3/21(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
北朝鮮は米軍駐留の良い理由になっている
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂總(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
“北朝鮮という脅威”がアジアにおけるアメリカの存在感を維持している高嶋)北朝鮮の問題ですけれども、テラーソンさんが日本、韓国、中国と19日までアジア巡りまして、北朝鮮の問題についていろいろ発言がありました。そういう最中、北朝鮮が新型エンジンの実験をやりまして、韓国の国防省が「性能で意味のある進展があった」と認めました。北朝鮮はあくまでもこの開発に賭けるという。今北朝鮮に対して、例えばアメリカは、中国は、そして日本はどんなスタンスを持っているのか、これを教えていただきたいですね。
富坂)まずアメリカですが、どの程度北朝鮮のことに興味があるのかというのが見えないのですね。本当に解決したいのかというのをまず見極めないといけないと思います。特に同盟国に来たときはリップサービスでいろいろ言う訳です。日本に来た時にも「あらゆる手段で」ということを言って。韓国に行った時には、これは中国を意識して言ったのだと思いますけども「日本と韓国に核兵器を配備するのを考えた方が良い」みたいなことも言いましたし。ガッとトーンを上げていく訳ですよ。「緊張状態だ」とか「軍事というのもテーブルに乗せていく」みたいな話もしていくのですけども、中国へ行くとトーンダウンします。結局中国とよく話し合っていわゆる「(北朝鮮を)交渉のテーブルにもう一回着かせる」みたいな話に落ち着いていく。それはどういうことかなと見た時に、中国でいうと結局二つに分けておきたいというのがあって、金正恩が思っていることも問題だけども、二つに一つというのももっと重要なので生かさず殺さずになると。
高嶋)相変わらずそういうスタンスなのですか?
富坂)そうですね。さらにアメリカから見るとどういうことかというと、アメリカは“北朝鮮という脅威”があるからこそアメリカという存在感があるという考え方も一方にある訳です。だからそれはある程度あった方が良いという見方をしますね。もちろんこれはエンジンの性能が上がっていることというのは、推力というのは一番重要な技術ですので心配しなければならないことではあるのですけども、アメリカにとってはそんなに怖いものではないです。要するにアメリカは気にしないけれども我々にとっては結構大変だという問題があるので、同盟国であっても価値観がズレている訳です。本音が違うのです。だから我々が本当に見なければならないのはここの部分なのです。
高嶋)北朝鮮で問題があるから米軍が堂々と駐留していると。
富坂)そう。例えば韓国なんか次には極左政権ができるかもしれない、そうなるとそういう時に北朝鮮の脅威が無くなっていたら「アメリカ出ていけ」なのですよ。だからそういうことで言うとアメリカは別に韓国に居たい訳ではないけれども、アジア全体を見ていくとか世界戦略から見るといくつか拠点は持ちたい訳です。
高嶋)テラーソンさんが最初に38度線なんか言ったのはそんな意思表示ですかね?
富坂)そうですね。だから結局の所北朝鮮はアメリカが軍事力を行使する程の魅力はある場所ではないのです。そういう意味ではずっとほったらかしですよ。
高嶋)ただしトランプ大統領は「正恩氏の振る舞いは極めて悪質だ」というようなことで、あらゆる選択肢をというようなことを言うじゃないですか。この辺との兼ね合いはどうなりますか?
富坂)だからそこはやはり心配の種で、結局トランプさんはこれまでのことを聞いていると外交をよく理解していないし、外国のことにこれまで殆ど興味無かった人です。例えばそれが国内でウケるということになるとバッとこうね。多分それでも動かないと思いますけど、そういう選択肢がひとつテーブルに登ってくるということを当初中国は恐れていたのではないかなと思いますね。
アメリカにとっては“他国の出来事”高嶋)やっぱり北朝鮮のことはまだ“他国の出来事”という、そういう本音なのですか?
富坂)そうですね。技術的にも相当差はあると思いますよね。
高嶋)その辺北朝鮮も読んでへっちゃらな顔していろいろやるのですかね。
富坂)そういうことです。“ポテンヒット”を続けている訳です。空間がありますから、大国間の。
高嶋)なるほど。私なんかおっちょこちょいですから、すぐにでも地上戦をというようなそんなことを考えますけども。なるほどね、国際政治は難しいです。
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