今夜は、サッカー日本代表がアウエーでタイと対戦する、ロシアワールドカップアジア最終予選の2戦目。
1日にホームの初戦でUAEに逆転負けを喫しているだけに、今回は是が非でも勝たなければなりません。
仮に引き分けでも、ハリルホジッチ監督の進退問題などが浮上してくる。悪い流れを断ち切るためには、勝利が特効薬となるでしょう。
浅野がキーマン。
UAE戦の後半32分。起死回生の同点ゴールを放ちましたが、カタールの審判団が見逃しノーゴールの判定となりました。
実際にゴールラインを割っており、世紀の誤審と世界中で報道されたものの、裁定は覆りません。
きのうの前日会見でハリルホジッチ監督はまたもや、その一件を持ち出しネチネチとやっていました。
その当事者だった浅野はどうでしょう。
「申し訳ありません。ぼくがヘタなんです。技術も含めたメンタルが弱い。前日のトレーニングで、同じようなシーンがあった。でも、左足で吹かして…。その悪いイメージか頭を過って、思い切り打たない自分が悪かった。」
と猛省していました。
日本代表ともなれば、プライドの高さは人一倍です。
それゆえに担当記者に腹を割って自分の心情を語る選手はまことに少ない。
本音でしゃべるのは本田と浅野の2人という評判もうなずけるでしょう。
浅野の素晴らしさは卓越したスピード。
よく比較されるのは、日本代表が初のワールドカップ出場を決めたジョホールバルの岡野雅行、あの野人です。
そんな非凡さを認められ、7月3日イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルへ完全移籍しました。
でも、実績が足りずに移籍金が安いために、英国の労働許可が下りなかった。
ちなみに移籍金は6億5000万円。
英国では18億円以上の選手でなければビザがオッケーとはならないそうで、さすが世界一お金があるリーグです。
アーセナルとしても飼い殺しというわけにはいかない訳で、そこで修行を兼ねてレンタル移籍したのはドイツの2部シュツットガルト。
浅野は、「素晴らしいチームに行けて良かった」と大いに喜んでいました。
忘れられないのは、6月7日のキリンカップ決勝。
ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で1対2と敗れたわけですが、試合後、シュートチャンスにパスを選択するなど消極的だった浅野は、泣きながらメンバーへ謝罪しました。
その時本田が「なんで泣く。泣く選手の気持ちはわからない。」と一喝。
7人兄弟の3男。
「裕福ではない家族のために」とプロのサッカー選手を目指すという、現代では異色の存在です。
広島では2,500万円だった年俸が、アーセナル移籍で、倍額を上回る推定6,400万円へ跳ね上がりました。
代表は世界への見本市のようなもの。まだまだ、歩みを止めるわけにはいきません。
9月6日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」