トランプ大統領ではなく、ペンス副大統領が行ったことに意味があった“ペンス演説”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月13日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ペンス副大統領来日の報道を受け、10月に行われた「ペンス演説」について解説した。

アメリカのペンス副大統領来日

アメリカのペンス副大統領が昨日来日した。きょう安倍総理と会談を行い、年明けに始まる日本との2国間での貿易協定や、北朝鮮問題などについて協議し、日米の連携を改めて確認する見通し。

飯田)終了後には2人揃っての記者発表も予定されているということです。

有本)日本訪問と言っても、立ち寄ったという話ですから。それなのに、記者会見をやるというのは非常に珍しいです。これは、今後貿易協定などでは利害が対立するところもありますが、日米が国際社会に対して、特に安全保障面では「一緒にやって行くんだよ」と、より強く示したいということではないでしょうか。

飯田)これから、シンガポールに行って東アジア首脳会議がありますが、それに向けてのアピールと。

有本)そうですね。今朝の日経新聞の1面で『米中衝突』という記事が出ています。これはシリーズの第1弾なのですが、『ペンス演説の警告』というタイトルが打たれました。大きく報道されていますが、10月の上旬にペンスさんが演説をしました。これが非常に衝撃的とも言える内容で、中国とアメリカはいろいろな面で対立をしているけれども、最も大きく言っているのは「価値観が全く違うんだ」ということです。副大統領という立場の人が、これだけのことを言うのは異例だと思いますね。

飯田)国務省や国防総省ともすり合わせをした上で、練りに練ったものだということですね。

ペンス演説~トランプ大統領ではなく、ペンス副大統領が行ったことの意味

有本)貿易摩擦とか貿易戦争と言われるけれども、貿易の面だけではありません。例えば長年アメリカや日本にとって懸案だった知的財産権の問題。それから宗教弾圧も含めて、「中国はアメリカとはまったく価値観の違う異質な異形の国である」ということを、明確に言っています。記事でも触れていますが、トランプ大統領はああいう、放言を言ったりする人です。しかし、トランプ大統領ではなく、ペンスさんが言うことによって、アメリカのエスタブリッシュメントの総意と感じ取る専門家が少なくなかった。これはその通りだと思います。いまトランプ政権に対して、常にアンチであるかと思われるようなアメリカの主流メディアも、この点に関してはほぼ同じ論調です。
それから聞く話ではアメリカの世論も、中国に対して「厳しく当たって行こう」という点では一致しているということです。それは日本も同じです。安倍政権の6年間を見て、評価して良いのはこの部分だと思います。

飯田)外交に関して。

有本)はい。アメリカに対し、国民感情をはじめとして難しい面はあっても、アメリカとの同盟関係を内外に対してアピールすることでしか、日本の安全保障は担保できないということです。

飯田)いきなり同盟を解除したら、何が起こるかという話ですね。

有本)そうですね。6年前に第2次安倍政権がスタートしたときは、前政権のこともあって、日米関係は最悪だった。それをここまで建て直し、なおかつ中国という我々に対する相手、これを明確にした点は非常に大きなことだったと思います。

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