『爆弾』山田裕貴×佐藤二朗、人気ミステリー小説を衝撃の実写映画化
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Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1277回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、10月31日公開の『爆弾』と『(LOVE SONG)』をご紹介します。

画像を見る(全13枚) (C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
『爆弾』刑事VS謎の男。クセ者同士が爆弾のありかを探り合う……
ミステリー好きが注目するブックランキング「このミステリーがすごい! 2023年版」「ミステリが読みたい2023年版」の2冠を獲得。呉勝浩によるベストセラー小説を実写映画化した『爆弾』。
スリルとサスペンスが渦巻くミステリー映画の傑作が誕生しました。
『爆弾』のあらすじ
酔った勢いで自販機と店員に暴行を働いた中年男が、警察に連行されてきた。男の名は、スズキタゴサク。彼は自分のことを「霊感を持っている」と話し、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。警視庁捜査一課の刑事・類家は、半信半疑でスズキの話を聞いていたが、その言葉通りに都内で爆発事故が発生。現場は大混乱に。
さらにスズキによると、この後、都内の3つの場所で爆発が起こると言う。爆弾のありかを聞き出そうと、言葉巧みな尋問を繰り返す類家。しかし、当のスズキは我関せず。類家の容赦ない口撃さえも、のらりくらりとかわすばかり。
やがて刑事たちは、この怪しい男の言動に翻弄されていく……。
もじゃもじゃパーマに丸メガネ。個性的な風貌が強く印象に残る類家役は、山田裕貴。鋭い観察眼と推理力を持つキレ者キャラを、気迫あふれる演技で演じきりました。
そして、類家が対峙するスズキタゴサク役は、佐藤二朗。類家をはじめとする警視庁捜査一課からの問いかけや揺さぶりに臆することなく、爆弾に関するクイズを出して場に興じる。言葉、態度、仕草。その一挙手一投足は、不気味なのに時にはチャーミングに見えてしまうこともあり、文字通りの怪演をみせています。
特に筆舌に尽くしがたいのが、類家とスズキによる攻防戦。緊張感と高揚感が炸裂する長台詞の応酬は必見ですよ。
共演には伊藤沙莉、染谷将太、夏川結衣、渡部篤郎など、実力派俳優が集結。それぞれのキャラクターが持つ正義と覚悟、そして人間の強さと弱さがぶつかり合う、重厚な人間ドラマが繰り広げられます。
取調室という閉じられた空間と、東京中で巻き起こる爆破シーン。緩急の効いたストーリー展開で、静と動のコントラストが際立っているのも本作の大きな見どころ。謎解きと爆弾探しがリアルタイムで進行しているようなサスペンスフルな筋運びは、秀逸の一言です。
爆弾はどこに仕掛けられているのか。東京中を爆発させる目的は何なのか。そして、スズキタゴサクとは何者なのか。令和イチの衝撃作をスクリーンで目撃して。
『(LOVE SONG)』初恋のトキメキに満ちた日台合作映画
メーカーの研究員として忙しい日々を送っているソウタは、突然の辞令でタイ・バンコクへ赴任することに。異国の空気に戸惑いながら過ごす中、街角である人物に再会する。それは、大学時代に密かに想いを寄せていた初恋の相手、カイ。彼はバンコクでカメラマンとして活動しながら、日本にいた時と変わらず音楽活動を続けていた。
忘れていたはずのトキメキが蘇り、ソウタとカイは互いの距離を縮めていくが……。
世界的に大ヒットしたタイのBLドラマ「2gether」を手がけたチャンプ・ウィーラチット・トンジラー監督の日本デビュー作『(LOVE SONG)』。ダブル主演を務めたのは、アジアにルーツを持つ森崎ウィンと向井康二。友情と恋のはざまで揺れ動く心情を、繊細な演技で体現しています。
ずっと好きだったけど、言えなかった。胸の奥にしまっていた“両片思い”を描いた純度100%の恋模様に、胸キュンすること間違いなしの一作です。

(C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
<作品情報>
爆弾
2025年10月31日(金)から全国ロードショー
出演:
山田裕貴 伊藤沙莉 染谷将太 坂東龍汰 寛一郎 片岡千之助 中田青渚
加藤雅也 正名僕蔵 夏川結衣 渡部篤郎 佐藤二朗
原作:呉勝浩『爆弾』(講談社文庫)
監督:永井聡
脚本:八津弘幸 山浦雅大
音楽:Yaffle
主題歌:宮本浩次「I AM HERO」(UNIVERSAL SIGMA)
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/bakudan-movie/

(C)2025『(LOVE SONG)』製作委員会
<作品情報>
(LOVE SONG)
2025年10月31日(金)から全国ロードショー
出演:
森崎ウィン 向井康二(Snow Man)
ミーン・ピーラウィット・アッタチットサターポーン 藤原大祐 齊藤京子
ファースト・チャローンラット・ノープサムローン ミュージック・プレーワー・スタムポン 逢見亮太
夏目透羽 水橋研二 宮本裕子 / 筒井真理子 / 及川光博
監督・脚本:チャンプ・ウィーラチット・トンジラー
脚本:吉野 主 阿久根知昭
音楽:近谷直之
劇中曲プロデュース:The TOYS
主題歌:Omoinotake「Gravity」(Sony Music Labels)
制作プロダクション:KINEMA STUDIO
制作協力:h8 Studio アークエンタテインメント
製作幹事・配給:KADOKAWA
(C)2025『(LOVE SONG)』製作委員会
公式サイト https://movie-lovesong.jp/
連載情報

Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/






















