ニッポン放送の名物番組『オールナイトニッポン』が今年で50周年を迎えるそうですが…
あの『ルパン三世』も、今年で連載開始から半世紀、すなわち50周年を迎えたのだそうです。
世界を股にかける世紀の大泥棒──モンキー・パンチさん原作のマンガ『ルパン三世』は、ちょうど50年前、『漫画アクション』の創刊号、8月10日号で連載スタート。
以来、1971年から始まったアニメシリーズをきっかけにルパンの知名度は全国区となりまして、1977年から始まったテレビ版第二シリーズで、人気は不動のものとなりました。
宮崎駿監督がメガホンを取った映画『ルパン三世 カリオストロの城』もすこぶる評判がよろしく、1989年からは、ほぼ毎年のようにテレビスペシャルが放送されるようになりました。
今やルパン三世といえば、誰もが認める“国民的ヒーロー”。
こたびの連載50周年を機に、全国の郵便局で記念切手セットが売り出されるなど、またもや、何度目かのルパンブームが巻き起こりつつあるんだそうですよ。
そこで今日は、『ルパン三世』連載50周年記念といたしまして、ちょっと意外な「ルパンの真実」を、あれこれとご紹介してまいりましょう!
50年もの歳月の間には、まぁ~~~~実に実に、いろんなことがあったんです!
■諸外国で放映された『ルパン三世』は日本版と、ひと味もふた味も違う!
『ルパン三世』のアニメシリーズは、イタリア、ドイツ、フランスなどなど世界中で放映されて、軒並み高視聴率をマークしたのだそうです。
ところが… それぞれのお国柄を反映してのことでしょうか?
諸外国の『ルパン三世』では、ちょっと信じがたい“マイナーチェンジ”が施されているんです。
まず、「イタリア版ルパン」では、ルパン一味の重鎮、石川五ェ門のキャラが、やたらと軽い!
「ルパン。拙者も、馳せ参じるでござる...」という、あの五ェ門ならではの渋~いセリフが、イタリア版の吹替では、こう変わります。「ルパン!チャオ~~!」
五ェ門が「チャオ」。これではなんとも、力が抜けるといいましょうか…
なんでも斬れる斬鉄剣も、錆び付こうというものです。
さらに驚かされるのは、「フランス版ルパン」のタイトルです。
その名も、『探偵強盗エドガー(Edgar Le Détective Cambrioleur)』。
もはや、ルパンがルパンでさえなくなっていて、「探偵強盗」という、なんだかよく分からない肩書になっているんです。
■ルパン三世と峰不二子の間に、子供がいた!
ルパンファンにとっては、ヒロイン「峰不二子」との、恋のさやあても気になるところ。
いつもルパンは峰不二子にヒジ鉄を食わらせられる… というのが、いつものお決まりの展開です。
ところが… 実は、このふたりの間に、男の子供がいた…!
そればかりか、この息子も、大泥棒になっていた… ! というお話をご存じでしょうか。
1975年のことです。
大人向けの『漫画アクション』とは別の雑誌、『少年アクション』という雑誌が創刊されました。
この新雑誌の編集部、大人気のルパン人気に乗じまして、一計を案じました。
「子供の読者向けに、ルパンの子供を主人公にした作品を連載したら、当たるんじゃないか?」
かくして、ルパンと峰不二子の子供、その名も「ルパン小僧」なる少年が大泥棒を目指す…という物語が連載がスタートしたんです!
⇒ルパンの息子が主人公、『ルパン小僧』。
⇒第1話と第18話には、父親のルパン三世本人が登場!
⇒評判は良かったのですが…『少年アクション』が休刊したことで、わずか18話で終了に追い込まれてしまいました。
~さて、ルパンに息子がいたくらいで、驚いていちゃいけません。実は実は…
■『ルパン8世』というマンガが連載されたことがある!
1982年、今も「幻のマンガ」として名高い『ルパン8世』という作品が、『月刊100てんコミック』(双葉社)に連載されました。
マンガの舞台は、22世紀の未来。「ルパン8世」は、なんと「宇宙」を股にかけ、縦横無尽の大活躍を繰り広げます。
ルパン三世の武器といえば「ワルサーP38」ですよね。
ところが、子孫のルパン8世の武器は、なんと、「宇宙銃」です。
ケッサクなのは次元大介。子供向けのマンガという事で、タバコではなく、常に「棒付きキャンディ」をくわえているんです!
さて、いま一度、本家「ルパン三世」にまつわる意外な事実に話を戻しますと…
■ルパン三世は、当初、ロン毛になるはずだった!
ルパンといえば、短く刈った髪型が印象的。
ところが… 当初の構想段階では、「ルパンは長髪」という設定になっていたんです。
連載スタート当時(1967年)には、日本でも、ビートルズ人気が沸騰していました。
そこで彼らの髪型にあやかって、ルパンも長髪にしよう… ということになっていたのだそうですよ。
ところが、ロン毛だと描くのに手間がかかるということで、結局、お馴染みのあの髪型になったんです。
■ルパン三世の原型となった意外なアニメとは?
さて、『ルパン三世』の下敷きとなった意外なアニメとは、なんだか、ご存じでしょうか?
その作品とは… ズバリ、『トムとジェリー』なんです!
作者のモンキー・パンチさんは、トム(猫)とジェリー(ネズミ)のコミカルなやり取りが大好きでした。
で、『ルパン三世』を描くとき、この作品をモチーフとしたのです。
逃げるルパンはジェリー、銭形警部はトムをモデルとしているんです!
さらに、ルパンの原型となったキャラクターは、トムに加えて、もうひとりいます。
女好きが玉に瑕だが、闇の仕事は超一流のあの男…。といえば、お判りでしょうか。
そう、ルパンのキャラには、あの“007”ジェームズ・ボンドのキャラも、乗っかっているんです。
ついでに言えば、グラマラスな峰不二子は、もちろん、ボンドガールがモデルです。
■誰もルパンの素顔を見たことはない!
実はルパンのあの猿顔… 本当の顔ではないという事を知っていますか?
ルパン三世は、ルパンⅠ世の「盗術書」に書かれている、「何物にも、本当の顔をさらしてはならない」という教えを忠実に守っているんです。
ですから、次元や五右ェ門や不二子にも、本当の顔を見せてはいません。
あの猿のような顔は、ラバー製(?)なんです!
■今後のルパンがねらう“お宝”とは何か?
ルパン三世の作者、モンキー・パンチさんは、来月、80歳の傘寿を迎えます。
先ごろ発売された『女性自身』4月号で、モンキー・パンチさんは、「ルパンが狙う新たなお宝は何でしょうか?」という問いに対して、実にしみじみとする答えをものしています。
最後に、このモンキー・パンチさんのコメントをご紹介いたしましょう。
『この殺伐とした世の中で、ルパンは一石を投じるというか、人間にとって大事な何かを見つけ出すんじゃないかな。
それは一輪の花かも(しれない)。
崖の上にそっと咲いている一輪の花。
その花を見れば、誰もが癒される。
ルパンはその花を摘むのではなく、摘もうとするやつが来たら、それを止める。
盗みに行くのではなく、守る。そんな感じがするなぁ…』
殺伐とした世の中で、ルパンは一輪の花を守る…。なんとも素敵な話じゃありませんか。
『ルパン三世』、連載50周年。ルパンにまつわる意外なエピソードをご紹介しました!
4月12日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より