『リライト』池田エライザ主演、尾道を舞台に描くタイムリープ・ミステリー

By - 八雲ふみね　公開：2025-06-14 　更新：2025-06-14

Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1255回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X（トーキョーシネマクラウドエックス）」。

今回は、6月13日公開の『リライト』と『きさらぎ駅 RE:』をご紹介します。

『リライト』散りばめられた謎に、あなたも翻弄される！？

小津安二郎監督の『東京物語』や大林宣彦監督の“尾道三部作”（『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』）など、数々の名作映画が撮影されたことで有名な広島県尾道市。瀬戸内海に面した風光明媚な町並みは、どこにカメラを向けても絵になり、多くの映画人に愛されています。そんな尾道を舞台にした新たな快作が誕生しました。

『リライト』は、法条遥による原作小説を実写映画化した青春ミステリー。いくつもの謎が隠された1冊の小説をめぐり、時空を超えた物語が繰り広げられます。

『リライト』のあらすじ

小説家として活動する石田美雪が高校3年生の夏、彼女のクラスに転校生がやって来る。彼の名は、園田保彦。ちょっぴりミステリアスな雰囲気を纏った彼は、実は300年後からやって来た未来人だった。

同じ時間を過ごすうちに、恋に落ちていく2人。ある日、美雪は保彦からもらった薬を使ってタイムリープし、未来の自分に小説を書くことを約束する。

そして10年後。美雪は実家で、10年前の自分がタイムリープしてくるのを待っていた。しかし、いつまで待っても高校生の美雪は現れず……。

『リライト』のみどころ

主人公の石田美雪を演じたのは、池田エライザ。未来人である保彦への恋心を瑞々しく体現しています。またクラスメート役の橋本愛、久保田紗友、倉悠貴たちとともに、現在（27歳）と高校生時代（17歳）を鮮やかに演じ分けていることにも注目です。

そして、物語の鍵を握る園田保彦役に抜擢されたのは、本作が映画初出演となる阿達慶。300年後からタイムリープしてきた未来人を独特の佇まいで演じており、透明感あふれる魅力を放っています。さらに、大林宣彦監督の“尾道三部作”に出演していた名優・尾美としのり、“新尾道三部作”の第1作『ふたり』に主演した石田ひかりも出演し、物語に華を添えています。

美雪が出版する小説のタイトルに、とある植物の香り。いたるところに『時をかける少女』へのオマージュが散りばめられているのも、尾道映画ファンにとっては嬉しい限りです。

若い世代から圧倒的な支持を集める松居大悟監督と、ヨーロッパ企画の上田誠が初タッグを組んだ本作。“最高に緻密な時間のパズル”が再構築するとともに、青春のもがき、輝き、そして希望が色鮮やかに映し出されており、2人の持ち味が見事に発揮された一作と言えるでしょう。

そして結末を知ると、もう一度観返したくなるのも本作の特徴。全編にわたって多くの伏線が張り巡らされていて、観るたびに新たな発見がある映画となっています。タイムリープ映画の新たな名作です。

『きさらぎ駅 Re:』前作を上回る衝撃が待っている！

ネットミームとして普遍的な人気を誇る都市伝説を実写映画化し、スマッシュヒットを記録した映画『きさらぎ駅』。その続編となるのが『きさらぎ駅 Re:』。

3年前、異世界である“きさらぎ駅”から奇跡の生還を果たした宮崎明日香。あるドキュメンタリーディレクターとの出会いをきっかけに、彼女は決意する。それは、かつて自分を救ってくれた堤春奈や異世界に取り残された仲間たちを救うこと。

明日香は再び、“きさらぎ駅”へと向かうが……。

印象的なのが、きさらぎ駅の描写。前作以上に映像が美しく、幻想的であると同時に、どこかしら不穏な空気も。まるで本当に異世界に足を踏み入れたかのような没入感が味わえます。予測不可能な恐怖を存分に味わって。

＜作品情報＞
リライト
2025年6月13日（金）から全国ロードショー

出演：池田エライザ　阿達慶　久保田紗友　倉悠貴　山谷花純　大関れいか　森田想　福永朱梨　篠原篤　前田旺志郎　長田庄平　マキタスポーツ　尾美としのり　石田ひかり　橋本愛
監督：松居大悟
脚本：上田誠
原作：法条遥「リライト」（ハヤカワ文庫）
主題歌：Rin音「scenario」
製作・配給：バンダイナムコフィルムワークス
(C)2025『リライト』製作委員会
公式サイト　https://rewrite-movie.jp/

＜作品情報＞
きさらぎ駅 Re:
2025年6月13日（金）からヒューマントラストシネマ渋谷、イオンシネマほか全国ロードショー

出演：
本田望結
芹澤興人　瀧七海　寺坂頼我　大川泰雅　柴田明良　中島淳子
奥菜恵／佐藤江梨子
恒松祐里

監督：永江二朗
脚本：宮本武史
主題歌：弌誠「ガタゴト」（VAP）
配給：イオンエンターテイメント
(C)2025「きさらぎ駅 Re:」製作委員会
公式サイト　https://kisaragimovie-re.com/

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Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者：八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね公式サイト http://yakumox.com/