受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
全国の受験生をお笑い芸人ランパンプスが応援隊長となって応援する『おうえんしナイト』!
今回は航空関連の専門知識を学ぶ桜美林大学の学生へ、ランパンプスがインタビューしてまいります。
――本日は桜美林大学の在学生である、航空・マネジメント学群、フライト・オペレーションコース、四年生の岡本健寛さんと、航空・マネジメント学群、航空管制コース、二年生の渡辺星南さんに来ていただきました。
小林:早速ですが、桜美林大学を志望した理由を教えていただけますか?
岡本:理由は2つあって、1つは日本とアメリカの両方で操縦訓練ができることです。
寺内:アメリカに行けるんですか?
岡本:約1年間のアメリカでの飛行訓練がプログラムに組み込まれていて、向こうで小型機を使って訓練をします。
寺内:自分で運転していくんですか(笑)?
岡本:行くときは流石に免許持ってないので(笑)。
小林:どういう訓練をするんですか?
岡本:皆さんが想像される飛行機は、雲の中を飛んだり、高度1万mを飛ぶものだと思うんですけど、訓練の最初は、山や畑の位置関係を見ながら、雲の中に入らずに、地表に近いところで訓練するんです。
小林:高度が高い方が難しいんだ?
岡本:難しいというか、訓練で使用している飛行機の性能的にも上がれないんです。なので、最初のうちは地表に近いところで、急旋回であったり、失速の練習など、飛行機の特性を知る訓練をします。
寺内:教習所みたい!
岡本:本当にそうですね。
小林:いつからパイロットになりたいと思ったんですか?
岡本:僕は実家が大阪の伊丹空港に近いところだったので、よく両親に連れて行ってもらっていて、そこでパイロットと飛行機に対する憧れが芽生えました。
小林:パイロットになるためには、どういう選択肢があるんですか?
岡本:一般的なものは、就職活動の一環として、航空会社に雇っていただいて、社員として一から訓練を受ける形ですね。いわゆる自社養成パイロットというものです。
小林:そんなパターンがあるんだ!
岡本:次にメジャーなのが、航空大学校と呼ばれる養成機関に2年間在籍してパイロットのベースとなる基礎的なライセンスを取得するものです。ここ10年で台頭してきたのが、私大パイロット養成コースでして、桜美林大学はそれにあたります。
小林:大学に行くのは決めていたんですか?
岡本:自社養成パイロット、航空大学校、私大パイロット養成のメリットデメリットを考えて、桜美林に行きたいと思いました。
寺内:パイロットになりたい人も、本当にその道に進んでいる人も初めてお会いしましたね。
小林:見た目がもうパイロットだもんね。
岡本:この胸章はアメリカ訓練で自家用操縦士のライセンスを取得した際に大学から頂けるものなんです。
寺内:私服ではないんだ(笑)?
岡本:違います(笑)。
小林:桜美林大学に決めた要因はなんだったんですか?
岡本:アメリカでの訓練があることと、寮生活が4年間できるってところですね。
寺内:ええ! 寮生活がしたかったの?
岡本:私大のパイロット養成機関はいくつかあるんですけど、他の大学では操縦訓練の間だけ寮生活だったりするんですが、桜美林大学は渡米前の座学の段階から寮生活ができる点が魅力的でした。
小林:確かに没頭できそうではあるよね。
渡辺:私は管制官になりたくて大学を探したんですが、管制官について大学生のうちから学べる大学は桜美林大学しかなかったんです。
小林:しかないんだ!
渡辺:北海道出身なんですけど「もう行こう!」と思って(笑)。
寺内:すごっ! 一念発起だ!
小林:そもそも管制官を目指した理由はなんだったんですか?
渡辺:実は公務員だった経験がありまして――
小林:え? 公務員の経験がある?
渡辺:管制官は国家公務員なんですよ。
寺内:管制官って国家公務員なの? ちょっともうわかんない(笑)。
渡辺:違う公務員の仕事があるかなと思って探していたときに――
寺内:公務員って公務員の転職先探してんの? いちいち話止めてごめんなさい(笑)。
渡辺:母が飛行機大好きで、一緒に「TOKYOエアポート」という管制官のドラマを観ていたときに「管制官ってかっこいい!」って直感したんですよ。飛行機の離着陸の全部を管理して、パイロットの目となって誘導しているのがかっこよくて「これや!」と思いました。
寺内:それで、公務員を辞めて大学に入り直したんだ。前の公務員は何をしてたんですか?
渡辺:刑務官です。
寺内:刑務官!?
小林:拘束されてるのが空へ解き放たれたんだ!
寺内:社会人を経て入学する人も多いんですか?
岡本:フライト・オペレーションコースでは結構多いですね。私は現役ですが、中には旅行会社等に複数年勤務した後に「やっぱりパイロットになりたい」と桜美林大学に入学してくる方もいらっしゃいます。
小林:宇宙兄弟みたい!
寺内:卒業後に管制官になる人は多いんですか?
渡辺:実は全員がなれるわけじゃないんです。
寺内:難しいんだ!
渡辺:一年生時は航空の知識を学んで、二年生からコースが3つに分かれるんですけれど、航空管制コースは40人くらいなのですが、去年初めて卒業生が出たんですけど合格者は3人でした。公務員試験の中でもトップレベルの試験なので、そもそも受験できるレベルになるのがすごく難しいんです。
寺内:合格率10%!
渡辺:それでも一般と比べたら合格率は高いんですよ。
小林:航空・マネジメント学群ならではの勉強などはあるんですか?
岡本:シミュレーターですかね。大学で3機保有しているのですが、トップクラスの数だと思います。
小林:リアルなの?
岡本:すごいリアルですね。日本でも操縦訓練をするので、経験豊富な教授陣から、技術や判断力であったり、様々なフローを学ぶことができて、そこから訓練地に派遣されて、実際の飛行機を操縦するという流れになります。
寺内:管制訓練もシミュレーターがあるの?
渡辺:二年生からシミュレーターの授業があります。本当にリアルなんですよ!
小林:おお、すげえ!
寺内:管制シミュレーターかっこいいな!
岡本:あと「ならでは」で言うと、座学では気象も普通の天気予報とはまた違った観点から学びます。横に見るのに加えて、縦に見るんです。
寺内:天気を縦に見るの? でも、確かに「雨雲の上がめっちゃ晴れてる!」みたいなこと飛行機乗ってるとあるもんね。
小林:俺たちは地下にずっといるのに……売れもせず。
寺内:やめてくれ!
小林:お二人の受験の方法を聞かせていただけますか?
岡本:僕は総合型選抜で1次試験と2次試験がありまして、1次は高校での活動報告や、自己申告書の提出での書類選考で、2次は日本語面接と英語面接でした。
小林:英語面接!
岡本:あとは集団ディスカッションですね。簡単な操縦適性検査みたいなものもありました。
小林:どういう検査なんですか?
岡本:パソコンのシミュレーターを使って、水平飛行や旋回飛行などの適性を計るんですが、その技術を見るというよりかは横にいらっしゃる教授からのアドバイスを忠実にできるか、実行しようとするか、というところを見てると僕は思っています。
寺内:その場の指示に従って臨機応変にできる、理解度がどうであるかということを見るんだ……でも、それあなたの予想ですよね?
小林:そんなひろゆきみたいに詰めなくていいから(笑)。
岡本:まあ、予想ですね(笑)。
寺内:でも、実際そうなんだろうね。
小林:パイロットになりたいって小さい時から思ってたってことは英語をずっと勉強してたってこと?
岡本:本格的にスピーキングとリスニングを練習し始めたのは、高校三年の春からですね。ちょうど新型コロナが蔓延して学校が3~4ヶ月ストップになった時期から、その時間を英会話の時間に使えるなと思って、オンライン英会話を始めました。
寺内:コロナでやることなくなって「暇だな、ゲームしよう」じゃなくて「オンライン英会話だな」ってなったの?
岡本:なんかなっちゃいましたね(笑)。
寺内:すごいね。やりたいことがしっかりある人は違うわ!
渡辺:私は一般選抜でした。ゴリゴリの文系なんで筆記試験2科目型で国語と英語を選択しました。
寺内:管制官って全部英語のイメージあるけど、日本語は使わないんですか?
渡辺:緊急時以外は喋らないですね。
小林:「やべっ! 右! 右!」とか(笑)?
寺内:緊急時ってそういうことなの!?
小林:刑務官になる前に大学は出られてたんですか?
渡辺:いえ、高校卒業後すぐに刑務官になりました。
寺内:じゃあ大学受験は初めだったんだ! 囚人さんの休憩中に、国語の勉強を……みたいな?
小林:あんま深掘るなよ!
寺内:でも、仕事しながら受験勉強ってことですよね。
渡辺:そうですね。でも、辞めてから1年くらい空いてましたね。
寺内:しっかり受験に時間を使ったんだ。
小林:受験勉強で辛かったことは何でした?
岡本:僕の年はコロナが蔓延していたので、友達と会えないのが一番辛かったですね。
小林:楽しかったことはありますか?
岡本:楽しかったことは、休校期間中に自分の勉強法を見つけることができたことです。
寺内:怖い怖い! ちょっと待って!
小林:違う違う! カラオケ、カラオケ!
寺内:楽しかったことが「自分に合う勉強法見つけた」ってすごいな!
小林:息抜きは何をしてましたか?
岡本:吹奏楽部に所属していたのでトランペットをやることでしたね。
寺内:なんかカッケーんだけど……ちょっと完璧すぎるな(笑)。
小林:彼女は?
岡本:いないです。
小林:よしっ!
寺内:喜ぶなよ(笑)。でも、絶対、モテそうだけどな!
岡本:そんなにうまくいかないです(笑)。
小林:パイロットになっちゃえばバリモテよ。もうそれを夢見て?
岡本:パイロットドリームですね(笑)。
小林:それは絶対あるよな! 橋本環奈とかどう?
岡本:いいですね(笑)。
寺内:「いいですね」じゃないんだよ(笑)。
小林:急に高度上げてきたな(笑)。
寺内:ちなみに自分に合う勉強法っていうのはどんなのだったの?
岡本:珍しいものじゃないんですけど、自分で一冊問題集を決めて、それをボロボロになるまでやることです。答えを覚えるくらいの勢いでやりました。得意科目が化学だったので、そこから始めて、その勉強法がハマってからすごく伸びたので、自信がついて、いろんな教科に応用していきました。
寺内:1個の成功体験を! すごいわ!
渡辺:私は英語の点数が伸び悩んだことが辛かったですね。 息抜きも英語の勉強ではあるんですけど、ポッドキャストの英会話を聞くことでした。
寺内:ちなみに予備校は通ったりしたの?
渡辺:独学でした。
小林:うわー辛そう!
渡辺:いえ、私、一人でやれるタイプなんで。
寺内:「私、失敗しないので!」の人だ(笑)。
小林:願掛けとかはしましたか?
岡本:特に神社に行ったというのはなかったんですが、実家が空港に近かったので、離着陸する飛行機を見て「絶対パイロットになる!」と、ある意味、願掛けみたいな感じだったかもしれないですね。
寺内:自分に発破かけたんだ!
渡辺:私も、それこそ「TOKYOエアポート」を見直して、モチベーション上げていましたね。
小林:大学に入学する前と後の印象の違いを教えていただけますか?
岡本:入学して感じたことは、想像以上に先輩後輩の関係性がすごく良いことですね。入学前は航空って昔からある業界だから、体育会系なイメージがあったんですけど、最初、何から手をつけていいか戸惑っている時に、近くにいた先輩が「なんでも相談乗るからいつでも言ってくれよ」とか「羽田に飛行機見に行こうぜ」とか声をかけてくれたんですよ。
小林:なんだ、その中島が「磯野野球しようぜ?」みたいな声掛けは(笑)。
岡本:先輩後輩のフランクな関係っていうのは桜美林だけだなって思います。寮生活でずっと4年間やる意味がそこにあるんだと思います。
寺内:衣食住も共にしてるもんね。怖い先輩から「おい、空飛べよ」みたいなエアハラスメントはないの(笑)?
岡本:エアハラはないです(笑)。
渡辺:私は、航空に特化してるのは知ってたんですけど、入ってから「こんなにも特化してるんだ」っていう驚きがありました。
寺内:しすぎ(笑)?
渡辺:しすぎ(笑)。本当にもうエントランス入って、いきなりよく分かんない機材がいっぱい並んでるんです。
寺内:最初は絶対分かんないもんね(笑)。
渡辺:あと先生たちが航空のエキスパートだった人たちなので、毎日先生のところに通い詰めて管制官として働いていた頃のお話を聞いたり、航空を身近に感じられることも発見でした。
寺内:入学してからもモチベーションがどんどん上がっていくんだね。
小林:将来の夢、展望を聞かせていただけますか?
岡本:日本のエアラインから内定をいただくことが直近の目標です。就職してからは、まず、機長を正しく補佐できる副操縦士に、ゆくゆくは経験を積んで機長を目指します。
小林:操縦士になる前はどんな仕事をするの?
岡本:地上研修で、地上でどういう人が働いているかの知識を得て、その後、実際、自分が免許を取る飛行機の訓練に投入されます。
寺内:飛行機によって免許が違うってこと?
岡本:大型機になると、それぞれシステムとかスイッチの位置とか違ったりするので、その型式ごとに免許が違うんです。
小林:面倒くせえ(笑)。
寺内:学校で4年間学んで訓練してるけど、社内育成の人もいるっておっしゃってたじゃないですか? スタート地点がちょっと違うような感じがするんですけど足並みは揃うの?
岡本:そこは全く別のプログラムになります。僕らは入社後、操縦する飛行機の型式の免許を取るところからスタートするので、一から会社員として訓練する方々よりも早く副操縦士なれるという利点があります。
寺内:18歳から覚悟を決めたメリットだね。
渡辺:私は、大学を卒業したからと言って管制官になれるわけではないので、4年間のうちに管制官の試験を受けれるようなレベルになって、公務員試験に合格して管制官になることが夢ですね。
小林:すごい変な質問ですけど、つぶし効くんですか? 管制官への試験がダメだったとしたら、それを活かして、航空会社の違うスタッフになる方とかもいらっしゃるんですかね?
渡辺:航空会社で運航管理してる方々いますね。
小林:働く上で知識があったほうが絶対いいもんね。最後に、お二人もある意味今も受験生みたいなところもありますけど、受験生に向けてのメッセージをお願いします。
岡本:大学受験は3~5教科を学ばないといけないので苦手な教科もあると思います。苦手教科はとっつきにくかったりするけれど、大学では「自分が選んだ自分の好きなこと」が専門的に学べます。学年が上がるにつれて、より専門的になっていくし、より深みが増して「将来これになりたい」という想いを強くできる場所だと思うので、もうしばらく辛抱して、大学生活でエンジョイしてもらえればと思います。
渡辺:大学受験はいろんな入試方法があるので、自分に合った入試方法を調べるのが大切だと思います。入学したら世界が変わるので、私みたいに「あまり航空は知らない、でも好き」って人でも、毎日、勉強をして、どんどん知っていくと、空港に行ったりするだけで「授業でやったあれだ!」みたいな感動が生まれたりして、本当に楽しいので頑張っていただきたいです。
寺内:専門的な知識がなくても「好き」という気持ちで入って大丈夫ってことですね……あの、最後に僕のことを「3番」って呼んでもらっていいですか?
渡辺:ちょっと声大きいんですけどいいですか(笑)?
寺内:お願いします。
渡辺:「 3番!」
寺内:「はい!」
小林:やめなさい!
寺内:嬉しいね(笑)。
小林:ありがとうございました。
――パイロットと管制官の卵であるお二人にお話を聞きましたがいかがでしたか?
小林:いや、なんなのあの子たち! めっちゃすごいよ!
寺内:夢を明確に持った優秀な学生さんだよね。聞き応えがあったよ!
小林:勉強も出来て、夢もしっかり持っててかっこよかったね。
寺内:それなのに、どこか人間味もある子たちだよね。パスしないといけない試験が多くて、ちゃんと揉まれてるから、フラフラないでしっかり学んでるからだろうね。
小林:ほんとに好感が持てました。
寺内:それに比べて渡辺さんよ。
小林:それは、ダメなときの言い方だよ(笑)。素晴らしかったじゃん!
寺内:いや、素敵でした(笑)。特殊な経歴だよね。刑務官から管制官を目指して大学に入ったんだもん。
小林:しかも、インタビュー終わりに岡本君が渡辺さんに「え? 刑務官だったんですか?」って聞いてたから、みんなに刑務官だったことをばらしてないんだよ! でも、今回、世に出てしまった!
寺内:一気に広がって多摩の噂になって「番号で呼んでください!」って声かけられるだろうね(笑)。
小林:渡辺さんのすごいとこは刑務官を辞めた後、独学で勉強し続けたところだよね。それで、大学に入り直して、さらに難しい公務員になろうとしてんだよ。尊敬だよ。
寺内:フライト・オペレーションコースも1回、航空会社とか旅行会社経て入学する方多いって言ってたよね。
小林:……俺もさ、大学行ってないわけよ?
寺内:え? 小林さん、もしかして?
小林:……俺……もう一回 NSC入ろうかと!
寺内:NSCかーい!
小林:芸歴を若く見せたい!
寺内:芸歴戻したいだけかーい!
小林:お後がよろしいようで。
ランパンプス:ありがとうございました(笑)。
さて、次回は『おうえんしナイト』は特別編として寺内さんが神社検定試験に挑む直前のチャレンジの様子をお届けいたします。自ら受験生となり勉強に励む寺内さんの姿にご注目ください!
<桜美林大学>
住所:〒194-0294 東京都町田市常盤町3758
HP:https://www.obirin.ac.jp/
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おうえんしナイト
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