4/14(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
トランプ政権 バノン氏の影響力低下
7:16~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
結果が出ていないバノン主席戦略官~政権内の影響力低下
アメリカのトランプ大統領が、最側近のバノン首席戦略官兼上級顧問から公然と距離を置き始めた。いっぽう、ホワイトハウスでは、トランプ大統領の長女イヴァンカさんの夫であるクシュナー大統領上級顧問が大統領に重用され、存在感を高めている。
高嶋)バノンさんにへそを曲げられると、あまり良いことがなさそうですけれども、どうなっていくのでしょうか。
森田)トランプ政権内ではもともとバノン首席戦略官兼上級顧問は、“既得権益の打破“といった過激な主張を全面的に出していました。いっぽうトランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領上級顧問は、穏健路線を敷いていました。外交政策でも2人は折り合わず、中東情勢への積極的な関与を主張していたクシュナーさんに対し、バノンさんはアメリカファースト主義に固執していたのです。トランプ大統領は昨日久々の記者会見に臨み、シリア攻撃について繰り返し問われたのですが、長女のイヴァンカさんがシリアの化学兵器使用に衝撃を受け、トランプ大統領に結論を促したとされております。
政治専門サイトなどの調査によると、不人気のトランプ政権で、イヴァンカさんの支持率はトップの、およそ46パーセント。バノン首席戦略官は、22パーセントに留まっています。トランプ大統領はアメリカの新聞とのインタビューで、バノン首席戦略官を信頼するかどうか聞かれたところ、それについて明言せず、「私の戦略官は私自身だ」と表明し、最近は政権内でバノンさんの影響力が低下してきているということを、自分自身で物語ったような発言をしました。高嶋)大統領選挙のときは、バノンさんのことを相当頼りにしてきたのですよね。
宮家)そうですね。白人の労働者層での、ある意味でヒーローですから。その人のおかげで当選できたのではないですかね。
高嶋)ホワイトハウスに入ってからは、降ってわいたように娘婿のクシュナーさん。本当は法律に違反するという向きもあったのですが、「無給だよ」と言ってOKだと連れてきて。それで対立したら、どうやら娘婿を取ったような、そんな気配になっていますけれど。
宮家)バノンさんというのは、ある意味で革命家であり、イデオローグですよね。トランプさんには主義主張はないのです。あの人はナルシストですから、自分がカッコよく、ついでにアメリカがグレートになればいいと思っていて、それ以上は何も考えていないというのは言い過ぎですが、常に状況は変わっていくわけですね。それに対してバノンさんは、ある意味で一貫しています。その意味では、民意がどのように動くか考えた時に、バノンさんが「OK!」というときも「アウト」という時もある。今回はアウトが続いているわけです。“ムスリムを入国させない”とか“オバマケアの法案の失敗”とか。これらは全部バノンさんがやったので、結果を出していないのです。ですから、トランプさんからすれば「うーん……」という感じがある。それで、クシュナーさんは娘婿だからね。私にも娘がいますが、娘婿というのは、娘を人質に取っていますから。圧倒的に強いのです。しかも、常識的なことを言うでしょう。ですから、比較的に信頼の重心が少しずつ家族に向かってしまっている。しかしそういう状況はいかがなものかなと思いますがね。
明日15日 北朝鮮は何をするのか、しないのか?高嶋)北朝鮮に対してというのが気になるのですが、具体的に言うと、いま空母がどんどん行っていますよね。そして明日15日。ゴーッと圧力が盛り上がりますよね。それで、北が手を出すのか出さないのかがまったく分かりませんが、出したら何かをやるのでしょうね。
宮家)それは出し方次第でしょう。おそらく金正恩の立場になったら、中国からガンガン「止めろ止めろ」と言ってくるわけですよ。だけど中国は信用していないから、アメリカがどんどん北を挑発。これはなにかやらないとまずいと思う。だけどそこで核実験をやるなら、中国を敵に回して、ちょっとミサイルを撃ってみようかと。それだったら対応が難しいでしょう? ICBMを撃ったとかなら「ん?」となると思うけれど、だけどアメリカだって下手にこれをやってしまったら、53年の休戦協定が破壊されてしまうのだから。こんな簡単じゃないですよ。