5/25(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
リビアで逮捕の弟が自供
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
自爆テロ~実行犯の弟はリビアでのテロを計画していたイギリス中部マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロで、実行犯の男が、テロの数日前に、過激派組織「イスラム国」が活動するとされるリビアから帰国したばかりだったことが明らかになりました。また、フランスのコロン内相は、「イギリス当局から得た情報として、実行犯の男とイスラム国に繋がりがある」と指摘しました。高嶋)イギリス側から言わせれば、リビアから恐ろしい思いで受け入れた人が、こんなことをして、という。恩をあだで返すような、そんな印象でしょうけれど。
森田)つい先ほど入ってきた情報によると、この実行犯の弟が新たに逮捕されました。リビアの治安当局は、イギリスのマンチェスターの自爆テロの実行犯、サルマン・アベディ容疑者の弟、ハシム・アベディ容疑者(20歳)を23日夜、リビアの首都トリポリで逮捕したと明らかにしています。ハシム容疑者は、兄と自分が過激派組織IS(イスラム国)のメンバーであることを自供したとのことです。
弟のハシム容疑者は、「兄のテロ計画を事前に知っていた」と供述し、弟自身は先月イギリスを出国し、「リビアのトリポリでテロを実行しようとしていた」と説明しているとのことです。兄からおよそ36万円の資金を受け取っていたと言うことも明らかにしています。また、リビア当局は、リビアにいるアベディ兄弟の父親も逮捕しました。具体的な容疑は分かっていません。
一方、イギリスの警察当局は、新たにマンチェスターで女性1人を含む、2人を逮捕し、逮捕者はこれで6人となりました。イギリスの警察当局は容疑者の背後にあるテロのネットワークを捜査していると明らかにしています。
容疑者の父親は、カダフィ大佐の独裁体制下のリビアで迫害され、イギリスに逃れてきたのですが、アラブの春でカダフィ政権が崩壊した後、2011年に、リビアに戻っています。ただ、サルマン容疑者自身はイギリスに残ったままでした。父親がリビアに渡り、弟、子どもたちはイギリスに残った、という状況でした。
一方、イギリスの与野党の各党は24日も、6月8日の総選挙に向けた運動を自粛しています。投票までおよそ2週間というような時期ではあるのですが、ここに来て保守党の支持率が社会保障の負担増を盛り込んだ公約を発表し、急速に下がってきています。ですがメイ首相は、国内の治安対策を取り仕切る内相を、これまで6年間務めてきたということで、テロへの対処は得意分野、ということで、今回の事件が有権者の投票行動にどう影響するか、というところです。
犯人に逃走の必要が無い自爆テロは防ぐのが非常に困難!高嶋)すごい影響を与えているわけですが、昨日、いろいろとあちこちを見ていたら、あの広い会場、現場の、21,000人収容可能なアリーナ。犯人はあそこの会場に入っていないとか。
山本)そうです。
高嶋)出口に出てきて、地下鉄につながっているような、皆が待ち合わせができるような広場があって、そっちから行って自爆した、と。
山本)チケットブースを出たところのようです。
高嶋)そんな話を聞くと、「ソフトターゲットを守ろう!」と言っても、これは難しいですよね。
山本)テロをやる側から完璧に防ぐというのは、本当に難しいです。まして、昔からよく言われたのは、「テロの犯人が逃げられるところがあるかどうか」、つまり、犯行後に脱出しなければいけないから、というのが、テロを実行するのを難しくしていると言われていたのですが、今回のケースのように自爆の場合、帰ってくることを想定していませんから、これを完璧に防ぐのは本当に難しい時代に入ったということです。
イギリスとリビアの因縁 選挙も波乱に高嶋)ISのホームページに爆弾の作り方が載っているとか、ね。それから、いろいろなやり方。ソフトターゲットを相手にするやり方もいろいろあるようですね。
山本)日本でも70年代に爆弾の製造法というのは過激派が文書で出したことがありました。ああいう闘争方法というのが、ここに来てもう1度歴史が返ってきて、しかも日本以外の国でそういうことが起きるようになったというのは、非常に因果な物を感じますよね。しかもイギリスは前からリビアのテロというのは、現場になってしまった例のパンナム機の爆破、というのもあったので、イギリスとしてはリビア初のテロということで宿縁を感じているということでしょうね。イギリスの捜査当局というのは当然、リビアの情報やネットワークも握っていると思いますので、リビアに逃げたところを家族が捕まったということにもなっているのだと思うのですが、いずれにしても選挙も波乱。しかも欧州全体でのテロという流れもありますからね。これは、本当に難しい時代に入りました。