高橋みなみも共感!? “お笑いライブ”のお客さんに感じる疑問
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10日夜放送のニッポン放送「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、パーソナリティの朝井リョウが、現代の“共感”が大切にされすぎている世の中に対して疑問を呈した。
先日放送された『M-1グランプリ2017』を見たという2人。元々お笑いは好きだという朝井だが、本人曰く“『ミライ☆モンスター』みたいな見方をしている”とのことで、独特な楽しみ方をしていると話した。『ミライ☆モンスター』は、高橋もMCとして出演中の、日本の未来を担う若きアスリートたちを取材していくスポーツドキュメンタリー番組で、は、中学のときにバッテリーを組んでいた人たちが別々の高校に進んで甲子園で当たるという熱い展開がその番組でよくあるが、今回のM-1の中ではそれが多く見られたという。
今回決勝に残ったかまいたちと和牛は同期で、同じく同期のアキナとアインシュタインと一緒にライブをやったりローカル曲で番組を持ったりしているといい、お互いのラジオ番組などにも出演し、M-1やキングオブコントのシーズンになると誰が優勝するかなど語り合うなど、仲がいいというこの4組。その中で今回かまいたちと和牛が決勝で戦い、敗者復活戦にはアインシュタインがいるなど、そういう意味で『ミライ☆モンスター』とリンクする部分があったのだそう。
そういった見方で実際番組を見たという朝井は、いろいろな感情がこみ上げてきたとのこと。朝井とは逆で、事前情報をほとんど入れず純粋な気持ちで楽しんでいたという高橋と、しばらくM-1の面白さについて語り合っていたが、その中で突如朝井が、M-1のようなお笑いライブでよくある、“ある観客の反応”について疑問を呈した。
朝井:いろんな芸人さんが言ってるけど、刃物とかが出てくるコントで「キャー!」って(反応する)人。あれどうすればいいの?どうしたらいなくなるの?(笑)
高橋:あはは(笑)でもね、ライブとかやってても、特殊なことを言うことを美学としているお客さんいるのよ。
朝井:え、あれさ、特殊なことを言おうとしてやっているのか、本当に“刃物が出てきた”ということに対して、本当に「キャー」って言ってるのか。
高橋:あ~どっちなんだろう?難しいね。
朝井:あれって私大きな問題だと思ってて、小説のことでもすごい思うんですけど、なんかね、小説とか映画とかの感想を読んでいると、“共感”というものがあまりにも重要視されすぎているような気がしていて。「共感できなかったので☆1つです」みたいなのがあるわけですけど。
高橋:うん。
朝井:すごくない?それって。自分が神様なわけじゃん、つまり。
高橋:あ、そうですね。
朝井:私は逆に、共感できないものに触れたときのほうが楽しいんですよ。こんな人間の感情があるんだ!って。
高橋:あたしもそっちだわ。
朝井:ね、面白いじゃんそっちのほうが。でも共感できないことに対しての拒否反応がすごいなと思っていて、つまり共感が物凄い大事なものとされすぎた結果、刃物が出たときに「キャー」って言っちゃうのかな?と思ったの。
高橋:はぁ~そっちか!
朝井:不倫の小説とか書いても、「面白くなかった」っていうなら、もちろん読み手の人の感想だから全然いいんだけど、「不倫は良くないと思います」みたいな感想が来ると、そういうことじゃないんだよな~みたいに思うときがあって。
高橋:うん、そうじゃないよね。
朝井:だから共感文化は私いろんなところで話してるんですけど。
高橋:これは難しいよ、やっぱり。十人十色じゃないですけど、それぞれだしね。
朝井:そう、それぞれなんですけど、共感が良しとされすぎてきたここ何年かぐらいの何かが、刃物が出てきたコントで「キャー」と言う人を生んでいる(笑)
高橋:あはは(笑)
共感を求めるあまり、本来あるべきものとはブレたリアクションが発生していることについて、問題視した朝井。だがそんな朝井にも反省すべきことがあるそうで、「もし私が本屋大賞にノミネートされるような作家なら、私がかまいたち頑張れ!野牛頑張れ!って言ってた気持ちを、チームY(番組リスナー)の人たちも味わえたんだろうなって…。」と、自身が今年出した本がエッセイ1冊のみでありノミネートの可能性がなく、リスナーが期待を寄せる対象になっていないことに触れ、「何にもノミネートされてないパーソナリティでごめんね…。」と悲しそうな声を漏らしていた。