サッカーでは、多くの日本人選手が、欧州のリーグで活躍しています。
その中で、今オフ、注目の的といえば清武でしょう。今夜、行われるキリンカップ決勝戦が終われば、いよいよ移籍交渉が本格化。
スペインリーグの名門、セビリア入りが有力視されています。
きょうのボスニア・ヘルツェゴビナ戦には同じ代表のトップ下を争う、本田(左ひざ裏炎症)、香川(腰痛)がけがのため出場することは難しそう。
まだ、スタメンが確定したわけではありませんが、清武が司令塔のポジションでチームを動かすのではないかと言われています。
セビリアは2015~16年シーズン、リーグ7位ながら、UEFA欧州リーグで3連覇を達成。
来シーズンは、欧州の最高峰のチャンピオンズリーグへの出場を果たします。
このチームは商売上手でも有名で、素質のある選手を安く買って、高く売るのが本当にうまい。
イタリア、セリエAのインテルへ移籍が決定したアルゼンチン代表バネガの後釜として白羽の矢が立ちました。
ただ、清武は所属するドイツのハノーバーと、契約を残しています。
また、チームは来季から2部降格も決まっている。
清武の移籍金は約8億円で、チームへの置き土産としては十分な金額でしょう。
それにしても、清武ほど所属チームに恵まれない選手も珍しい。
Jリーグの大分、ドイツのニュルンベルク、今回のハノーバーと3度、2部降格を体験。
サッカーがチームスポーツといわれるゆえんでしょう。
去年のオフ、清武は大きく変わりました、外見ではなく、精神面。
影響を受けたのは、1歳上の香川。
マンチェスターユナイテッドでは、活躍することができずにサッパリだったものの、古巣のドルトムントへ復帰してから再び、輝きを取り戻した。
「真司にできるなら、おれにもできる。」と草食系といわれた控えめな性格を奮い立たせ、ハノーバーのフロントへ「私に背番号10をください」と直談判、「10番は別格。チームを勝たせることができる選手がつけるものです」と力説して、待望のエースナンバーを獲得しました。
ところが、6&11月、いずれも日本代表の合宿中、右足を骨折するアクシデントに見舞われています。
幸い、骨折とはいえごく軽いもので、それほど長い期間、試合から遠ざかったわけではありません。
それにしても、清武が出場した19試合で勝ち点18を獲得したのに対し、欠場の12試合は、わずかに勝ち点が4。
清武がいるのといないのでは、これほどまでに違うのが事実。
チームの全得点の6割に絡んでおり、もし清武の故障さえなかったら、2部降格しなくてもすんだというのが、もっぱらの見方です。
当然、「けがをするのはダメな選手のあかし」と猛省している。
そのうっぷんを晴らしたのが、3日のブルガリア戦でした。
本田にばかり依存してきたハリルジャパンが、欠場でも7ゴールの大勝。
「ワールドカップ・ロシア大会では、キャプテンマークをつける」
と宣言した大分県出身の清武は、熊本地震を期にますますヤル気を見せています。
弟の功暉(こうき)がロアッソ熊本に所属しており、被災地を慰問。改めて九州男児として、誓いを立てました。
(原文)青木政司
6月7日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」