前園真聖~子どもたちにサッカーを教えるとき、答えは言わない
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、元サッカー日本代表・サッカー解説者の前園真聖が出演。子どもたちにサッカーを教える際に注意していることについて語った。
黒木)今週のゲストは元サッカー日本代表・サッカー解説者の前園真聖さんです。サッカーの魅力とは、何だと思いますか?
前園)チームスポーツであって、個人スポーツでもあるというところですかね。野球であれば、1回1回リセットされて、サインなどもあるではないですか。サッカーの場合はファールや、タッチラインにボールが出ない限り、基本的にずっと流れていますよね。野球は打ったら必ず1塁に走りますが、サッカーはどこへ走ってもいいのですよね。ボールもどこへ蹴ってもいい。だから、チームスポーツだけれど個人の判断でやらなくてはならない。個人の判断だけれど、出ている11人がみんなで判断を共有しなければいけない。そこがサッカーの魅力だと思います。
黒木)全国の子どもたちにサッカーを教えているということですが、どういうところから教えているのですか?
前園)子どもたちには答えを言わないですね。「こうしなさい、ああしなさい」ということは言わない。プレーのあとに、「もっとこういうプレーはなかった?」「パスは向こうにもあったでしょう?」ということを、子どもたちに考えさせるところですかね。答えを与えてしまうと、それしかやらなくなるから、「いまのはシュートでよかったんじゃない?」と言うと、次からシュートしかやらないのですよ。シュートさせておいてから、「パスもあったんじゃない、どうだった?」と考えさせる。そういうアプローチが多いです。自分が子どものころ、純粋にサッカーを楽しくやっていたので、その楽しさや、チームでやる重要性、あとは個人で判断する重要性を主に教えています。
黒木)教えた子どもたちのなかから、世界で活躍するプレーヤーが出るとしたら……育てたいですよね。
前園)自分が関わった子どもたちのなかからそういう選手が出たら嬉しいですし、いまの子どもたちには環境が整っています。子どものころから明確に「海外のチームでプレーしたい」「日本代表になりたい」という言葉として出て来るので、意識は高いと思います。いまの子どもたちとサッカーを共有しながら、僕も楽しませて貰っています。
黒木)オーラのある子を感じることはありますか?
前園)もちろん技術的に優れている子は目に留まるのですが、そういう選手が必ず順調に成長して行くかと言えば、話は別です。技術というものは大事ですが、それ以上にメンタル的な部分も大事ですし、上手ではなくても何かを学ぼうとする姿勢や意識は、指導している数時間でわかります。そういう選手は急激に伸びます。
前園真聖/元サッカー日本代表・サッカー解説者■1973年、鹿児島県出身。
■小学校に入る前からサッカーをはじめ、高校では強豪校・鹿児島実業に入学。
■高校選手権に3年連続で出場し、2年生の大会では準優勝を果たした。
■1992年にJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。
■1996年、キャプテンとして出場したアトランタオリンピックで、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こし、日本を代表する選手として広く注目を集める。
■その後は、ブラジルや韓国の海外クラブでのプレーも経験。2005年5月19日に現役引退を表明した。
■引退後は、サッカー解説者・スポーツキャスターなど様々なメディアで活躍。またZONOサッカースクールを中心に子供たちにサッカーの楽しさを伝える。
■私生活では2017年に結婚。ペットはミニブタのセブンと、ペキニーズ&マルチーズのミックス犬・アンジェロ。
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