キャスターの辛坊治郎氏が11月9日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国・習近平国家主席の長期政権、独裁政権について述べた。
中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回総会が11月8日、北京で始まった。40年ぶりとなる歴史決議が審議され、長期政権を目指す習近平国家主席の権威を高める狙いがあるとみられる。
辛坊)歴史決議とは何か。いちばん最初に毛沢東が1921年に結党して、1945年・第二次大戦が終わるその年に、中国は共産主義で毛沢東のもとに団結して……という、この中国の共産党の歴史をうたい上げた、これが最初の中国共産党の歴史決議で、中国共産党の歴史のなかでは非常に重要です。その次に、その「毛沢東崇拝」みたいなもので凝り固まっていた中国をひっくり返すかたちで鄧小平氏が1981年に「いや、これからはあの毛沢東時代に帰ってはいけないのだ」ということで、もういちど歴史の見直しを行った歴史決議。で、鄧小平という人物は、自分は国家主席にならなかったのだけれども、でもやはり中国の共産党の歴史のなかでは圧倒的な力を持っていた人物。で、この人が2回目の歴史決議を行いました。
そして今回、習近平氏は3回目の歴史決議で、共産党が結党で100年を迎えるというタイミングで、全世界に向けて毛沢東が行った歴史決議、鄧小平が行った歴史決議に次ぐ、中国共産党にとって3回目の歴史の総括、過去中国共産党が100年間こういう歩みで来て、自分は現状においていま中国で急速に進んでいるのは習近平氏の「神格化」、ほぼ神様みたいな扱いになって。知っています? 『くまのプーさん』は、中国で放送できないのですよ。
増山)どうしてですか?
辛坊)似ているから。
増山)ええっ!?
辛坊)『くまのプーさん』を出すだけで、「それは習近平氏に対する名誉棄損だ」みたいな扱いになってしまって。そこまでくまのプーさん関係ないだろうという話なのだけれど、たまさか似ているから。
増山)それもちょっとあれですけど。
辛坊)プーさんに失礼ですね。だけど、『くまのプーさん』というのが中国では放送もできないと、扱いもできないというくらい神様扱いされてしまっていて、それの総決算というのが歴史決議というので今回行われるのではないのか? と。歴史決議案の審議が始まって、さらに習近平氏の神格化が始まって、つぎに何を目指すかというと、通常来年の党大会で5年の任期が2期ですから、これで中国共産党の鄧小平以来の伝統で言うと、これでまあトップから降りる。
辛坊)ところが習近平氏には降りられない理由があるのですよ。1つは、トップで独裁者でいたいという思いなのだけれど、1つはやはり恐怖感もあると思う。(トップが)習近平氏になってから、粛清を進めて、前政権に繋がるようなトップの人たちを汚職とかで、「普通そこまでやらんだろ」というようなトップまで全部汚職で摘発して、財産没収したりなんかするわけですよ。もう執行猶予付きの終身刑とか訳のわからない刑罰があるのですが、そういうことをしちゃったもんだから、自分が権力の座から滑り落ちたときにどんな目に遭うかわからないという、だからもう頂点から滑り落ちるわけにはいかないという状況。こういう神格化で下が忖度して、やっちゃいけないようなことを次々やっている政権が急激に衰退する可能性があると。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)