6/4　FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ！⑤

セクハラ問題で辞任した福田事務次官～後任に星野次彦主税局長起用
7：45～ココだけニュース　スクープUP！：コメンテーター須田慎一郎（ジャーナリスト）

参院財政金融委員会で答弁する財務省の星野次彦主税局長＝2018年3月22日、国会内　写真提供：時事通信

緊急事態の危機対応措置的人事

財務省はセクハラ問題で辞任した福田淳一前事務次官の後任に、星野次彦主税局長（58）を。森友学園の公文書改ざん問題で辞任した佐川宣寿前国税庁長官の後任に、飯塚厚関税局長（59）を、それぞれ起用する方向で調整に入った。総理官邸との調整を経て正式に決めたい考え。

飯田）財務省では事務次官と国税庁長官というポストが空席のままになっていました。今日は森友学園問題の公文書改ざんについて調査報告も出るということで、ここで幕引きのような感じになるのでしょうか？

須田）次官級ポストについて。「財務省」というと、事務次官が1トップだと思われている方が多いですが、実は3役というのがあって。事務次官に、国際金融の為替政策の司令塔の立場である財務官。そして、国税庁長官。実はこれらは同格なのです。

飯田）事務次官だけが抜き出ているわけではないのですね？

須田）形の上では同格ですが、事務次官がどちらかというとトップという、非常にわかりにくい構図になっているのです。その3トップの2つが空席だったので、異常事態でした。これを解消しないと前に進まないのもあり、とりあえず今回の人事は、当初予定されたものではないけれど、緊急事態の危機対応人事みたいな位置づけだと思います。その意味では、ダークホースと言われた、星野主税局長が事務次官に昇格したのです。失礼な言い方ですが、本来なら事務次官に昇格できる人ではありません。

財務省が霞ヶ関の不文律を破ると、他省庁の人事が巻き添えに

飯田）主税局長の方は、事務次官を出すポストという感じではなく、主計局長の方が上、みたいな感じがありますね。

須田）むしろ主税局長は名前からして、税制筆頭なわけですので、国税庁長官のポストに行くのが、オーソドックスな人事です。
では、何故こうしたイレギュラー人事が行われたのかというと、本命中の本命である岡本主計局長という人がいるのですが、ここは温存したと見ています。とはいえ、星野さんと岡本さんは58年入省組で同期です。なので、「星野さんがなると、同期の岡本さんは事務次官になれないのでは？」という指摘もありますが。

飯田）昔の霞ヶ関の不文律だと、同期が1人事務次官になったら、他はみんな別のポストに行く、というのがありましたよね。

須田）ええ。ただ、かつて安倍政権で同期から3人出たことがあるのです。このときを考えてみると、同期から複数出ても、人事としてはおかしくないのかな、と。
ただ、これで困るのは他の省庁です。とりあえず財務省は霞ヶ関トップの官庁と位置づけられていますから、他省庁の事務次官には、財務省事務次官の入省年次よりも1級下をとるのです。そういう不文律がある。すると、そこで勝手をやられると、他省庁の人事にまで影響を及ぼしかねない。

飯田）今回58年入省組で星野さんが行ったとなると、他省庁はその一級下を？

須田）通常なら59年入省組ですが、おそらくその対応はとれないでしょうね。

飯田）これがイレギュラー人事なだけに、各省が予定していたものとはズレてしまうわけですね。

本命の人事は来年まで温存か

須田）私は低いと思いますが、もう1つの可能性として指摘されているのが、本来の人事のシーズンは予算を仕上げた後。いま行われている通常国会終了後なのですよ。そうすると、この通常国会が終わったら、来年度予算の作業に入っていくわけですので、それについて新しい人事が一般的です。すると、7月にもう1度人事をやるのはあり得ないと思います。

飯田）いきなりエースと呼ばれた岡本さんのようなのは、なかなか難しいと？

須田）来年まで温存ということです。財務省はいろいろと、まだ問題が起こりそうですからね。そのときの首切り要因として、星野さんとなったのではないでしょうか。星野さん、ごめんなさい。

飯田）岡本さんも主計をやる前の官房長時代に、いろいろと話がありますしね。まだいろいろ出てきますかね、これ。

須田）出てくる可能性もないわけじゃない。もう少し落ち着いてからエース登板、となるんじゃないかな？

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