6/5(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！③
7人死亡48人が重軽傷～凶器は車とナイフ
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
ロンドン中心部でのテロ事件を受けて首相官邸で声明を発表するメイ英首相=20170604 写真提供：共同通信社
容疑者はイスラム過激派思想の男3人、射殺されるイギリスのロンドン中心部で3日夜テロがあり、7人が死亡した他、48人が病院に運ばれました。メイ首相はイスラム過激思想に感化されたものによる犯行という見方を示しています。
いわゆるソフトターゲットを狙ったテロが後を絶ちません。イギリスでは先月の22日にマンチェスターのコンサート会場でテロが起きたばかりです。また3月にも国会議事堂でテロがありました。これと合わせますと3ヶ月の間にイギリスではテロが3回起きたことになります。今回のテロは現地時間の3日の夜10過ぎに起きました。ロンドン橋で車が次々と通行人をはねて、その後車を降りた男らが近くのバラマーケットと呼ばれる食材市場で客らを刃物で刺したということです。7人が亡くなっていまして、48人が病院に運ばれました。怪我人のうち21人は深刻な状態にあるという現地メディアの報道もあります。容疑者の男3人は警察に通報が入ってから8分後に治安部隊に射殺されました。この辺りはスピーディーな制圧劇だったわけですが、3人とも体に爆発物のようなものを巻いていましたけれども、こちらは偽物だったということです。容疑者の身元など詳しいことは明らかになってはいませんが、メイ首相はイスラム過激思想に感化された、思想に染まった者によるテロという見方を示しております。先程入った情報ですが、過激派組織イスラム国の系列のニュースサイトがこのロンドンで起きたテロについて「ISの兵士集団が実行した」と報じました。事実上の犯行声明ということになります。こうした中、イギリスでは今月の8日に下院の総選挙を控えておりますが、こちらは予定通り実施されるということです。ただ治安対策が選挙の争点になることは避けられません。選挙の行方にも影を落とすことになります。テロが起きる前の情勢ですが、与党の保守党を最大野党の労働党が猛追する展開となっていました。各種世論調査ではこの両党の支持率差がわずか5ポイントという接戦という状況ですけれども、これは保守党が発表した政権公約で、社会保障費の国民負担を増やすことを盛り込んだ、これが国民の反発を招いたと見られております。この下院総選挙、どのような結果になるかも注目されます。
「まだわれわれは終わったわけではない！」ISによるテロの動機高嶋） いろいろ影響は大きいと思います。映像で見ると白いワゴン車ですよね？ あれがロンドン橋の歩道に乗り上げてわっ！ と走り、人をはねて。そして止まったら今度はうしろのドアが開いて、そこから数人の男が出て市場のほうへ走りナイフを使ったと。車もナイフも、日常的にあるわけです。こういうのをテロに使われたら、ちょっとカバーの仕様がない気がします。どう思われますか？
須田） その辺も今回のイギリスの総選挙の中で議論が行われていますが、過激思想を持っている人たちが捕捉されている。ただそれをずっと監視できるだけの体制や人員が整っていないというのが現状です。全部やろうとすると膨大な労力と時間とお金がかかるわけですから。果たしてそれが可能かどうなのかという問題があると思います。
高嶋） トランプさんは「入国禁止は必要だ！」と言って追討を連発している報道もありますけど。この間のアリアナ・グランデのマンチェスターの事件で、テロリストがすごく賢くなっている。あのときは会場の中に入らないで、出口から出てきて地下鉄に向かう、人が溜まるところで犯人が自爆して。ここまでされると防ぎようがない。一応ISが声明を発表したのかな、詳しいことはまだわかっていないと。
須田） ISの兵士なのかどうなのかはまだわかっていませんが、イスラム国にとってどういう状況に置かれているかというと、本拠としているラッカに反イスラム国勢力が近づいてきて奪還される可能性が出てきている。その中でイスラム国としても「まだわれわれは終わったわけではない！」と示す必要がある。だから動機としては十分あると思います。
ラマダンになるたびにテロが起きる可能性が出てきている高嶋） 選挙にはどれくらいの影響があると思いますか？
須田） これが混とんとして、当初は保守党が勝つのではないかと見られてきましたが、有権者がそれをどう判断するか見えてこなくなった。加えてBBCとかCNNは「ラマダンだから」ということを連呼している。そういう分析もわからなくもないけども、それがイスラム教に対する憎悪を煽っているように感じられる。だからその辺りで、なぜこのタイミングで、この時期に行われたのかということも分析する必要があると思います。
高嶋） 難民受け入れの国の方針に対して、相当な拒絶反応は出ますかね？
須田） 相当出てくると思います。毎回ラマダンになるたびにテロが起きる可能性が出てきているわけですから。その事次第でイスラム教徒に対する憎悪に繋がっていく可能性が高いと思います。
高嶋） メイさんが際どく勝つ、あるいは負けるとなったときに、EU離脱の交渉が3月から始まりましたけど、これにもすごい影響を与えそうですよね。
