4/7(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
ようやく固まりつつある陣容
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
反ワシントン的だったスティーブ・バノン上級顧問高嶋) トランプ政権で国家安全保障会議(NSC)というのがありますが、そこからスティーブ・バノン上級顧問がメンバーから外れたと昨日の新聞に出ていました。これは選挙のときに最大の力を発揮した人ですよね?
宮家) 知恵袋で戦略的なアドバイスをしました。この人は圧倒的に今も影響力があると思います。
高嶋) それが図星で当たって、大統領になれたと。だから下にも置かない扱いだったと思いますが。
宮家) 普通の人にとっては煙たいかもしれませんね。大統領にかなり近くて反ワシントン、いままでやってきたことを全部否定するような一種の革命家、もしくはイデオローグですよ。いままでのやり方がみんなコテンパンにやられている。このバノンさんがNSCから外れてしまうわけでしょう? そもそも入ってくるのがおかしいですよ。
高嶋) 本当はね。
宮家) 前にマイケル・フリンさんが辞めたでしょう? あの人はあまり出来が良くなかったから、補強でバノンさんを入れたかどうかはわからないけど。NSCが無茶苦茶になっていた時期ですよ。だけどやっとH.R.マクマスターという新しい補佐官がきて、おそらく陣容も固まってきたのでしょうね。バノンさんが居ても居なくてもって感じになっているのかもしれない。
トランプ政権の内政は無茶苦茶高嶋) トランプさんの政権はまだ正式に発足していない感じで、非常に長引いています。大統領令を発することが趣味みたいになっていて、これでどういうふうになっていくのでしょうか。
宮家) 簡単に言うと、内政と外交でわければ内政は無茶苦茶ですよ。入国禁止と言えば裁判所にダメだと言われ、オバマケアをぶっ潰そうとすれば議会がごちゃごちゃしてうまくいかない。ロシアとの関係ももめているけどCIAが怒っていて情報機関ともうまくいっていない。もちろんフェイクニュースでメディアと大喧嘩をしているわけですよ。裁判所と議会と情報機関とメディアと喧嘩をして、こんな大統領を見たことはないでしょう。
北朝鮮への攻撃はありえない
高嶋) 残るのは北朝鮮への爆撃だと。宮家) そんなことを言ったって、やれるわけがない。どうやってやるのですか。私も不思議でならない。みんな斬首作戦と言いますが、なんの根拠でそれができるのですか? 国際法上で根拠があるのですか?
高嶋) 米韓の演習でいままでとは違う上陸作戦を繰り返すとかやったりしていますが。
宮家) それはいいですよ。向こうから攻めてくればやればいいですから。だけどこっちから一方的に首を取りに行く根拠はなにですか?
高嶋) それはありえませんか?
宮家) “なにか”があればありえるかもしれませんが、下手をすれば朝鮮戦争の休戦調停が壊れてしまう。戦争がまた勃発してしまいますよ。
高嶋) バノンさんはそのことについてどんな考えを持つ方ですか?
宮家) おそらく「いつやるか」というのは最終的に彼が決めることはではないけれども、どのような形で北朝鮮と対峙していくかという方向性についてはかなり考えていると思います。それは細かいことよりも中国を念頭に置いてどういう方向で行くべきかとは常にアドバイスしていると思います。
高嶋) なるほど。要するに非常に頼りがいのある知恵袋だったということですね。
宮家) そうですね。しかし問題のありうる恐ろしい人だと思います。