シリア問題~トランプ大統領「ロシアとの関係は史上最低」高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/13(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

シリア化学兵器使用をロシアは認めず
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

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12日、モスクワで会談したロシアのラブロフ外相(左)とティラーソン米国務長官(タス=共同)撮影日時:2017年4月12日 写真提供:共同通信社

平行線に終わった米露の主張

アメリカのティラーソン国務長官とモスクワで会談した、ロシアのラブロフ外相は、アメリカによるシリアへのミサイル攻撃を「違法」と非難したうえで、追加の攻撃をしないよう要求しました。この会談のあと、ティラーソン国務長官は、プーチン大統領とも面会しました。

高嶋)米露外相会談ですね。それではこの内側を、まずはニッポン放送報道部、森田耕次解説委員です。

森田)アメリカ政府が11日に発表した報告書によると、シリアの化学兵器開発の関係者が、3月下旬からシリア中部のシャイラト空軍基地に集まって、サリンの攻撃を準備していたということです。今回のサリン使用で多数の子どもを含む、最大100人が死亡。数百人が怪我をした、としております。
こうした中で、アメリカのティラーソン国務長官がロシアを訪れ、訪問先のモスクワでロシアのラブロフ外相と会談しました。会談でロシア側は「アサド政権は化学兵器を破棄している。破棄済みだ」と主張しております。会談は終了したという一報が先ほど入ってきており、シリア問題を巡る双方の主張は平行線に終わった、ということです。
会談後にティラーソン国務長官は、ラブロフ外相との共同記者会見で、「両国の信頼関係は低いレベルだ」と述べ、米露間の信頼関係は悪化しているという認識を表明しています。
また、ティラーソン国務長官は、「アサド政権が化学兵器を使った」と断じ、「時間の経過とともに、戦争犯罪を裁く十分な証拠が得られる」とも述べ、責任を追及する考えも表明しています。
一方、トランプ大統領はワシントンでNATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長と会談し、会談後の記者会見で、「アメリカやNATOとロシアとの関係は史上最低かもしれない」と述べています。トランプ大統領は去年の大統領選では「NATOは時代遅れ」だと非難していたのですが、今日の会見では「時代遅れではない」と述べています。
また、トランプ大統領は記者会見で「シリアでの残酷な内戦を終わらせ、テロリストを打倒し、難民を家に帰すときだ」とも述べ、シリアでの内戦終結へ向けて、NATOなどと取り組む方針を強調しています。
ただ一方で、11日のフォックス・ビジネスのインタビューでは、「シリアに入り込むようなことはしない」と述べています。本格的な地上部隊投入など、これ以上の深入りには慎重な姿勢を示したと見られているのです。

高嶋)“相手変われど主変わらず”というのがラブロフさんでね。何だか、泣きが入っていますね。味方になるとか敵になるとか、誤った選択肢を強要するな、と。ティラーソンさんは(国務長官)になったばかりですから張り切っていますしね。この辺のやり取りはどうですか?

山本)この間まで米露関係というのは、“史上最高”と言われていたわけですよね。特にトランプ大統領とプーチン大統領の個人的な信頼関係ということまで言われた一方で、アメリカ国内では「ロシアと不当な接触が行われていたじゃないか」と政権問題になっている。このようなグチャグチャの最中に起きたのが、ここへ来てのシリアへの攻撃であり、対露関係の後退である、ということで無関係ではないと思いますね。「グチャグチャをぶった切ってしまおう」という発想があったとしてもおかしくないと思います。
非常に複雑な米露とアサド、そしてISの関係

高嶋)今日のスポーツ新聞とかネットニュースで、“トランプさんがミサイル攻撃を決めたのはイヴァンカの呟きにあった”と。(トランプ氏)すごく好きでしょう? イヴァンカさんのこと。実業家の弟さんが、デイリー・テレグラフのインタビューに答えて、「それは間違いない!」と言った、いうのですけれど。

山本)「姉の言うことは聞くから」と。それはあったかもしれないですね。トランプ氏の場合。

高嶋)いままでだと考えられないきっかけで判断する人、ということですよね。

山本)そういうことですね。それから、そもそも“米露関係が史上最悪”という言いぶりからしても、これは歴史的に見るとおかしな話で、そもそもソ連時代まで含めると核戦争の寸前まで行ったことのある関係ですから。現段階で感情祖語が生じたと言っても、モスクワとワシントンの間で核兵器をやり取りするようなことは無いはずですから、そこまで考えて物を言う人ではない、というのが現在進行形で証明されていると。

高嶋)化学兵器云々。これはアサドがやったというのは、何となく日本に住んでいると「当然そうだろうな」と思ってしまうのですが……

山本)みんなその頭で見ていますからね。

高嶋)その辺はどうなのでしょうか?

山本)やはりそうなのではないでしょうか。私の想像ですけど。

高嶋)それではロシアに説得力が無いですね。

山本)無いと思いますね。ただ、国際政治というのは平気で嘘を言い続けることがありますから。いかなる強弁でも、公然とやりますからね、これ。

高嶋)アラブの春以来、ずっと伝搬していって。結局、アサドさんだけ強行にまたやっている訳ですけどね。これから先、ISが生まれて滅茶苦茶になってしまいましたが、どんな展開になっていくと予想しますか?

山本)まあ、ISを潰さなければいけない、ということは疑いの無いことですので、これはもう徹底して潰してしまう。

高嶋)ここは米露の関係は変わらないのですかね?

山本)目的はひとつなのですが、そこに協力関係がここしばらく続いたような、上手く回る局面なのかどうかは分からないですね。その一方で、プレイヤーであるアサド政権を結局持たせるのか潰すのかというところで。アメリカは持たせる方に一回乗ったはずだったのですが、ここに来て今度は一変してダメだとなってきたわけで、ここのかみ合わせは大変わかりにくいですね。
ロシアはトランプの弱みを握っている?

高嶋)それと、ロシアはいろいろな手を使いますけれども、いざとなったらトランプの弱点は……などということはありますか?

山本)そこはいわゆる“ゴールデンシャワー”ですか? 大統領選の間から言われ続けた「トランプ氏の個人的な弱みを握っているだろう」とか、選挙戦の間にクリントン陣営に対して情報を取っていたわけで、トランプ陣営の情報を取っていないはずがないな、と思いますよね。そういうものがいろいろと出てきたらどうするのだろうな、というのが、アメリカの内政的な脅威ですね。

高嶋)ロシアも思い切りへそを曲げれば、それくらいのことはやるよ、と。

山本)やるかもしれない。「お前さん、脛に傷持っていないかよく考えて俺にモノを言ったか?」と。

高嶋)結構微妙なところもあるかもしれないということですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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