キャスターの辛坊治郎は8月3日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、新型コロナウイルス感染症における『後遺症』という用語の使われ方に関して異議を唱えた。
辛坊)最近ワイドショーを見て「おいおい」と思ってしまうのは、『後遺症』という言葉をメディアも一部の専門家も平気で使うのですね。この新型コロナウイルス感染症に関しては『後遺症』がどの程度出るのかというのはまったく不明なのですよ、いま。
『後遺症』というのは原則、生涯抱えなければいけないような障害がどこかに残ることをいう日本語です。医学でもそうですね。新型コロナウイルス感染症は、感染し始めてからまだ半年ほどの病気だから、そのままずっとその『後遺症』が続くがどうかは誰も証明できていないわけですよ。それを医学的に『後遺症』と言うのかということですよ。これは単なる「症状が残っている」というのが大半です。
なおかつ、ものすごく驚いたことは、「無症状でも『後遺症』が出るらしい」と言う人がいるのですけど、無症状の人に新型コロナで『後遺症』が出た人は1人もいません。というか、症状が出たらそれは無症状ではなくて、症状ありなのですから。唯一、この病気に関して特異的な症状としては、味覚障害が比較的長く残るといまのところ言われています。
肺が一部機能しなくなるということは、重症肺炎では必ず起きることです。だから、他のウイルスや細菌による、あるいは誤嚥による、細菌感染の肺炎でも、重度の肺炎になったら必ず『後遺症』が残るというのが常識なので、「新型コロナに関しても重度の肺炎になれば『後遺症』が残ります」という話ならば分かります。しかし「新型コロナ特有のなにかとんでもなく恐ろしい、無症状なのに『後遺症』が出てしまう」という話がいま流布されています。
私はこの病気に関して、現状において『後遺症』という言葉を使ってそういうことを描写するメディアや、医者、感染症学者は単なる恐怖を煽るだけの存在だと思いますね。『後遺症』というのはそういうものでは無いのです。無症状では『後遺症』は出ません。一部のジカ熱(ジカウイルス感染症)のように、軽症で終わってもそのあとギラン・バレー症候群のような恐ろしい『後遺症』が出ることもあります。だから、未知なので感染しないに越したことはないけれども、まったく証明されていないことを平気で言うなよ……一言でいえばそういう話ですね。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)