2020年米アカデミー賞を予想! 大注目の3作品の見どころを紹介
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2月2日(日)、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)で、2020年2月10日(日本時間)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開かれる、映画の祭典「第92回アカデミー賞」授賞式について特集。ゲストの映画コメンテータ・清藤秀人に、作品賞の有力作品を聞いた。
本命は「パラサイト 半地下の家族 」
歓楽街の地下に住んでいる家族が、豪邸で住むブルジョアなファミリーに取り付いて寄生していくという話ですが、だんだん入れかわって二転三転、四転五転くらいのことがあります。韓国映画で、韓国の歴史問題とかいろんな要素が混在し、どんどん展開していくし、社会派で結構きな臭い貧富の差の問題を、ホラーコメディというエンタメに落とし込んでいます。
去年、アメリカで限定公開された時に大ヒットした映画ですが、すでにその時に「外国映画で世界初のアカデミー作品賞を取るんじゃないか!?」と言っている人がいました。もしかしたら本当に、オスカーの歴史が変わるかもしれません。
二番手は「1917 命をかけた伝令」
第一次世界対戦のヨーロッパ戦線で、指令書を託された二人の伝令が戦場をダーっと駆け抜けていくんですが、それを著名なカメラマンが縦横無尽に、その二人をワンカット、ワンショットで撮っていくわけです。グルービーなカメラワークがすごく、戦場の恐怖があるかと思えば、途中で照明弾に照らされた廃墟とか、戦場とは思えない長閑な農場とかが映るので、戦争映画でありながら、メルヘンというかファンタジーというか、視覚的にすごく楽しいものがあります。心痛い展開もありますが、戦争映画としてユニーク。戦争映画は最近そんなに多くないですが、監督は「007」でも有名なサム・メンデスで、本当の彼の祖父から聞いた話を映画にしたということもあり、脚色はしているんだろうけど、『こんなことが本当にあったのか!?』と、思うような第一次世界大戦秘話が面白いです。
三番手は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
舞台は、1960年代から70年代のハリウッドで、古き良きハリウッドがテレビに侵食されている境目。いわゆる、そこでカルチャーが変化した、と言われていますが、古き良きハリウッドをギリギリ残しつつ、時代が変わった時代に対して、どれだけタランティーノ監督が愛情があるかということが分かります。
リアルな当時のハリウッドとか、スターが行ったレストランとかカフェ。更にそこに、この時代を代表するアイコンで、実在したハリウッド若手女優シャロン・テートが出てきて、そこにタランティーノ監督がかけたマジックが話題になり、タランティーノ監督流のポップな時代絵巻という意味では、今年のハリウッド映画の代表作です。
同作でブラッド・ピットは、「助演男優賞ほぼ決定」と言われています。影のように寄り添って、だんだん力を発揮していく不気味なスタントマン、そして私生活はミステリアスという役柄ですが、50代にしてのあの体の作りこみ。ナルシストではあるけれど、役に対してのあの献身さはすごい! スターでありながら、性格俳優ぶりを思い切り発揮してくれたので、ブラッド・ピットは行きますよ。
この他にも番組では、もともとアパレル業界にいた清藤が、これまでのアカデミー賞で個人的にベストドレッサー賞を贈りたい女優、Netflixが制作したノミネート作品「アイリッシュマン」、「マリッジ・ストーリー」の魅力も解説。Netflixといったストリーミングサービスで提供されている作品が、映画賞をとることへの持論も語った。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。