声優で女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「三菱電機プレゼンツ 戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)に、声優の増岡弘がゲスト出演。テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」でアンパンマン役を務めている戸田と、昨年2019年8月までジャムおじさん役を務めていた増岡が、後任の声優・山寺宏一について語った。
増岡は昨年、ジャムおじさん役と、アニメ「サザエさん」のマスオ役を、高齢のため本人の希望で卒業することを発表。ジャムおじさんは約30年、マスオさんは約40年と、どちらも長きにわたって国民的アニメの人気キャラクターを演じた。
たくさんの子供達から愛されてきたジャムおじさん役を引き継いだのは、同番組内でめいけんチーズや、かばおくんなどの役を担当している山寺。スタジオでの山寺の様子を、戸田が明かした。
戸田:増岡さんの後を引き継いだのは、我がアンパンマンファミリーの山寺宏一さん。山寺さんバージョンのジャムおじさんはご覧になられましたか? 何かダメ出しとか、伝言があれば山寺さんに伝えておきますよ。
増岡:いやいやちょっとね……恥ずかしくて。たぶん、僕よりもはるかにジャムおじさんだと思うと、ちょっと怖くてね、見ないように、聞かないようにしていまして……。
戸田:その気持ちも、すごくよく分かります!
増岡:私のジャムおじさんが言わんとしたことを、さらにその上をいく山寺さんの才能、努力の素晴らしさ。
戸田:本当ですね。
増岡:本当に神様です。
戸田:山ちゃんこそ、増岡さんのことを『神様だ』、『僕の師匠ですから』って言っていましたよ。『(役を引き継げて)光栄だ』って言っていましたよ。
増岡:いやいや、とんでもない。
戸田:私も『山ちゃん以外の人が(ジャムおじさんを)やるなら、私は辞めます』ぐらいのことを言い放ったくらいなんですが……。山ちゃんは毎週、増岡さんの声を朝聞いて出かけて、スタジオに来て、今でもスタジオの隅で『ちょっと違った……』って言いながら練習をしているんですよ?
増岡:えええっ!
戸田:山寺は本当の努力家なんですよね。
増岡:それはやっぱり愛ですよね。自分の仕事への愛だったり、相手への愛だったり、子供達にジャムおじさんが変わったということが分からないように、それ以上になるように工夫をして、さらに進化したジャムおじさんにしてくださっているんだと思っています。僕よりはるかにいいと思う。よかったなあ……。
戸田:山ちゃんは『師匠の後を継げるなんて、うれしくて光栄だ』っていう風に言っていて。彼がいまだに努力をしているという姿を見て、私はちょっとびっくりして、感動してしまったんですけど……。頑張ってやっていますよ。
新ジャムおじさんをまだ一度も見てはいないが、山寺のこれまでの姿勢から、信頼して任せていると語った増岡。今も近くで山寺の活躍を見ている戸田も、どこまでも自分に厳しい彼の仕事への姿勢に、感服するほどだと明かした。
この他にも番組では、ジャムおじさんとマスオさんの引退を思い立った出来事や、長年に磯野波平役を務めた声優・永井一郎さんへの思い、過去にアンパンマン声優とお金を貯めて旅行へ行った思い出を回想。
声優という職業がまだ珍しかった当時については「まだ声優というのが世の中に定まっていなくて、非常に低い位置で捉えらえられていた気がする。みんな、やむを得なくそういう仕事をするという感じがしなくもなかった」と、鬱屈することもあったという。続けて、「私たちは本当に声優という仕事の出発点の苦しさといいますか、そういうのを味わって、それでも仕事は楽しかった」と回顧し、息を吹き込んだ作品がオリジナルになっていく感覚に魅了されていったと語った。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。