9月22日(火)深夜放送のラジオ番組『ミューコミプラス』(ニッポン放送・毎週月-木24時~)に『ドラえもん』の長編アニメ映画シリーズなどを手掛けていることでも知られる映画監督の渡辺歩が出演し、昨年公開されたアニメ映画『海獣の子供』に込めたメッセージについて語った。
2019年に公開されたアニメ映画『海獣の子供』が第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞を受賞した渡辺監督だが、『海獣の子供』で渡辺が描きたかったものについて、長年携わっているドラえもんシリーズと共通している部分があることを明かした。
吉田尚記アナウンサー:『海獣の子供』について、ものすごく作品から何か感じるものはあるんですけど、『海獣の子供』ってストーリーとしては正直“分からない”んですよ。『ドラえもん』シリーズと違って。子供向けのアニメって理解されないのってNGじゃないですか? ここって監督の中でどう繋がっているんですか?
渡辺:僕は例えば、『海獣の子供』だったら(主人公の)琉花とその友達が一定の期間に感じたものを大事に描きたいと思っていて、それを琉花の中でいますぐ消化できなくても、ずっと残って将来何かの時に分かる日が来るかもしれない。(映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』で)のび太も全てが分かったわけではなく、あのときに感じたピー助との別れは将来大きくなった時に経験として蘇ってくるのではなかろうかと。常に僕の中では共通した部分を描いてるっていうのがあるかなと思います
吉田:『ドラえもん』にしても『海獣の子供』にしても、監督は何十年も先のことを考えて作っているということですか?
渡辺:そうですね。どちらかというと僕はそういうふうに……。キャラクターを通じて、ご覧になっていただいたお客様にとっても、そういった気持ちを共有して持っておいていただけると嬉しいなと思いながら作っています。なんかちょっとカッコいいこと言い過ぎかしら(笑)
またこのあと、アニメーション映画の監督という仕事についての話も語られた。渡辺はこの職業について、映画全体の設計図を作るということと、それとは別に「最後に何か1つメッセージを入れるときに何かが問われる仕事」だと考えていると語った。
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