3月10日のニッポン放送「北京2022パラリンピックインフォメーション」（朝6:32～）では、アルペンスキー男子大回転の見どころなど、10日に行われる競技の見どころについて、ニッポン放送・新行市佳アナウンサーが解説した。

【平昌パラリンピック2018】アルペンスキー　滑降　男子　座位　メダルセレモニー　銀メダルを獲得した森井大輝＝2018年3月10日、韓国・平昌　写真提供：産経新聞社

クロスカントリー男子立位で新田佳浩・川除大輝、女子立位で阿部友里香が準決勝敗退

北京冬季パラリンピック第6日は3月9日、河北省張家口の国家バイアスロンセンターでノルディックスキー距離男子スプリント・フリー立位が行われ、7大会連続出場の新田佳浩（日立ソリューションズ）は8位だった。

新行）3月9日は、クロスカントリー男女スプリントが行われました。男子スプリントフリーの立って滑るクラスでは新田佳浩選手、川除大輝選手が、女子スプリントフリーの立って滑るクラスでは阿部友里香選手が予選を突破して、それぞれ準決勝に進みましたが、決勝進出はなりませんでした。

10日の見どころ　～大回転で金を目指す森井大輝に注目

新行）10日の見どころですが、アルペンスキー男子の大回転があります。出場する日本人の選手は、立って滑る立位のクラスに青木大和選手、小池岳太選手、東海将彦選手。座って滑る座位のクラスに藤原哲選手、狩野亮選手、森井大輝選手、鈴木猛史選手です。これまで滑降とスーパー大回転の高速系種目と言われる2種目、そしてスーパー複合が行われましたが、今回は技術系種目の大回転です。

飯田浩司アナウンサー）今回は。

新行）速いスピードでスキー板を滑らせる技術と、正確にターンする高い技術が求められる種目です。2本滑った合計タイムで競われるので、逆転劇もしばしば起こるのが醍醐味です。

飯田）最後まで目が離せないのですね。

新行）2本滑るまでわかりません。大回転の注目選手は、パラリンピック6大会連続出場の森井大輝選手です。3月5日から3日連続でレースをこなして、滑降とスーパー大回転で既に2個の銅メダルを獲得しています。これで5大会連続のメダル獲得を成し遂げました。8日に記者会見があったのですが、「2種目とも3位という成績を残すことができて嬉しく思っている部分と、そうではない部分とで複雑な状況だ」と率直な思いを語っています。

飯田）やはりもっといい色のメダルを、という思いもあるわけですね。

新行）そうなのです。いままで大会に出場し、獲得して来たメダルのなかで、森井選手は金メダルだけはまだ獲得していません。

飯田）なるほど。5大会連続でメダルは貰っているけれども。

新行）金メダルはまだということで、そこを目指してここまでやって来たという思いがあり、10日の大回転で悲願の金メダルを目指します。

飯田）金を。

新行）そして、7日にはスーパー複合座位で5位になった鈴木猛史選手。鈴木選手は平昌パラリンピックの回転で4位に入るなど、技術系が得意な選手です。滑降、スーパー大回転では惜しくもメダルを逃していて、リベンジに燃えています。「OK! Cozy up!」に出演してくださった、立って滑るクラスの小池岳太選手も出場します。インタビューのときには「自分の限界を突破できるように頑張ります」と意気込みを語っていましたので、渾身の滑りにも注目です。

難しい雪質への対応　～気温上昇から日程、開始時間の変更も

飯田）気になるのは現場のコンディションですよね。

新行）そうなのです。今回アルペンスキーが行われている国家アルペンスキーセンターに関して、先日スーパー複合で村岡桃佳選手も回転のコースについて言及したのですが、雪質に苦しめられたそうです。バーンの硬さや雪質が高速系のコースと違って、自分もスキーの調子も対応しきれなかったとおっしゃっていました。

飯田）調整しきれなかった。

新行）しかも、大会組織委員会によると今後、気温の上昇が予想されて雪が溶ける恐れがあるということで、競技の開始時間や11日以降の日程を変更しました。10日から4日間とも1時間半、競技の開始時間が早まり、どれも日本時間午前9時30分からになりました。

飯田）競技開始時間に合わせて、起きる時間まで決めているのですよね？

新行）寝る時間、起きる時間まですべて決めています。

飯田）懸命に調整しているところを、北京の大会組織委員会は考えているのかと思ってしまいますが、それはそれとして。

新行）時間が早まったことでの調整や雪質も心配なのですが、日本選手の皆さんには頑張って欲しいと思います。