亡き祖父の「男なら勝負しろ!」を胸に サッカー日本代表MF・長谷部誠(32歳) スポーツ人間模様

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写真提供:産経新聞社

ワールドカップ・ロシア大会アジア最終戦が、いよいよ今夜スタートします。
初戦の相手はUAE。
この試合に出場すれば国際Aマッチ通算100試合を達成するのが、キャプテンの長谷部です。
「人格、そしてキャプテンとして心から尊敬している。」
気難しいことで知られるハリルホジッチ監督が全幅の信頼を寄せています。

通算出場の歴代1位は、遠藤の152、井原が122、川口=116と続いて、中沢が110、それから岡崎が102、長谷部は6位となる。
「1試合目、50試合目でも、代表は特別なところ。気持ちは変わりない。(あすの試合で)誰が出られるか、まだわかりません。100試合のことは、出てからお話をします。」
このあたりも生まじめな人らしいコメントですが、今日、ハリルホジッチ監督が長谷部へリクエストしているものがある。
それは、ゴールです。

長谷部のゴールパフォーマンスで有名なのは、人差し指で天を差すものですが、どうして、そのパフォーマンスを行っているかというと、亡き祖父、松太郎さんへ捧げている。
幼少時からおじいさんっ子で、誠という名付け親、そして、サッカーをやることをすすめたのも松太郎さんでした。

藤枝東高時代は、テクニックこそ素晴らしかったものの、体力面の不安が…。
本人は、卒業後の進路として、地元静岡県内のチームからのオファーを待ち望んでいましたが、オファーがあったのは浦和と名古屋。
大学進学の選択肢も捨てきれないし、両親はプロになることを猛反対したほどでした。
でも、松太郎さんの「男なら勝負しろ!」のひとことで浦和入団を決断しました。

ただ、入団してもいきなり試合へ出場できるほど甘くはなかった。
初めて家族を招待したのは、プロ野球では2軍にあたるサテライト。
しかも、あまり強いとはいえない水戸が相手でした。

ご家族も、それは楽しみだったことでしょうが、スタメン、はたまたベンチ入りのメンバーにも長谷部の名前は無く、けがをしたわけでもなく、実力不足だった。
ようやく、松太郎さんが孫をみつけたのは、ゴール裏のスタンド。
両手で抱え、ぽつんと座っていたそうで、お互い、ひとことも顔を合わすことなく分かれたのです。
これには、長谷部がものすごいショックを受け「期待をさせて申し訳ありません。」というメールが届いた。
這い上がる原点は、ここにありました。

今でも、長谷部はその屈辱を忘れてはいないそうです。
あのゴール裏での観戦が日本代表へ押し上げた。
口にこそ、出しませんが、スパイクの見えないところに、松という刺繍を入れている。
今晩、ぜひ、メモリアルゴールを願わずにはいられません。

9月1日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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