受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』。
今回、お伺いする大学は岐阜県岐阜市にある「岐阜薬科大学」になります。薬学部のみの単科大学である岐阜薬科大学の教育方針やその特徴などをランパンプスがインタビューしてまいります!
――それでは、大学内に入って学長の原英彰さんにお話しを聞きに行きましょう。
原:学長の原です。よろしくお願いいたします。
寺内:ランパンプスと申します。よろしくお願いします。
小林:早速ですが、岐阜薬科大学の創立の歴史を教えていただけますか?
原:創立は1932年です。後ろの新聞にあるように92年前、岐阜薬学専門学校として有志の方の寄付をもとに創立しました。
寺内:市が作ったんですか?
原:今も市立で、薬学部しかない単科大学です。薬学部しかない大学は国公立では他にありません。
小林:「薬科大学」というものがイメージしづらいんですけど、何を学ぶんでしょうか?
原:いわゆる薬ですね。しっかり教育して薬剤師を輩出するのが一番の目的になりますが、それだけじゃないんです。岐阜薬科大学の特徴は、教育と研究の両面に力を入れていることで研究のできる薬剤師、または薬剤師の免許を持った研究者を育成しています。研究ができる人が薬剤師になれば、困った時に自分で調べる力(課題発見能力)が身に付くのです。
寺内:臨機応変に対応できる薬剤師を育成しているんですね。
原:岐阜薬科大学の卒業生は薬剤師になるだけではなく、卒業後、企業の研究者になったり、厚生労働省に就職したり、岐阜市や名古屋市などの公務員になる方もいます。役所には、自治体によって違いはありますが、薬務課という薬を管理する課があって、就職先のひとつになっています。
小林:岐阜薬科大学では、どういう研究をしているんですか?
原:専門的な、難しいことを言っても仕方がないので、こちらの資料を見てください。沿革や、今お話しした教育と研究に力を入れていることが、うちの方針と書いてあります。研究を知っている薬剤師や、薬剤師の資格を持った研究者を輩出しようってことなんです。
寺内:薬剤師と研究者を同時に育てるんですね。
原:その2つが大きな柱になっています。実は、岐阜薬科大学は全国の国公私立約800ある大学の中で、論文を書くときに最初に出てくる名前(ファーストオーサー)の割合が常に上位なんです。
寺内:めちゃくちゃすごいじゃないですか!
原:量はもちろん東大が多いのですが、教員数で割るとうちが1位だったこともあるんです。しかも、ここ数年間ずっと上位で、これは岐阜薬科大学の一番の売りですね。
寺内:研究して論文を発表するということをやり続けてるんですね。
原:それは、研究費もしっかり国や企業などからいただいているということでもあります。
寺内:この大学の研究が国に求められているってことですね。
原:どんな研究かというと、もちろん、薬を作ること、そして医療などですが、今は美容や、早期発見、健康などにも力を入れています。
小林:対処療法や原因療法的な部分ですね。
原:できるだけ病気にならないようにするんです。毎日食事を食べてくださいとか、運動をしてくださいとか、そんなことを教えるわけではないですが、そういった領域にも力を入れています。
寺内:美容もそこに含まれるんですね。
原:美容や、化粧品の研究室もあります。例えば、肥満を抑制する薬の開発などをしています。
寺内:あるんですか!? 欲しい! あ、だからこの学校はスリムな人しかいないんだ!
小林:そんなわけないだろう(笑)。
原:ある遺伝子を操作して、どこを制御すると太らない、など、まずマウスで見つけて、薬を探すんです。
寺内:それをコントロールできる薬を!
原:ただ、そこからが長いんです。うまくいっても5~10年かかります。
寺内:人間に対して無害化にするのにそれだけかかるんですね。肥満薬は今どの段階なんですか?
原:スタートしたばかりだけど、それでも、これだけの論文を出しています。動物を使って、遺伝子を操作したりして、太るのか太らないのか、太る原因はどこにあるか、ということを解明して、調整していく、それこそが「研究」なんです。
寺内:めっちゃ分かりやすい言葉で言ったら、「痩せ薬」を作っているってことですか?
原:そういう研究もしているということです。まだまだあるのでパパっと説明していきますね。
小林:お願いします(笑)。
原:薬学と関係ないですが、水素を作っているんです。
小林:ええ! 水素って作れるんですか?
原:鉄のボールふたつを回して、ぶつけて粉砕していたら、バーンとぶつかった時にそこから水素が出てきたのをうちの佐治木教授のラボが見つけたんです。
寺内:すごい! 薬学の範囲超えていますね!
小林:どうやって水素と特定できたんですか?
原:粉末を小さくする時に、変なのが出てきて「ひょっとしたら」と思って、すぐに火をつけたらしいです。そうしたら、ぶわっ、と燃えて「あら水素だ」と。今、この近くにあるナブテスコという航空宇宙カンパニーと共同で研究しています。
寺内:酸化鉄から水素ができるんだ。
原:そうです。次、バンバン行きますね。
ランパンプス:お願いします(笑)!
原:「ドラッグデリバリー」の研究もしています。薬を体のいろんなところに持って行くために、ナノファイバーを飲み込むんですよ。
寺内:狙ったところに効かせるためにってことですか?
原:他にも、速度をゆっくり、とかですね。
寺内:それをドラッグデリバリーって言うんだ!
原:あとは、iPS細胞を使って、肝臓や腎臓を作ったりもしています。
寺内:ええっ!? 臓器を!
原:作れるんです。そういう時代なんです。
寺内:海外のニュースで「豚の肝臓を移植した」みたいなのは見たことありますけど、もうiPS細胞で人間の細胞を作れるんですね?
原:時間はかかりますが、例えば、目がおかしくなったら、目の角膜を変えることも、あと5~10年ほどできると思います。
小林:そういう研究も薬科大の範疇なんですね。
原:範疇が広がっているんです。人の細胞を使って、薬をかけて、もし細胞が死んでしまったら、その薬はよくないってことになります。それがiPS細胞でチェックできるんです。そうやって、薬を作っているんです。
寺内:製作段階で活用できるんですね。
原:そういった研究室がたくさんあって、最近、新たに寄附をいただいて作った研究室も含めて10研究室ほどあります。
寺内:すご! ここ5、6年でこれだけの研究室を! しかも有名企業さんと共同で!
原:たくさんの研究室があることで相互作用してスピードを高めていくんです。これだけ研究室と共同研究講座を持っている学校はないはずですよ。
寺内:たくさんの研究室があれば、幅広く、そして、スピード感も上がるってことなんですね。
原:そういうことです。分かってくれましたか(笑)?
寺内:勉強になります! えっと、もう一回最初からいいですか?
原:じゃあ、もう一回最初から(笑)。
寺内:いやいや、めっちゃわかりやすかったです(笑)。
小林:まさに研究室と企業が連携している「産官学連携」なんですね。
寺内:岐阜薬科大学の卒業生は皆さん薬剤師になるんですか?
原:もちろん薬学部を出たら基本的には薬剤師になります。しかし、先ほども少し話しましたが、進路は病院だけじゃないんです。大学官公庁、製薬メーカーなど実は進路の幅が広いんです。だからこそ、是非、薬剤師になってください(笑)。勉強は大変ですけれど。
小林:六年制ってことは、やっぱりそれだけ学ぶことが多いんですか?
原:定員が120人で、高校よりも小さいこともあって、朝から晩まで授業ですね。
小林:意気込みがないと来られないですね。
原:実際のところ、成績が良くないと入学できないという側面もありますね。
小林:どういう学生に来て欲しいですか?
原:薬剤師になりたいという人にも、もちろん来て欲しいですけれど、薬剤師の免許を持っていろんなことをやってほしいという思いがあります。極端なことを言えば、薬剤師免許を持って漫才師になってもいいんです。今の時代は、1つの仕事をずっとやっていくのではなく、いろんな経験をした上で「やっぱり薬剤師が良かった」も、いいと思うんです。だから、たくさん経験を積んで、夢を持ってほしい。あと重要なことは、周りを大切にする人と、そして、明るい人であることですね。
小林:明るい人? それは、なぜですか?
原:なんだかんだいって、実際に出世している人はみんな前向きで明るいんですよ。
寺内:結局、コミュニケーション能力はほとんどの仕事において大切ですもんね。
小林:少なくとも、学長は明るいです(笑)。
原:あと、こちらを見てください。
寺内:ちょっと待ってください! 急にランチが(笑)。
原:最後に岐阜ならではの研究の話をさせてください。1つは長良川の「水」の研究になります。そして、「はちみつと蜂」の研究。岐阜は近代養蜂のメッカなんです。最後は長良川といえば鮎、ということで「鮎」の研究をしているんです。
小林:昨日、駅前で食べさせてもらいました!
寺内:塩焼きが美味しかった!
原:地域貢献として鮎の研究をしているんです。例えば、この鮎のエラの後ろ部分が黄色いですよね? これが養殖じゃない証拠なんです。鮎は藻を食べるんですが、その藻の中に「ゼアキサンチン」という物質が入っています。これが目に良くて、目の研究にも繋がっていくんです。さらに、目の中にある「ルテイン」も鮎には入っているので、鮎は目に良い食べ物なんです。
寺内:この黄色い部分が人間の目に良いっていうことですか?
原:そうなんです。それを研究したんです。
寺内:特に天然ものが良いんですか?
原:藻を食べてないと駄目なんです。
小林:なるほど、それらの物質が蓄積されているから鮎は目に良いってことなんですね。
原:今はさらに「体に良い」という研究を岐阜県漁業協同組合連合会と一緒に協働して始めています。薬学部は薬の研究ばかりというイメージがありますが、当然それもします。だけど、こういう研究もやって、幅広さ、可能性を広げているんです。
寺内:何年生くらいから、専門的な研究に分かれて行くんですか?
原:主に四年生ですね。それまでは英語や、哲学、物理、化学などをしっかりと学びます。
寺内:基礎を学んで、四年生から企業とコラボした研究もやっていくんですね。すごいな。
原:あと1つ特色と言えることがありまして、「モバイルファーマシー」という車両を大学で所有しているんです。災害の時、「薬局になる車」で被災地に行って、薬を渡すことができるんです。あとで、実物を是非見てください。
寺内:見させていただきます!
小林:最後に今、頑張っている受験生にメッセージをいただけますか?
原:本学は、日本の真ん中にある、こぢんまりとした大学ですけども、薬学は、将来、様々な仕事に就けるので「薬剤師になる」という目標だけではなく、そこから自分の可能性を発揮し、いろんな分野に、まず足を踏み入れてほしい。医者は患者さんを一日100人も診られないですが、薬剤師はそれ以上に薬を渡すことができます。研究して薬を作れば、何千万人、何万人と、さらに広がっていくんです。勉強は大変ですが、目指す価値はあると思いますので、是非、頑張っていただければと思います。
寺内:いや、めっちゃ素敵でした!
小林:本日はありがとうございました。
原:こちらこそありがとうございました。
――それでは学食に行きましょう。
小林:さて……ええと、恒例のカレーをいただきますけど……あの……僕もう35歳なんですけど(笑)。
寺内:それ何日分のカレー(笑)?
小林:1週間分……しかも、今までの学食で見たことないくらいの一個一個の具のデカさよ(笑)。ひとまずカレーだけでいただきます。
寺内:そんな悠長なことしてていいのか? カレーだけで日が暮れちゃうぞ(笑)。
小林:甘めカレーで、みんなが好きなやつです……いや、だからさ、ご飯の量よ(笑)。ほらっ見ろ!
寺内:昨今、コンビニ弁当はカサマシだなんだと言われているけど、真逆ですね(笑)。
小林:逆にカサを下げている。シャコタンカレーです(笑)。
寺内:すごいボリューム(笑)。
小林:あ、ヒレカツもマジで美味しい。これは10代の頃に食べたかった!
寺内:この量で500円くらいだよ? 学生さんは嬉しいよ!
小林:ちゃんとサラダも付いているし、バランスもいいですね。
寺内:さて、私は「チキンカツカレーソース定食」です。
小林:……え?
寺内:今回は、あなたヒレカツカレー。私はチキンカツカレーソース定食。二人ともカレーですね。
小林:豚汁が羨ましい!
寺内:さっそくいただきます。あ、美味しい。いいお水だなー。
小林:早くしろよ!
寺内:岐阜を感じるなあ。サラダも新鮮です!
小林:だから早くしろって! 今の時代に暴力振るわすなよ(笑)。
寺内:ソースをかけて、チキンカツをいただきます。あ、カレーソースがスパイシーで美味しい!
寺内:そして、サクサクのチキンカツ! 多分そのカレーよりこのカレーソースのほうが美味しいと思う。
小林:なんなの? 腹いせ?
寺内:これは人気メニューだね。小鉢とサラダでバランスが考えられているのが嬉しい。
小林:野菜も全部、ギュっとされていて量が多いよね(笑)。
寺内:小鉢の量ではないね(笑)。ほうれん草が一家族分の食卓くらいある(笑)。
小林:薬科大だから体に気をつけている部分もあるのかね?
寺内:あ、豚汁うんめえ! しっかり豚肉入ってる。学食の豚肉ってこの1/3くらいのサイズのイメージですよね? 待てよ……ここの生協、規定違反しているな?
小林:僕、『おうえんしナイト』初の「スタッフが美味しく召し上がりました」をやるかもしれません。カレーで、地球のプレートの動きを学んでいる気がする(笑)。
寺内:お米という大陸プレートが下に潜り込んでいるもんね(笑)。
小林:これが、地震が起きる理由なんだ(笑)。
寺内:それくらいボリューム満点でした(笑)。
――さて、明るく、熱意のある学長さんのお話をお聞きしましたが、岐阜薬科大学はいかがでしたか?
小林:学長が非常にパワフルでしたね。「岐阜薬科大学とはこうあるべきだ!」という魂をいただきました。こんなにも企業と一緒に研究をしている大学ってなかなかないよね?
寺内:モバイルファーマシーを市や企業じゃなく「薬科大学」が持っていることもすごいよ。
小林:能登半島地震の時も実際に稼働したって言っていたもんね。素晴らしいですよ。六年制大学ってこともあって、卒業後、すぐに社会の役に立つ人間になれる大学なんだなって感じましたね
寺内:薬剤師の育成のイメージが強かったけど、それ以外にもいろんな研究をしていたね。
小林:より人間が豊かに生きられるような研究をしてるんだよ。
寺内:そのためにはね、天然の鮎を食べないとね(笑)。
小林:鮎は目に良いからね。でもさ、鮎の模型っている?
寺内:必要だよ(笑)! 学長はずっと、真剣に話してくれて、優しかったよね。絶対、学生からも人気者だろうね。
小林:薬学を学ぶ人にとって、一番可能性が広がりそうな大学だと思ったな。
寺内:ということで、薬学部目指してる方は、是非、岐阜市岐阜薬科大学へ!
次回の『おうえんしナイト』は岐阜薬科大学の後編としてランパンプスが現役の在学生にインタビューする様子をお届けします。
<岐阜薬科大学>
住所:〒501-1196 岐阜県岐阜市大学西1丁目25番地4
HP:https://www.gifu-pu.ac.jp/
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