4/20(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
EU完全に縁を切りたいメイ首相
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
今回の総選挙は党を越えた国益問題EU(ヨーロッパ連合)との離脱交渉を前に、イギリスのメイ首相が実施を表明した、議会下院の総選挙が6月8日に行われることが確定しました。下院は19日。総選挙の前倒しに関する動議を圧倒的な賛成多数で可決しました。下院は、来月3日に解散されます。
高嶋)労働党はダブルスコアくらいで負けているのですが、なぜOKしたのですか?
佐藤)これは、労働党とか保守党とかを越えた、国益問題。メイさんはEUと本気で縁を切りたい。ところが、国民投票においてはEUからの離脱だったということなのだけれど、いざ交渉を始めてみると世論がだんだん変化してきて、そのあとに予定通りにやった総選挙で、今度はやはり離脱、あるいは準加盟。それくらい残っても良いのではないかと主張する人たちが勝ってしまったら、もう大混乱になる。だから、はっきりと「完全に縁切りだ」と。「それをやるのが私の政策だけれど、いいんだな?」と国民に。それで、「私を信任してくれ」と勝負に出たわけです。たぶん勝つと思います。その結果、強行な離脱。離脱ということに関しては、賛成と言っている議員が圧倒的大多数当選すると思います。保守党や労働党を越えてですね。
高嶋)メイさんの読みはまず当たるだろう、と。
佐藤)そう思います。これ以外のシナリオはない。
高嶋)イギリス国民も腹を固める。
弱体化しつつあるフランスやドイツと縁を切りたい佐藤)というか、あまりにもフランスで、もしかしたらルペンさんが出て来るかもしれない。極右が。あと、ドイツでメルケルさんが駄目だったら、誰か弱い首相になる。そうなると、ドイツの極右とか極左。こういう連中が出て来て、1920年代のワイマール共和国のように、ヒトラーが登場する前夜のようになるかもしれない。「そんな筋の悪い人間とは付き合いたくない、できるだけ縁を切った方が良い」、こう思い始めていますね。
高嶋)EUがとにかく弱体化して、それで主だった主導的立場のドイツやフランスがガタガタになってきたら、「いち抜けた」をやったほうが賢かったということになる。
佐藤)そういうことになる。ですから、そういう方向に行ってます。しかも、難民がこれから増えて来るでしょう。中東の戦争が深刻になるから。イギリスはトンネルだけ確保しておけば変な人は入らないのですよ。その辺でも安全保障上の強化が出来る、という感じでしょうね。凄くエゴイスティックになっているということです
高嶋)メイさんにも非常に決意の強さみたいなものを感じますね。演説に。
佐藤)それはブレないですね。サッチャーの伝統を受け継いでいる国ですから。