黒木瞳と峯村リエ~それぞれのセリフの覚え方
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、女優の峯村リエが出演。役柄の演じ方、またセリフの覚え方について語った。
黒木)今週のゲストは女優の峯村リエさんです。役によってセリフの言い方や、キャラクターを変えたりしますか?
峯村)変わりますね。そして、それが私生活にも出て来てしまうみたいです。
黒木)引きずるタイプですか。
峯村)そうなのです。
黒木)それは入魂! しているのかも(笑)。
峯村)ちょっと恥ずかしい。
黒木)疲れません?
峯村)すごく疲れます。
黒木)役柄と自分自身のバランスはどうやって取っているのですか?
峯村)猫と遊ぶときとか(笑)。お酒をいただいたりするときに、自分を取り戻しますね。
黒木)私はまったくそのときだけなのですよ。そのときに、いちばんいいボルテージで芝居に臨みたいと思います。テストのときに上手く行っても、本番で上手く行かなかったら毎日反省するわけですよ。
峯村)テストのときの方がよかったと思うことはありますよね。
黒木)でもそれは自分が思うのであって、監督が「今回の方がよかったよ」とおっしゃるときはあるのですが、自分のなかの充実感や達成感というものが、テストの方が無心で演じられたと思うと……。だから、なるべく引きずらないで忘れて、また行ったら集中する。その繰り返しになります。
峯村)いくらテストのときに「テストの方がよかったな」と思っても、終わったらもうそれはすっかり忘れるのですか?
黒木)忘れる努力をします。ただ、反省すると、家でまたセリフを言っています。撮ったのに、またセリフを言っている自分がいて、「ダメダメ」と。でも、気づいたら言っています。
峯村)そうですよね。何か安心しました。
黒木)セリフ覚えはどうですか? 早い方ですか?
峯村)決して早くないですね。いまも四苦八苦しています。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが書く脚本は、長年やっているので言い回しも慣れています。かなり後の方に本ができ上がるのを、早く覚えなければいけないというところがあって、それで訓練はされているけれど、他の方の台本だと言い回しが違うではないですか。そうすると四苦八苦しますね。
黒木)どこで覚えられますか? 役者によって散歩中がいいとか、お風呂がいいとかいろいろありますけれど。
峯村)私は、家のなかで歩き回って覚えます。
黒木)歩く。
峯村)歩かないと覚えられないのですよ。外でやったらすごく恥ずかしいので。
黒木)歩くと言っても、筋肉を使っているので。何かをやりながら、立て板に水のようにセリフが落ちて来ると自信につながりますからね。映像の場合もそうですか?
峯村)映像の場合もそうです。あとはお風呂に浸かりながら何回も言って、何があっても言えるようになると、本番でも現場がすごく楽しくなりますね。
黒木)私は若いときに先輩の俳優から、「現場へ行ってみないと、相手の方が右に座っているのか左に座っているのかわからないではないですか。前かもしれない。左ばかりで練習していると、右に座られたときにセリフが出て来なかったりすることがある。だから、すべてのシミュレーションをやっておく。立ってセリフを言うか、座って言うかは現場に行かないとわからないから、すべてのシミュレーションを全部やって行くと楽ですよ」と言われたことがあって、そうしています。
峯村)いまもやっていらっしゃいますか?
黒木)やっています。
峯村)私もやらせていただきます。「黒木瞳さんに教わったのですけれど」ということで。
峯村リエ/女優■1964年3月24日生まれ。東京都出身。劇団『ナイロン100℃』に在籍。
■子供の頃から芝居好きの母親の影響を受け、さまざまな芝居を観劇。高校卒業後、俳優養成所『五月舎』の演出部に入所。
■ナイロン100℃結成時からのメンバーとして活躍し、数々の舞台に出演。テレビドラマ・映画への出演も数多く、大河ドラマ『真田丸』では茶々の乳母、大蔵卿局を演じて大きな話題に。堤幸彦監督作品にも数多く出演されている。
■2019年8月からは舞台『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』に出演。
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