黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月29日放送)に俳優の田中道子が出演。一級建築士の資格について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月26日(月)~3月1日(金)のゲストは俳優の田中道子。4日目は、印象に残った解体現場について---
黒木)一級建築士に合格された田中さんですが、番組で取材したなかで、インパクトが強かった解体現場はどこですか?
田中)いま『解体キングダム』という番組でいろいろと拝見しているのですが、建物の解体だけではないのですよ。先日は変電所にある変圧器の解体に行きました。変圧器は日常のなかで見ることもないですし、中身がどうなっているのかもまったく想像がつきませんでした。66年前のもので、中身を開封してつくり替えるというお話でした。開けたとき、66年前の人たちがつくり上げた技術の結晶と仕組みが油の古くなった匂いとともに現れて、ストーリーまで見えるようでした。その現場の仕事は思い出深かったですね。
黒木)そうですよね。
田中)神社仏閣の解体にも行きました。先人たちの遺した技術や、そこに詰まっている魂のようなものを感じて、すごくロマンチックです。自分もそれを未来につなげるバトンリレーの一部になれたように思えるので、現場へ行くのが楽しみです。
黒木)ただ、解体するのは少し切ない思いもありますよね。
田中)いま、渋谷でマルイや東急が解体されていますが、私が上京したときに「渋谷だ、遊びに行くぞ」と出かけた場所なので、寂しさはありますね。
黒木)同じものを残していくことの大切さと、解体しなければいけないバトンリレーがあり、複雑ですよね。
田中)海外に比べて、日本は突出して解体技術が高いのです。日本は土地が狭い分、ギリギリの場所に建っていますよね。それでも通行止めをせず、近隣住民にも配慮しつつ解体している現場を見ると、「ありがたいな」と思います。日本の建設業の土台を担ってくれていると思います。
黒木)解体にも技術が必要ですよね?
田中)私は最近、ガス溶断……つまり鉄を切れるという珍しい資格を取りました。他には重機の資格も取りました。最近は女優業の道から逸れて、解体職人の道に進んでいるような気がします。
黒木)でも、それは女優業にも役立つのではないですか?
田中)現場に行くと「20~30年やっています」という方がいて、それで初めてスケジュール通りに成り立つ工事ばかりです。人手不足が叫ばれていますが、そのような技術を持った方は貴重なので、ありがたいなと思います。
黒木)図面をつくるだけでなく、実際に現場で使う資格を取ったということは、まだ取りたい資格がたくさんあるのではないですか?
田中)水中解体という現場があるのです。橋脚の下の部分を解体するには潜水士の資格も必要なので、ダブルで技術を持っているスペシャリストにお会いしました。カッコよかったです。
黒木)挑戦されますか?
田中)それも国家資格です。少し珍しい資格だと思いますが、その資格を取ると水族館の水槽のなかでも仕事ができるのですよ。
田中道子(たなか・みちこ)/俳優
■1989年生まれ。静岡県出身。
■「ミス・ワールド2013」の日本代表に選出され、インドネシアで行われた世界大会でベスト30に選ばれる。
■その後はファッションイベントの「GirlsAward」、「TOKYO RUNWAY」、「神戸コレクション」などに出演。
■2016年、「女優宣言お披露目記者発表会」を開き、女優へ転身。
■『六本木クラス』(EX)、映画『極主夫道』、『解体キングダム』(NHK総合)、『新美の巨人たち』(テレビ東京)などに出演する他、『プレバト!!』(MBS/TBS)では水彩画等で才能を発揮するなど多方面で活躍。
■多忙を極めるなか、2022年に最難関国家資格である一級建築士試験に合格。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳