米中首脳会談~行方を慎重に見守るアメリカの株式市場

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。米中首脳会談とアメリカの株式市場の関係について解説した。

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習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)(ドナルド・トランプ - Wikipediaより)

米中首脳会談~アメリカは中国への追加関税を見送り

日本時間の昨日に行われた、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談。アメリカは来月に予定していた中国への追加関税を一時見送りにすることが決まった。しかし、アメリカは知的財産権の侵害などの問題を90日以内に解決できなければ、中国製品2,000億ドル分の関税率を、10%から25%に引き上げるとしていて、貿易戦争の激化は回避したが、関税撤廃などの完全な解決には至っていない。

飯田)これまで3回に分けて、合計2,500億ドル分の中国製品に制裁関税を発動しているということですが、そのうち第3弾の2,000億ドル分について保留したということですか?

須田)そうですね。「90日間の猶予を与えた」ということです。G20がめぼしい結果を出せなかったということになります。最近で言うと、やはり多国間(マルチ)の協議において、ほとんど無意味な状況になって来ています。マルチの会合が、バイ(2国間)の協議の場に移りつつあるのかもしれません。その意味では、もともとG20の開催スケジュールは決まっていたから、そこまでにおそらく中国に対して何か結果を回答するように期限を設けていたはずです。とはいえ、あまりにも短期間だったから「とりあえず猶予が欲しい。アメリカが喜ぶような結果を出したいけれど、時間が足りない」みたいな状況だったようです。つまり、その時点では決まっていたが、そこで結果を出すことができなかったのです。

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15日、東アジアサミットで言葉を交わすペンス米副大統領(左)と中国の李克強首相=2018年11月15日 シンガポール(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

米中間問題でアメリカがどこまで主導権を発揮できるか

須田)気になるのは中国との協議を終えて、トランプ大統領は「中国は今後、驚くべき金額のアメリカ製品を買うことになるだろう」と言ったのです。そうなると、いつか来た道です。
今回の米中貿易摩擦の最大のポイントは知的財産権の取り扱いだと思います。それに対して現状で中国はめぼしい提案ができていないのでしょう。
ただ、一方でアメリカをなだめるために、何か多額のアメリカ製品を買おうとしている。これまでと同じことをやったのではないかな。トランプさんはそれを額面通りに受け止めて譲歩するのか、それとも「それはそれ」と、本質的な知的財産権について別に考えるのか。つまり、紛争解決手段です。米中間で問題が起きた場合、どのような形で決着をつけるのか。その枠組みと、それに対してアメリカがどこまで主導権を発揮できるのか、システム作りにどこまで踏み込めるかが、1つ大きなポイントになって来ると思います。

飯田)千葉県いすみ市の“笑顔でカンヌキ”さん(56)から、「90日間先送り。これはクリスマス&春節休戦という感じに受け取りました」といただいています。3月頭までが期限で、2月5日が来年の春節、旧正月ですから、確かにそうですね。実質協議できる時間はあまり多くないかもしれません。

須田)中国は案を取りまとめて、それに対してトランプ大統領が合意するかどうかだと思います。つまり、実務者の協議は米中間の場合はほとんど無意味なのです。トップが最終的な結論を出しますからね。

飯田)トップが選んで同行させた人も、トップの意向がにじみ出ると言われています。アメリカはピーター・ナヴァロという対中最強硬派を今回、連れて来ました。

須田)それは1つのメッセージになっていると思います。

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米中関係に影響されるアメリカの株式市場

須田)問題なのは、トランプさんが大きく注目しているのはアメリカの株価の動きです。米国の株式マーケットは、今回の米中首脳会談の行方をじっと見ていました。もし、これが決裂してしまうと株価は暴落します。そして、アメリカのファンドや企業の決算は12~1月ですから、そうでなくとも、いま売り圧力がかかっている。そして来年1月から買い上がる状況でそこが脆弱になって来ると、アメリカの株価は失速しかねません。その意味でマーケットは会食が開かれるという情報を受けて、買ったのです。「食事する以上、さすがのトランプ大統領もそこでちゃぶ台返しはしないだろう。そこまでの分からず屋ではない」ということで、『会食』のキーワードで株価が上がった。そこまでナイーブなのですよ。

飯田)いまはそれほどセンシティブというか、上下を繰り返しているのですね。これは長期的、中期的なことを考えると「アメリカの景気はそろそろピークになって下がるのでは」とも言われています。「そうなると、中国にとっては時間稼ぎをするほど有利になる」と指摘する人もいますね。

須田)FRBが利上げに動いています。そういう状況を考えると、アメリカの景気動向も、今後の米中協議に大きな影響を与えると思います。

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