断水が解消できず、ボランティアの受け入れもできない 「最大震度7」志賀町長が窮状訴え

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能登半島地震で最大震度7を観測した石川県志賀町の稲岡健太郎町長が1月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。被災した志賀町の現状について語った。

【能登半島地震】地震で倒壊した建物=2024年1月2日午後3時34分、石川県志賀町(渡辺恭晃撮影) 写真提供:産経新聞社

【能登半島地震】地震で倒壊した建物=2024年1月2日午後3時34分、石川県志賀町(渡辺恭晃撮影) 写真提供:産経新聞社

能登半島地震2次避難、避難者全体の約8%に留まる

政府と石川県は、被災地以外の旅館やホテルなど宿泊施設への「2次避難」を進めているが、これまでに2次避難した人は1278人。避難生活を続ける1万6000人あまりのうち、約8%に留まっている。

志賀町では現在1139人が避難所生活を送る

飯田)現在、町のなかはどういった状況でしょうか?

稲岡)発災から18日目となりましたが、まだ避難所は40ヵ所開設されており、避難者は当初の半分以下になったものの、まだ1139人の方が避難所で生活しています。

飯田)2次避難に関して、いろいろと報道も出ていますが、そう簡単にふるさとを離れられるものではないですよね。

稲岡)いま避難所のなかには過密状態の場所もあり、感染症やその他の災害関連死につながる恐れもあるので2次避難を進めてはいるのですが、なかなか首を縦に振らない方が多い印象です。

志賀町全域8800戸が現在も断水状態

飯田)町としては環境改善も進めていらっしゃると思いますが、水などインフラの部分はいかがですか?

稲岡)発災当初から志賀町全域8800戸が現在も断水状態です。少しずつ上水道の通水作業を進めていますが、まだ下水の方が通っていないので、使用を控えていただいている状況です。

経済アナリスト ジョセフ・クラフト)町民の方々のメンタルケアなど、これから問題も生じてくると思います。その辺りはいかがでしょうか?

稲岡)被災した高齢者の方もそうですが、子どもたちが不安になっているので、県の方からカウンセラーやメンタルケアの専門家を派遣していただき、相談窓口も開設しました。

飯田)町長ご自身が就任したのは2023年の年末です。投開票が12月24日で、町長就任直後にこの事態を駆け抜けてきたという感じだと思いますが、18日間経っていかがですか?

稲岡)選挙が終わってすぐの就任でしたので、なかなか慣れないところ、お正月の大地震だったこともあり、本当に気持ちの整理がつかないまま必死に対応にあたっているところです。

石川県志賀町・稲岡健太郎町長

石川県志賀町・稲岡健太郎町長

断水のため、ボランティアには待ってもらっている

飯田)いま最も足りないものは何でしょうか?

稲岡)断水の解消に向けて、どうしても時間が必要になってきます。人はたくさん支援に来ていただいているのですが、皆さんに待ってもらう時間が必要なのかなと思います。

飯田)町長としても、もどかしい思いもありながら対応せざるを得ないという感じですか?

稲岡)皆さんにご不便をおかけしているなという思いがあります。

飯田)去年(2023年)や2007年にも地震があったなかで、町長ご自身も町議会議員として対応にあたっていた部分もあると思いますが、やはりトップに立つと違いますか?

稲岡)そうですね。やはり毎日毎日対応についての決定事項、日々決断することがありますので、そこは議員との違いだと思います。

飯田)今後の復興に向けて、災害ごみ等々をどうするかという問題もありますが、いかがですか?

稲岡)いま町内に2ヵ所開設予定で、昨日(17日)1ヵ所目を開設し、何とか滞りなくごみの受け入れは進んでいると聞いています。

ボランティアの受け入れを調整中

飯田)今後は人手も必要になると思いますが、県内外からボランティアに手を挙げる方もたくさんいらっしゃいます。こういう方々の受け入れはこれからになるのでしょうか?

稲岡)そうですね。ボランティアの方々の声は発災直後からいろいろいただいていたのですが、初動の混乱期では受け入れ態勢が整っていませんでした。9日から地元のボランティアニーズの拾い上げ窓口を開設しましたが、実際にボランティアの方に来ていただくには、一昨日(16日)も余震があったばかりですし、インフラも整っておらず、いま調整中です。

飯田)そうですよね。ニーズを聞いて、そこにどれだけ人を投入するかなど、しっかりと仕切る必要がありますよね。

義援金をいただければありがたい

飯田)能登半島地震に関し、珠洲市や輪島市などがメインで報道されていますが、志賀町は最大震度7を記録したところでもあります。何かメッセージなどがありましたら、お願いいたします。

稲岡)いま被災地では断水が続いており、生活用水がなく、トイレが使えない、お風呂に入れない、洗濯できないなど、本当に水がないことで苦労しています。ただ、たくさんの人に助けていただいていますので、断水は2~3ヵ月後には何とか解消できるかも知れないところまで来ています。その後の生活再建に向け、資金面がどうしても不足してくると思いますので、申し上げにくいことではありますが、本当に皆さんに義援金でお助けいただければありがたいと思っております。

飯田)風光明媚で、目の前には海があり、海産物もたくさん獲れる地域です。将来は現地を訪れて助けることも可能になってきますよね。

稲岡)そうですね。復興したあかつきには、ぜひ皆さんにお越しいただきたいと思っております。

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