いつ出る、いつ出ると言われ続けている、日本人初の100m・9秒台。
その可能性が最も高いとされる大会が、29日・土曜日に開催されます。
広島ビッグアーチで開催される『織田幹雄記念国際陸上競技大会』。
どうしてこの大会で9秒台の可能性が高いのか。
きょうは、法政大学・陸上部監督で、日本陸連オリンピック強化コーチの苅部俊二さんにお話をうかがいます。よろしくお願いします!
苅部)よろしくお願いします。
高嶋)去年リオ五輪が終わったあと、苅部さんにお話を伺ったら、「9秒台は広島の織田記念で出る可能性が高い」という話をされていましたよね?
その理由をあらためて聞かせてください。
苅部)9秒台を狙うにはさまざまな条件が必要ですが、まず広島ビッグアーチのトラックは、サーフェス(地面の反発)が良いです。
そして最も重要な「風」。この会場は とても良い風が吹くんです。
高嶋)参考記録ではない、正式な記録の出やすい風が吹くということですね。
苅部)はい。100mでは、追い風2.0mまでが公認の記録になります。
広島の競技場はその範囲内の風が吹きやすく、記録が出やすいように計算されていて、日本で一番記録の出やすい競技場と言えます。
高嶋)そんな広島で行われる「織田記念」。100mで注目されていたのは、リオ五輪のリレーで銀メダルを獲得した桐生祥秀選手と山県亮太選手。
残念ながら山県選手はケガで欠場となったようですね…。
苅部)大きなケガでなく、今回は大事をとっての欠場ということですね。
高嶋)そうなると、俄然 桐生選手に注目が集まるんですが、今シーズンはかなり調子が良いみたいですね?
苅部)3月のオーストラリアの大会では、10秒04と好記録を出していますし、今月23日の国内初戦・出雲陸上では向かい風0.5mの中で10秒08を出していますから、いよいよ…という感じがしますね。
高嶋)今シーズン、好調の要因はなんでしょうか?
苅部)桐生選手は、最後の10mくらいで上体が立ってしまって、少し体がブレるところがあったんですが、今年はそれを修正してきました。非常に体が強くなった印象があります。
室伏広治さんのところでトレーニングをしているなんて話もありますから、その辺りも影響しているかもしれません。非常に強くなりました。
高嶋)山県選手が欠場になって、ケンブリッジ飛鳥選手も現在アメリカ遠征中。
ライバルの不在、桐生選手にとってプラスですか?マイナスですか?
苅部)桐生選手にとってはプラスですね。
彼は並ばれて競り合いになると、「行かなきゃ」という思いが強くなって、少し動きが硬くなる傾向があるんです。
でも、今回は競り合う選手が出場しないので、100mを自分のペースで走り切ることができると思います。
高嶋)陸上において、コンマ以下の戦いというのは本当に微妙なものですよね…。
苅部)100分の1秒だと、10cmくらいの距離。
トップ選手はそういう世界で戦っているんですね。
高嶋)桐生選手は、2015年に追い風参考で9秒87の記録を出しています。
参考記録とはいえ、9秒台を体感しているというのは大きいですよね?
苅部)そうですね。スピード感が全然違いますし、
9秒台のスピードで走っているという感覚があるのは大きいと思います。
高嶋)4月29日・土曜日の広島。天気や風の影響はあると思いますが…、どうですか? 9秒台、出る方に賭けますか?
苅部)出ると思います!!!!
高嶋)力強い言葉!本当に9秒台が出たらすごいニュースになりそうですね!
私たちも期待しましょう!
きょうは、日本陸連オリンピック強化コーチの苅部俊二さんに伺いました!
4月27日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より