ファーウェイ副会長逮捕~背景にある3つのポイント

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月10日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ファーウェイ副会長の容疑について解説した。

ファーウェイ 中国 アメリカ 米中首脳 会談 安ワイン 習近平 トランプ イラン

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)(ロシア・モスクワ)=2014年10月2日 写真提供:時事通信

カナダで逮捕のファーウェイ副会長~イランとの違法金融取引か

中国通信機器大手ファーウェイの副会長兼最高財務責任者の孟晩舟容疑者(46)がアメリカ当局の要請により、カナダで逮捕された事件。カナダ検察当局は孟容疑者がアメリカの金融機関で虚偽報告を行い、アメリカの制裁下にあるイランと取引した、詐欺容疑で捜査していることを明らかにした。

飯田)いろいろな報道が出て来ました。たくさんパスポートを持っているとか。

須田)中国パスポートが4通に、香港パスポート3通ということですが、これ自体が異常だと思います。

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中国広東省深圳市にある華為技術(ファーウェイ)本社キャンパス(ゲッティ=共同)=2018年12月7日 写真提供:共同通信社

逮捕の背景にある3つのポイント

この問題は多くのポイントを含んでいます。だから、いろいろな情報が錯綜してわかりにくくなっている。私は大きく分けてポイントは3つだと思います。
1つ目は、直接の逮捕容疑となった「イランとの金融取引」です。
2つ目は、ファーウェイの機器を使用した場合、データの覗き見や改竄をされるリスクがある。つまり「情報流出・漏洩問題」です。
3つ目は、次世代の通信技術「5G」のトップ集団にファーウェイがいて、有利と言われていました。それに対する警戒感と、5Gのトップ集団に立つにあたり「アメリカ企業から不当に技術を取ったのではないか」という疑惑です。これら3つがこんがらがっているのが現状だと思います。

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イランとの金融取引をスムーズに決済させようとしてアメリカの連銀に虚偽の報告

須田)まず1点目の「イランとの金融取引」についてですが、これのどこが問題なのか。イランと金融取引するのがいけないわけではありません。アメリカ国内の金融機関・市場を使うことに関してはアメリカの規制で禁止されているからファーウェイはイランと取引をして、結果的にドル決済するにあたり、アメリカ以外の第3国の金融機関を使って決済したわけです。ところが、最終的な決済尻はドルの場合、すべてアメリカ国内の金融機関同士で決済を行うシステムになっています。そのおよそ6、7割が最終的にニューヨーク連邦銀行で行われるのですが、そこでイラン人や企業・政府の名前が出て来ると、イランと取引したとされて自動的に弾かれてしまうのです。アメリカ国内の最終決済尻のところですね。
そして「弾かれたけれど、これはアメリカでやっているわけでない」という立証が付くと、解除されて元に戻り、決済は認められるのです。ただ、それには2、3日かかるのです。
ところが、資金決済での2、3日はけっこう長い時間です。それを回避するために虚偽の説明をしたのです。「あなた方が関与しているのはイランですか?」という質問に「違います」とね。もっとも、その前にアメリカの連銀で排除されないように、少しデータを変えて「自社内の取引」の形にしておいて、問い合わせが来た場合に、そう説明する。まあ、データを変えれば問い合わせは来ないですけれどね。
しかし、疑われたのでしょう。ファーウェイに問い合わせが来たときに、虚偽の説明をしてしまった。「これは詐欺に該当する」という形を取られたのですよ。正直に言っていれば問題にならなかったのです。

飯田)そこの1点を突いて来たのですね。

須田)その意味で形式犯であることは間違いない。ただ、それは身柄を拘束するような容疑なのかどうか。これについては、欧米は虚偽の説明をすることに対してけっこう重い罪罰が科せられますよね。その辺はバランス上の問題ですが、それが逮捕容疑になっているわけです。ただ、その背景にどんな思惑があるのかを見ていかなければならない。その背景に、先述した2つ目と3つ目のポイントが大きく影を落としていると思います。つまり通信技術の覇権争いと、情報漏洩に対する制御・警戒感ですね。

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習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)(ドナルド・トランプ – Wikipediaより)

米中首脳同士の会食でアメリカ側が数千円の安ワインを出した理由

飯田)逮捕されたタイミングが12月1日です。それがちょうど米中首脳会談の最中で、ボルトン補佐官は「把握していた」と言っていた。そう考えると、大きな構図では米中対立みたいなものがありますね。

須田)トランプ大統領は「知らなかった」というスタンスをとっていますが、私は知らなかったはずがないと思います。少し話がずれますが、ブエノスアイレスで習近平国家主席とトランプ大統領が会食しましたよね。そこでチリ産のワインを飲んでいるのですが、これが数千円の安物なのです。

飯田)首脳同士の会食でそんなワインが出るのですね。

須田)侮辱しているようにも見えるし、ブラフをかけているのですよ。「いい加減にしておけよ。俺はお前たちのことはこの程度にしか思っていないんだぞ」とね。

飯田)しかも、あれはトランプさんが宿泊しているホテルに習近平さんが出向いている形。これは中国人にとって屈辱的らしいですね。

須田)そして、それに輪をかけて、素人でも分かるような安ワインですよ。飯田さんも不味いと思うようなワインです。

飯田)「この味を覚えておけよ」ということですね。

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