12月10日(火)深夜、ラッパー・R-指定とターンテーブリスト・DJ松永による音楽ユニット・Creepy Nuts(クリーピーナッツ)がパーソナリティを務めるラジオ番組「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送・毎週火曜27時~)が放送。男性声優達によるラップバトルプロジェクト「ヒプノシスマイク」の“どついたれ本舗”から、白膠木簓(ぬるでささら)役・岩崎諒太、天谷奴零(あまやどれい)役・黒田崇矢が生出演した。
Creepy Nutsは、どついたれ本舗のチーム曲「あゝオオサカdreamin’ night」を提供。楽曲は10月にYouTubeで先行発表されたが、現在12月の時点で再生回数は900万回を突破。歌詞にキャラクター達の名前をさりげなく織り込んだり、他のディビジョンや、キャラクター同士の関係性を彷彿させる仕掛けがあることから、ファンの間でも話題となった。
番組では、作り手であるR-指定とDJ松永、歌い手である岩崎と黒田とで、「あゝオオサカdreamin’ night」の制作秘話を語った。
R-指定:実際にラップをやってみて、どうでした?
黒田:難しかったですよ!
DJ松永:いや、そうおっしゃる割にクオリティが高すぎて。我々、ちょっと引いています。
R-指定:そう。我々が作った『あゝオオサカdreamin’ night』、僕は3人のキャラクターのラップを全部分けて書いたんですが、黒田さんの天谷奴零のパートなんかは今っぽいラップというか、「炎天下すら凍らす~」っていうふうに三連符で、「タタタ、タタタタン~タタタ、タタタタン~」っていう、最新のラップテクニックを入れているんですが……。そういうのを黒田さんは完璧に乗りこなしていた。
白膠木簓のところは、いちばん俺の素のラップに近いんですけど、岩崎さんは俺のラップのクセ、特徴を見事に再現されていて。お二人にこんなことを言ったらあれですけど、本職じゃないお二方がこんなにラップを上手にされると私、仕事がなくなります。
岩崎:そんなことないですって!(笑)
DJ松永:そう。だから、お二方が作詞をしたら危険です。
R-指定:自分で書くのだけはやめてください。
黒田・岩崎:書けないですよ(笑)
DJ松永:黒田さんの最初のゆっくりのところ、もしかしたらリスナーの人達はそんな高度だと思っていないかもしれないですけども。
黒田:あれ、難しいですよね! すっごい難しいです、本当に。
DJ松永:あれ、難しいんですよ。しかも、岩崎さんのところは、細かく R-指定のコピーをしているって言ったけど、我々はレコーディングでディレクションに立ち会っていないんですよ。
R-指定:だから、「こうしてください」っていうのを僕ら、言っていないんですよね。僕の録ったデモを聞いて、そこから読み取ってくれて、お二人ともやってくださって。
DJ松永:言葉なしで曲を聞いて意図を全部汲み取るっていうのは、これはすごいこと。しかも経験がない人がっていうのはこれ、ちょっとありえないことだよね。
R-指定:いや、ありえへん。
黒田:だって俺、何十時間? 何百時間、R-指定さんの声をずっと聞いていましたよ。本当に。
R-指定:マジっすか! いや、ありがたい……。
黒田:だから今、生の声を聞いてドキドキしていますね(笑)。ずっと耳で聞いていた声だから。そのぐらい聞き込んで、やり込んだんですよ。
DJ松永:そうなんですか。じゃあ、岩崎さんも結構聞き込んだんですか?
岩崎:聞きました。デモも聞きましたし、(Creepy Nutsの曲の)『みんなちがって、みんないい。』とか。もう必死に聞きましたもん!
R-指定:自分の特徴をつかまれているって、ちょっと不思議ですね。僕のラップって結構難しい、と自分で思っていたんですけど、それを完璧にやってくれるから。
DJ松永:だからさ、やっぱり声優さんってすごいなと思ったのが、感情の入れ方とか、その表現力みたいなのって、ラップって話芸に近いからさ。すごくそこが重要になってくるじゃないですか。やっぱりそこ、天才的だよな。あとはやっぱリズム感とか、超いい!
黒田:俺の場合は格闘技がやっぱリズム感って関係ありますね。リズム感が悪いやつってあんまり強くならないですね。小学校の音楽の時間からリズム感は褒められていました(笑)
R-指定:じゃないとね、あの天谷奴零のラップってできないんですよね。だから僕的にも結構そのヒプマイの今回の『あゝオオサカdreamin’ night』を書くにあたって、最初に上がっていた、全員で歌っていた曲があるじゃないですか? あれを聞いて。「ああ、黒田さんは声が低いんや」、「岩崎さんは結構高い声を出せるんや」とかっていうので、自分で考えていて。あと、ヒプマイ好きの友人にキャラクターのアドバイスをもらって。だから、黒田さんの歌詞は、ちょっと敵を弄ぶ感じにした。
黒田:もう完璧でしたよ。
R-指定:岩崎さんの白膠木簓は、飄々としている感じで……とか。
黒田:すごいですよ。よくキャラクターごとにこうやってキチッと、俺達よりも役柄が分かっているんじゃないかっていうぐらい。
R-指定:本当ですか?
岩崎:本当にヒプマイ全体を把握されていますよね。
黒田:そうそう。すげえ全部過去のやつとかも読んだのかな? って。
R-指定:それは僕も調べたというか、あるものは全部聞いたし、作るにあたっても全ディビジョンのを聞いたり、キャラクターを見たり。ヒプマイって全員、いろいろとキャラが立っているじゃないですか? で、各地のラッパー同士の関係性とか因縁があったり。これって結構ヒップホップ業界そのものにも通じるんです。
ヒップホップもまさしくそうで。実際にこのラッパーとこのラッパーが仲悪くて、でも昔は同じグループで……みたいなことが多いんですよ。で、そのラッパー同士が曲を出すわけだから、勝手にお客さんが勘繰って「これはこいつに言ってるんじゃないか?」とか。そういう考察が面白かったりっていうのは、もうヒップホップそのまんまなんですよ。ヒプマイのファンの人が楽しんでる楽しみ方というのは、僕や松永がヒップホップを好きになって、ファンの時に楽しんでいた楽しみ方と全く一緒です。
だから、じゃあ新しいラッパーがシーンに登場するとして、どんなやつだったら面白いかな? ということを考えて、俺はやっぱりエミネムが出てきた時とか、日本だと般若さんが出てきた時。いろんな大御所とか同世代とかに噛み付いて“俺の方が上やぞ!”って、いろんな方位に戦い挑むようなやつがかっこいいなと俺は思ったから、いろんなディビジョンのことをちょっと入れ込んだんです。
楽曲提供するにあたり、「ヒプノシスマイク」について徹底して研究したというR-指定。作品に触れていくうちに、「ヒプノシスマイク」の世界観が、自分がヒップホップを好きになった背景と重なったことから、好戦的な歌詞を盛り込んだと吐露した。
この他にも、「あゝオオサカdreamin’ night」が“和の音”になった経緯や、トラック作りのエピソード、R-指定と岩崎の地元・大阪にまつわる話なども語った。
番組情報
月曜日のオールナイトニッポンは、1MC・1DJユニット「Creepy Nuts」が担当! MCバトル日本3連覇のラッパー“R-指定”とDJバトル世界一のDJ、“DJ松永”の二人によるHIP-HOPラジオ! フロア同様、深夜ラジオ界を爆アゲさせます!
★再編集したポッドキャストをSpotifyで聴けます!⇒こちらからチェック
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