北朝鮮がミサイル発射「失敗」で得るデータが「外貨獲得」につながる
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作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が8月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が発射したミサイルについて解説した。
政府、北朝鮮のミサイルに対し厳重に抗議
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8月24日午前3時54分ごろ、北朝鮮からミサイルが発射され、沖縄県を対象として全国瞬時警報システム(Jアラート)の発報があった。避難を呼びかけたが、午前4時7分には太平洋へ通過したものと見られるとして、避難の呼びかけは解除された。政府は24日早朝、国家安全保障会議(NSC)の会合を総理官邸で開いた。
飯田)北朝鮮の朝鮮中央通信によると、24日未明に軍事偵察衛星の打ち上げを行いましたが、失敗したと報じています。また北朝鮮の国家宇宙開発局は、10月に3回目の打ち上げを行うと即座に表明しています。
「予告落下区域外に落下」は途中でバラバラになったということ ~偶発事故が起こり、それがきっかけで有事などにつながる恐れも
青山)松野官房長官が会見で「予告落下区域外」と言っていますが、早い話が、今回は沖縄の上空を越えたあとに「途中でバラバラになった」ということを言っているわけです。
飯田)バラバラになった。
青山)依然として、ロケットの切り離しも上手くいっていない。でも、今回のように実験を続けている限り、その間に「技術者の命があるのか」というような事情もあるため……。
飯田)それでいち早く発表したのですね。
青山)「また次をやりますから」ということです。このロケット発射は、ビジネスの側面がかなり強い。ただし、このような軍事挑発をしていると、どこで偶発事故が起こるかわかりません。
飯田)何があるかわからない。
青山)実は、中国海軍やアメリカ海軍、日本の海上自衛隊も含めて、軍の船は見かけよりも多く遊弋(ゆうよく)しているのです。また、中国で漁が解禁されたこともあって漁船の数も多く、ハプニングとして大きな被害が海上あるいは陸上で起き、それが有事などのきっかけになることもあり得る。そういう心配があります。
大きな懸念は、北朝鮮が失敗したデータを積み重ね、改良した武器を世界の紛争地域に売ってビジネスを展開していくこと
青山)また、広く大きな意味で言うと、北朝鮮は失敗を繰り返していますが、失敗データは貴重なのです。その積み重ねによって、世界の紛争地域に核を含めた技術が流出していくと、高値で売れるため、次々とビジネスに展開していく懸念があります。
飯田)北朝鮮の兵器などが、ロシアによるウクライナ侵略に使われているのではないかという話もあります。
青山)世界は逆転していると言ってもいいです。
ロシアへ武器を売ることで外貨を稼ぐ北朝鮮 ~ロシア軍が使うことでデータを蓄積し、ビジネスや実験が循環する
青山)ロシアは、アメリカと並んで宇宙開発の先駆者でしたし、月にも行けるわけです。それがウクライナ戦争で苦しんでおり、ロシア製の武器ではなく、北朝鮮の安く粗製乱造に近いものを使わざるを得なくなっています。
飯田)ロシア軍が。
青山)それによって北朝鮮は、やっと外貨を稼げるのです。北朝鮮は農業生産も工業生産も壊滅していますので、外貨がないと独裁者すら生活できません。自国の通貨は価値がないので、まったく意味を持ちません。
飯田)外貨がなければ生活できない。
青山)そのようにして北朝鮮を延命させるとともに、ロシア軍が使ってくれるからデータがたくさん溜まるわけです。
飯田)実戦データが。
青山)つまり、ビジネスや実験が循環している。だからこのように続いているのです。
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