歌手の森山良子が、自身のもとに届いた医療現場の現状を訴える医師の“詞”を“歌”にし、ラジオ番組で披露した。

医療現場の現状を森山良子が歌う「オールナイトニッポンMUSIC10」

『オールナイトニッポン MUSIC10』（ニッポン放送　毎週月～木曜　22時～）の月曜日のパーソナリティは森山良子が担当しているが、1月25日（月）の放送で、呼吸器疾患の専門医師からニッポン放送に届いた医療現場の現状を訴える詞を森山が朗読した。医師は「今回の緊急事態宣言は、前回ほどの緊張感を持って受け止めてもらえていない気がします。ふと、思いついて、メッセージが伝わるきっかけにと作詞してみました。この詞を使って、リスナーの皆さんに病院で起こっていること、また、コロナの怖さをわかっていただければ幸いです」という思いで作詞したとのこと。

森山の朗読を受け、リスナーからは「あらためてコロナとともに生きている今を見つめなおすことが必要と思いました」「この詞をみんなに聞かせたい」という反響がメールやTwitterで数多く寄せられた。その反響を受け、この詞に森山自身が曲をつけて歌にすることになり、2月15日（月）の「オールナイトニッポンMUSIC10 」のなかで、その曲『つたえたい　この場所から』を初めて披露した。番組には「良子さんの歌を聞いて胸がいっぱいになりました」「どんなに文明が発達しても、疫病は人類にとって大変手ごわい敵なんだと改めて感じました」「骨折で入院している母から会いたいと電話がありました。本当にしんぼうですね！この歌を聞いて自分たちだけじゃないと元気が出ました」など、様々なメッセージが番組に寄せられた。

歌い終えた森山は「先生から寄せられた『つたえたい　この場所から』という詞をこの番組で朗読し、リスナーの皆様から大きな反響をいただきました。スタッフみんなで相談し、この詞を歌にすれば、少しでも多くの皆様に伝わるのではという思いから、メロディをつけようと思い立ちました。未熟なメロディですが、何とか出来上がりました。感染者数は減ってきていますが、みんなで一緒にこの状況を受け止めて、医療現場の方、感染された患者さん、そして、お亡くなりになった方、皆さんへの思いを歌に込められればと思っています。もう一度、自分たちで注意して、自分のために、まわりの人のために危機感をもって生活し、本当にみんなが明るい笑顔で会える日を待ちたいと思います」と話した。

また、森山の歌を生で聞いた医師は「歌詞の内容を大切に思い、プロとして、歌詞の内容をより届けたいという真摯な姿勢が感じられ、本当に感謝しています。楽曲の素晴らしさ、ライブの良さはもちろんですが、歌詞に込められた思いや医療現場で起こっていることを伝達するという大切な役割を引き受け、1回のパフォーマンスに臨んだ意気込みが感じられました。本当にありがとうございました」と話している。

緊急事態宣言発令下、現役医師の医療現場を訴えるメッセージがひとつの曲として結実した奇跡のコラボレーション。同番組はradikoのタイムフリー機能で、放送1週間後まで聴くことができる。