ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月15日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。中国政府がイギリスBBCの「ワールドニュース」の放送を禁止したというニュースについて解説した。
中国、BBC放送禁止
中国政府はイギリスの公共放送BBC「ワールドニュース」の放送を禁止した。新疆ウイグル自治区についてのBBCの報道や、イギリス当局が中国国営のテレビ局の国際放送の放送免許を取り消したことへの対抗措置とみられる。
飯田)ウイグル人の女性が拘束され、当局の施設のなかで性的暴力を受けていたというような報道があったということです。
須田)中国が切って来たカードも意外に「ショボイ」なと思いました。もともとBBCの国際放送が受信できるのは、中国ではごく一部のホテルと一部の認められた特権階級だけだったのです。一般の人は受信できないので、ほとんど影響がないと思います。
2020年7月に起こったイギリスでのファーウェイへの5G基地局発注の全面撤回~新疆ウイグル自治区問題がクローズアップされた
須田)ファーウェイは通信機器だけではなくて、イギリスでは5Gの携帯基地局としても、国の発注事業として受注していました。財政支出は出ていて、基地局の建設作業が進み、一部は完成していたのだけれども、それを全面的に白紙撤回に持って行ったという一件が、2020年7月にあったのです。これはイギリス議会で大問題になりました。ファーウェイは、新疆ウイグル自治区での監視カメラ等の監視システムに対して技術提供、機器提供をしている「犯罪的な企業なのだ」という物言いがイギリス議会で行われたのです。「そういう犯罪的企業に加担していいのか」という議論が起こり、結果的にそれはおかしいということで、全部ひっくり返るという状況になったのです。そのときから新疆ウイグル自治区問題というのは、非常に大きくイギリスの政治のなかでクローズアップされた、ということが1点目。
BBCの報道はイギリス国内の流れと連動している
須田)そこから中国の人権というところに対して厳しく臨むようになった。ですからファーウェイの排除と今回、BBCがこういうことを報道しているというのは、つながっている話なのです。BBCがこういうところに力を割いて経営資源を投入し、意欲的に取材し報道していることは偶然ではなく、イギリス国内の空気、流れと連動している話なのです。
飯田)確かに2020年の夏ごろ、BBCが駐ロンドンの中国大使を番組に呼んで来て、ウイグル人が目隠しをされて列車に乗せられているように見える映像を見せるということがありましたが、そういうところもつながっているのですね。
須田)これから間違いなくイギリスは、新疆ウイグル自治区問題、これはアメリカと連動しますから、英米はそういう方向で行くのだろうと思います。その辺りに対してまだ及び腰なのが、フランス、ドイツです。この辺りがこの問題に関して、ほとんど旗幟を鮮明にしていないのです。むしろ、「アメリカ側の動きには同調しない」というような感じになっています。ここが西側の弱いところかなと思います。
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