外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が6月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米ブリンケン国務長官と中国の習近平国家主席の会談について解説した。
米ブリンケン国務長官が中国・習近平国家主席と会談
飯田)アメリカのブリンケン国務長官と、中国の習近平国家主席が面会あるいは会談したと言われています。
宮家)ブリンケンさんは「進展があった」と言っていますが、成功や失敗などと言う話ではありません。
飯田)そんな話ではない。
宮家)10年~20年とこれから喧嘩するのだから、今後も勝ったり負けたりするわけです。今回は「進展があった」とブリンケンさんが言っても、マイナス10点がマイナス5点になっただけです。プラス5点でも、マイナスはマイナスです。中国と話すのならば、トップレベルでなければなりません。
飯田)トップ同士で行うのですね。
宮家)「家来とやっても仕方ない」と言われてしまう。
飯田)「大将を出してこい」と。
宮家)今回は「家来に会ってやった」という状況です。
飯田)だから議長席に座っていた。
3つに分けられる報道
宮家)報道の仕方は大きく分けて3つくらいありました。1つは「中国けしからん論」で、保守系に多いのです。
飯田)保守系に。
宮家)いちばん多いのは、「米中双方とも歩み寄って」という書き方です。でも、それができれば既にやっていますよね。できないから問題なのです。
飯田)そうですよね。
宮家)面白いのは、ある程度アメリカの報道に影響を受けているのかも知れませんが、「弱腰だ!」と。皇帝然とした主席の座り方について言う人もいます。
「弱腰だ」と騒いでいるのは米共和党 ~長い目で見れば大成功でもないし、大失敗でもない
宮家)しかし、よく考えると、それはアメリカの国内政治なのですよ。
飯田)アメリカ国内の。
宮家)結局、弱腰だと騒いでいるのは共和党の人たちです。気を使ったのかも知れませんが、あの方法以外、他に中国に対してはやりようがないのです。何十年も同じやり方をしているわけですから。
飯田)他にはなかった。
宮家)そういう意味では、大成功でもないし、大失敗でもない。長い目で見なければいけないと思います。
飯田)宮家さんは外交について、写真で切り取った一瞬を見るのではなく、「動画なのだ」とおっしゃいますよね。
宮家)大きな流れを見れば、決して中国は「イケイケどんどん」ではないと思います。
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