3/16(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
サウジ・ムハンマド副皇太子がトランプと会談~国王は中国訪問
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
アメリカとサウジアラビア、新たな経済協力に合意
アメリカのトランプ大統領とサウジアラビアの国防省を兼ねる、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が14日、ホワイトハウスで会談し、イランが地域の安全保障に対する脅威だという認識で一致しました。アメリカのオバマ前政権は、サウジアラビアと敵対するイランと、核問題に関する合意に踏み切り、アメリカとサウジアラビアとの関係は悪化していました。
高嶋)親父と息子が分かち合って、サウジの副皇太子はトランプさんと会談で。国王は中国の方へ行きました。この後、どうなるのでしょうか。
森田)サルマン国王は次の訪問国である中国に向かったのですが、息子のムハンマド副皇太子、アメリカを訪れましてホワイトハウスでトランプ大統領と会談して、オバマ前政権の時は、サウジと敵対するイランとの核合意に踏み切って、サウジとアメリカの関係は悪化したのですが、トランプ大統領はイランへの強硬姿勢を貫いていますので、サウジアラビアの高官も、今回のトランプ大統領との会談が、両国関係の歴史的な転換点になった、と述べているのです。それから今回の会談では、アメリカとサウジの間の、新たな経済協力プログラム、というのも合意しました。このプログラムでは、エネルギーやインフラ整備などの分野で、アメリカとサウジの間で4年間におよそ23兆円以上の投資に繋がる可能性のあるプログラムだ、という風に述べています。
高嶋)サウジは、油がなくなっても大丈夫ですかね?
佐藤)なくなっても大丈夫な体制を造っていますね。そのために今考えているのが原発です。どんどん原発を造っていって国内需要は原発で満たす。戦略物資として輸出だけに石油を限定していく、という方向です。
トランプはサウジとの関係を改善佐藤)それから今回の特徴というのは、王様をあえて中国に送る。アメリカを格下の扱いにしているわけです。数字(順位)をそうされるとアメリカはぷいっと膨れるわけです。有力者である副皇太子が来たとしても通常だったら大統領は会わないですよ。
高嶋)でも会っていますよ?
佐藤)会っているというのがどういうことかというと、トランプが頭を下げて「お願いします……オバマさんの時に無礼なことをやりすぎました。よく分かっていますから、お願いします」とこういった形で関係改善しているのです。
それからもうひとつ、影のプレイヤーはイスラエルです。イランが怖いということで、水面下でサウジアラビアとイスラエルは接近している。外交関係がないにも関わらず。そういうことを含めた形で、もう一回対イラン包囲網を作っていこう、とイスラエルが考えている大きな戦略図があるわけですね。これが着実に実現しているということだと思います。高嶋)ISのこととかを考えると、アメリカも結構難しい立場ですよね、これ。
佐藤)難しい立場ではありますけれど、トランプさんはあまり複雑に考えないですからね。凄く直線的に考えますから。
高嶋)「それはそれ、これはこれ」みたいな。
佐藤)同時に「今はイランを締めるんだ、それでサウジと仲良くしよう」と。こういう感じですから。これはオバマがやったことの逆打ちにもなりますから。そんな感じでやっていますね。
高嶋)中国とサウジアラビアのポイントは何ですか?
佐藤)中国とは今後のエネルギー協力です。
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