テニスのワールドツアーを取材する記者たちが、「今年、ブレークする」と女子で一番に名前をあげるのが大坂なおみです。
その大阪が、4大メジャーの全豪オープンへ出場。主催者推薦で出場した、タイのクムクムを相手に「どうして、緊張したのかは、わからない」と首をひねりながらも、接戦で1回戦を突破しました。
振り返れば、大阪の4大大会初出場は、昨年の今大会です。無名ながら3回戦へ進出。これで勢いがついたのか、世界ランキング127位から、最高位は40位まで駆け上がりました。
日本人の母と、ハイチ人の父をもつハーフ。大阪府大阪市出身です。しかし、一家で米国へ移住したのは4歳。大阪の頃から父、レオナルドさんとテニスをしていたそうです。錦織のように、大手企業の奨学金をもらい、エリート教育を受けたわけではない。練習は、もっぱら、市営のコートで。ジュニアの大会へはほとんど出場せず13年、プロへ転向。下部大会を転戦しながら実力をつけた叩き上げです。
幼少時から口にしていたのは、「はやく、18歳になりたい」。というのは、それ以下の年齢では出場大会数の上限規定があり、解除されるのは18歳だからです。さらに、16歳で、「将来は世界一になる」とも。事実、その18歳になって快進撃がスタートしました。
180センチ・69キロの恵まれた体形から、200キロを超えるサーブを放ちます。今回の出場選手では、もちろんナンバーワンのスピードを誇り、これは錦織にも匹敵するでしょう。大坂には1歳上の姉、まりがおり、こちらもプロテニス選手です。
気になるのは大坂が今、日本と米国の二重国籍ということ。2020年東京オリンピックの有力な金メダル候補になるからです。すでに、昨年11月、錦織も契約する食品会社(契約は日清食品ホールディングス)の所属になった。ただし、国籍は22歳になる前までに自身が決断すればいい。今後の活躍しだいでは、米国も手をあげる可能性も出てきます。
大阪は国籍問題を質問されると、「日本」と答える。その理由は、
「性格が内向的で、日本の方が合っている」「日本食がおいしい。だから、私は日本人」
と説明をしています。そうはいっても、4歳から米国で生活しているために、日本語があまり得意とはいえません。
「インタビューのVTRをみると、質問がわからない時、モニターに映る自分の表情が、とてもイヤ。それを見るたびに落ち込んでしまいます」
と苦笑しているそうです。
次戦の相手は、第9シードの英国、コンタ。真価が問われます。
1月18日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」