4/10(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
トランプ政権勢力図~ロシア強硬派へ
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
検証作業が進んでいない中での巡航ミサイルの発射高嶋) アメリカがシリアの空軍基地を59発の巡航ミサイルで爆撃しました。須田さんはこれを訊いてどう思われました?
須田) びっくりしましたねえ。前オバマ政権がスローモーな対応を取っていたのに対して、トランプ政権は非常にスピーディーな行動を取った。ただアサド政権サイドがサリンを使ったかどうかの検証作業はまだ進んでいない中での巡航ミサイルの発射ですから、かなり拙速気味という感じがしなくもないですよね。
高嶋) アメリカは疑惑解明を待たずに即決したと。そしてトランプさんはこの間のサリン攻撃はアサドだと確信してやまないわけですよね。これという証拠は示していないと。全然わかっていない私でもアサドがやったに違いないと思っているのですが、その辺の微妙なところというのはどうですか?
須田) その辺は本当に霧に包まれていて、アサドがやったと考えてもおかしくないのですが、中東情勢は混とんとしていますからね。場合によってはイランがやったのでないかとかいろいろな説が飛び交っています。その検証作業待つことなし、加えて国連の対応も決まっていない中で、アメリカが独自に軍事攻撃に踏み切った。これまでのアメリカは直接手を下していなかったですから。この部分についても重い判断だったのではないかと思います。
トランプ政権の勢力図がロシア強硬派へ移行した高嶋) トランプさんは当初、アサド政権を認めるかのようなことを言っていました。ロシアと協力をしてISを壊滅に追い込もうと言っていた。それが化学兵器使用というところからコロッと変わってしまって、判断が早いと言えば早いのですが、大統領としては決断が軽いようにも感じます。
須田) トランプ政権の勢力図というのがここへきてガラッと変わってきています。大統領選挙期間中や政権発足直後はロシア融和派が力を持って主導権を握っていた。トランプ政権の中にはロシア強硬派というものがいまして、その筆頭格がマティス国防長官。ロシアはヨーロッパの軍事同盟NATOを破壊しようとして、この方は非常に苦々しく思っていた。今回はマティスさんの意見具申を採用したということだと思いますけどね。
同時にシリアと北朝鮮を相手にすることはない
高嶋) 普通だったら中国のトップが来ているときにそれをやるのはまずいぜと思いますが。むしろ心の中でニタリと笑って「今だ」みたいにやっているわけですよね。それに対して習近平さんも女性や子供を科学兵器で無慈悲に殺したという、それに対して反論はしなかった。これはどう見たらいいのですか?須田) 北朝鮮に対する影響を意識されていると思いますが、トランプ政権が発足するまでは北朝鮮のことは中国に全部任せて責任を負わせていたのですが、実は今回の米中首脳会談において「中国が動かなければアメリカは独自の行動を取る」とトランプさんは習近平さんに言い切った。そのさなかでの攻撃ですからね。習近平さんも背筋が寒くなったと思いますよ。
高嶋) 須田さんはこれからどうなっていくと推理していますか?
須田) 基本的にアメリカは、シリアと北朝鮮を同時に相手するということはありません。巡航ミサイルを発射したということは軍事行動に出たわけですから。これでもう何もなかったということにはできません。アメリカとロシアのアサド政権との間で次はどういう展開を見せ、次の一手は何かというところが問われてくるのではないでしょうか。
高嶋) ロシアは侵略だと言っていますけど、ミサイルを撃つ前にロシアには通告したみたいですね。今日あたりの新聞を見ていると、これ以上大きなことにはならないのではないかということです。これが希望的観測でなければいいなとは思います。だけどトランプさんの性格からすれば北朝鮮に対してどうするかと思うことはありますよね。