ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月23日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。日中韓外相会談について言及した。
日中韓外相会談~李克強首相がFTAの早期締結に意欲
8月22日、中国・北京で日中韓の外相会談が行われた。李克強首相のもとに3人が出向き、李克強首相はFTAの早期締結に意欲を示している。
飯田)日韓でこじれていますが、FTAをやるのですかね?
宮家)この3国のなかでは、中国が最も貿易について制限的なのですよね。早期締結の意欲などと言われても、それなら中国はTPPに入ればいいではないですか。中国がTPPに入れるわけはないのだけれども。いずれにせよ、日中韓は常にシンボリックな会合ですよね。機微な話はできないでしょう、何か話したら必ず議論が割れてしまうのだから。3者共通の話題と言えば、FTAくらいなのでしょうね。3者が会うこと自体が大事なのであって、何か合意ができるなどと期待してはいけない。日中韓については、私はそう思いますね。会合が開かれること自体が大事なのであって、少なくとも3者の関係が「極端に悪くなってはおらず、話し合いができる状況にまだあるのだ」と確認をする意味で、「よかったね」ということではないかと思います。
飯田)直前に日韓でも外相会談をやっているため、GSOMIAについては濁していて、検討中だと言っていましたよね。
宮家)でも一応は、日本側の反応を見て決めたのでしょうね。
飯田)韓国側も8月15日の演説であまり厳しいことを言わなかったから、「歩み寄ったのに」ということは言っていました。
宮家)関係ないですよ。それよりもっと大事なのは、アメリカ、韓国、日本もそうかもしれないけれど、いまや伝統的な外交安保の専門家の声が全然反映されていない。韓国だって、軍人や外交官たちはいま韓国がいかに変なことをやっているか、よくわかっているはずなのです。でも誰も声を出さない。こんなことで大丈夫なのかと心配になるけれども、なるようにしかなりません。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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