3/17(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
過去20年間の対北朝鮮政策は失敗だった
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官)
トランプ大統領のアジア戦略
岸田) 北朝鮮問題については、北朝鮮の核ミサイル開発は断じて容認できないとの認識を強要しつつ、中国の役割の重要性について議論をいたしました。
高嶋) レックス・ティラーソン国務長官と会談をしたあとの岸田外務大臣のコメントです。この間ジェームズ・マティスさんという国防長官がやってきて、今度はティラーソンさんという国務長官ですが。一番感じるのは、トランプさんは外交とか対外的なものはほとんど任せているのですかね? どんな印象ですか?
宮家) 彼の外交政策というのは、選択的だと思います。
高嶋) 選択的?
宮家) 例えばメキシコに喧嘩を売ってね、壁作るとか。
高嶋) あそこはこだわっていますよね。
宮家) アンゲラ・メルケルさんともあまり仲が良くないとかいろいろ言われていますから。だけどその中でも、アジア政策についてはしっかりしています。中国を意識しているのかな。部分的にはちゃんとやっているところもあって、そうじゃないところもある。
高嶋) アジアについては?
宮家) オッケーと。
高嶋) 非常識なことは言っていないと。
失敗だった北朝鮮政策高嶋) それで過去20年間の対北朝鮮政策は失敗だったと。
宮家) その通りです。1994年に大騒ぎになって、そのときワシントンから東京に帰ってきたばかりだったので、今でも覚えています。下手したら戦争になっていたかもしれない。本当に心配した。だけどそのあとアメリカは『いや北朝鮮は今がピークだから、あとはどんどん下がっていくから、いいんだ』と矛先を収めたわけです。その結果な何が起きました? その20年の間に核兵器ができちゃったじゃないですか。あのときの思惑が全く外れてしまった。クリントン政権でしたけど。ということはティラーソンさんが言っていることはけして間違いじゃない。20年間何をしたかと言うと、融和政策。「まあまあまあ」で対応政策や6者協議をやったけど、結局、核兵器ができてしまった。
高嶋) もう北朝鮮は絶対離さないですよね。
宮家) よっぽどのことがないと、離さないですよ。残念ですけどね。
高嶋) アメリカ本土に届くICBM2というのは絶対やりますか?
宮家) やりますよ。そのために20年やっているますから。
高嶋) それをやると国がつぶされるという人もいますが。
宮家) つぶされるかもしれない。自殺行為化もしれないけど、彼らにとってそれをやってアメリカに脅しをかけて、アメリカに対して核保有国であることを認めさせて、生き延びようとしている。アメリカと話がつけば『中国も日本も韓国も関係ねえ!』と思っている。それは間違っていることだけど彼らはやめないと思います。もし本気でやめる気があるなら、それは自分の身にものすごいことが起きるから、そろそろ核兵器やめないとまずいねと思わせなきゃいけない。
米軍基地を狙うということは日本に戦争をするということ高嶋) いろいろと粛清の嵐がやってきて、金正男を暗殺して。北朝鮮は内部から瓦解するという説も根強くありますよね。
宮家) 気持ちはわかりますし、希望的観測かもしれませんよ。私の経験から言えば、独裁国家はそんなに簡単に軟じゃないから潰れない。そんなことあったらとっくに殺されていますよ。
高嶋) この間の4発のミサイルは、初めて北朝鮮が日本にあるアメリカ基地を想定して撃ったということで。ここにもアメリカの兵隊さんがいっぱいいるわけで、アメリカとおんなじじゃないですか。治外法権であそこはアメリカですから。横須賀の基地は横須賀の中でみたいに。
宮家) そうですけど、その議論はおかしい。
高嶋) 変なの?
宮家) 変じゃないけど、あのアメリカ軍基地っていうのは日本の国土にあります。アメリカ軍基地を狙うということは日本を狙うということです。つまり日本に戦争するということですよ。これは日本の自衛権の問題です。
高嶋) そっちを考えないといかんと。
宮家) アメリカがやられているわけではなくて、日本がやられているわけですから。
高嶋) どうしたらいいですか?
宮家) フル攻撃されたら自衛権を発動しなきゃいけないでしょう。それをしなければ独立国家じゃないでしょう。ですから他人事じゃない。
高嶋) THAADとかああいう話もそのうち出てくるだろうと。
宮家) そうかもしれませんね。ただね、ミサイル防衛も大事です。だけども、それだけで十分ですか?
高嶋) 結構行き詰まっているという話ですね。
宮家) やっぱり圧力をかけないといけないときがあると思いますよね。
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