスポットは『極楽寺の近くのパン屋さん』。撮影の合間に、ここで食べたチョココルネがものすごく美味しくて驚いたというエピソードを披露した。
そして今回の映画で、鎌倉の人に是非注目してほしいシーンを聞かれた3人。堺は『実際に鎌倉に住んでる人なら気付くウソのVFX』、高畑は『序盤のレトロな車が走っている違和感』、山崎監督は『鎌倉には意外と魔物がいること』と、それぞれが語った。これらのシーンがどうなっているのかは、実際に映画を観て、その目で確かめて欲しい。
最後は堺から、観客に向けて「心が温かくなるのは保証します!」という、力強い言葉で締めくくられ、トークセッションは幕を閉じた。
『ALWAYS 三丁目の夕日』のチームが再集結し、西岸良平の累計発行部数950万部を超すロングセラーコミックを実写映画化した本作、『DESTINY 鎌倉ものがたり』は2017年12月9日(土)に全国公開される。
映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』
<あらすじ>
DESTINY = 運命とは?
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和(堺雅人)のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子(高畑充希)はその生活に驚くばかり。道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神(安藤サクラ)までも現れるのだ。どうやらここ鎌倉は、人と人ならざるものたちが仲良く暮らす街らしい。
本業の小説執筆に加え、鎌倉署の捜査にも協力する夫・正和は、その上、鉄道模型収集やら熱帯魚飼育やら多趣味でもあり忙しい。そんな一色家には、実年齢130歳? の家政婦・キン(中村玉緒)、腐れ縁の編集担当・本田(堤真一)、果ては貧乏神(田中泯)が居座るなど個性豊かな面々が次々に現れ騒がしい日々。亜紀子の理想とはちょっと違うけれど、楽しい新婚生活が始まった。
しかし、正和には亜紀子に隠していた秘密があった。その秘密が原因で正和は結婚に疑問を感じて生きてきたようだ。正和はなぜ亜紀子を見初めたのだろうか?ある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、亜紀子の姿が消えていた。夫への愛にあふれた手紙を残して――。なんと亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった。失って初めて気づく妻・亜紀子への愛。正和は亜紀子の命を取り戻すため、一人黄泉の国へ向かう決意をする。そこで彼を待っていたのは、亜紀子を黄泉に連れさった魔物たちとあの人の姿・・・・・・。
一色夫婦の命をかけた運命が、今動き出す。
出演:堺雅人、高畑充希、堤真一、安藤サクラ、田中泯、中村玉緒、市川実日子、ムロツヨシ、要潤、大倉孝二、神戸浩、國村隼、古田新太、鶴田真由、薬師丸ひろ子、吉行和子、橋爪功、三浦友和 ほか
主題歌:宇多田ヒカル『あなた』
監督:山崎貴
原作:西岸良平
脚本:山崎貴
配給:東宝
公式サイト:http://kamakura-movie.jp
取材・文:関口勇斗
写真:allnightnippon.com 編集部 岩永史弥