軍事パレードを行うも、八方塞がりの「北朝鮮の現状」
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が2月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。人民軍創設75周年を迎えて行われた北朝鮮の軍事パレードについて解説した。
北朝鮮の軍事パレード
北朝鮮が2月8日、人民軍創建日(建軍節)75周年を迎えて行った閲兵式(軍事パレード)に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と戦術核運用部隊が登場した。韓国の中央日報によると、金正恩委員長はこの日の閲兵式に出席したが、演説はしていない。
飯田)お子さんとの写真が出ていましたが。
宮家)見ていると、中身は学芸会なのですが、これが現実です。これが彼らにできる最大のことなのです。
軍事パレードを行ってもアメリカが振り向くことはない
宮家)ICBMがどこまででき上がっているのか、技術的にどうなのかはわかりません。こういう形で威嚇しているのだと思いますが、北朝鮮の国民が哀れで仕方がないと思います。
飯田)これもアメリカに向けて、「どうだ!」と見せているのでしょうか?
宮家)「どうだ! すごいだろう。俺たちはこんなものを持っているんだぞ。恐いだろう。恐かったら俺たちと話して平和条約を結ぼうぜ」と言っているわけです。しかし、もう30~40年も同じことを言っているわけです。残念ながら、効果はあまりありません。
飯田)ないですか。
宮家)ですから我々もこの程度しか報じないわけです。これで「大変だ、国家安全保障会議だ」とは、どこの国でもならないですから。
飯田)そうですね。
八方塞がりの北朝鮮の現状
宮家)もちろん、専門家は武器の能力を調べていると思います。それはそれでぜひお願いしたいのですが、大きな流れとして考えた場合、彼らにとっては八方塞がりですよね。
飯田)北朝鮮にとっては。
宮家)新型コロナウイルス感染症の影響はある程度よくなったとしても、経済的な制裁はありますし、中国は見捨てないでしょうが、全面的に支援するわけにはいかない。ロシアはウクライナ情勢で忙しい。そうなると、彼らがいろいろなことをしても、国を維持していくのが精いっぱいではないでしょうか。
飯田)むしろ台所事情の苦しさのようなものが。
宮家)そうだと思います。いまは地下経済があるので、ある程度は生き延びると思いますが、とにかくこの人たちが強くならないように、弱くなりすぎないようにしなければいけない。弱くなりすぎても困りますので、難しい人たちだなと思います。
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